あまの鍼灸院ブログ

鍼灸院での毎日の様子をアップしています。
鍼灸院ってどんなところ?と知っていただけたらうれしいです。

ツボの話〜生きているツボ〜

2019-12-26 23:11:00 | 健康・病気
こんにちは!スタッフの松本です。
木曜日は「ツボの話」です。

今日は「生きているツボ」というテーマにしてみました。
ツボが生きているとはどういうことでしょうか?

よく患者様から「ツボの場所はみんな一緒なの?」と聞かれます。
ツボ、正式には経穴(けいけつ)といいますが、その場所というのは
2006年にWHO経穴部位国際標準化公式会議が開催され
361の経穴の場所が明文化されました。
そういう意味では、ツボの場所は国際的に定められています。とはいえ、体格の違う
人間をどうやって統一規格で国際的に定めたと思われますか?


答えは!お一人お一人の手足の骨を基準にした「骨度法」という
採寸方法を採用したのですね!
これも、中国古典の「黄帝内経霊枢」の「骨度篇」に由来しているのですよ!


古代の先生方の知恵の深さには本当に頭が下がります。
この方法であれば、体格に関係なく寸法をみることができるのですね。

しかし実際のツボは、教科書のとおりとはいきません。
我々鍼灸師にとって、ツボとは診察点であり、治療点です。
古典には、「神客在門」と書かれていて「正気と邪気の出入りするところ」
と書かれているのですね!
「神」は精気・真気とも表現されご自身が持つ生命力です。
「客」とは邪気の事で身体を冒す病原菌のことです。
よって鍼灸治療では「神」→精気・真気・正気を補い、邪気を排除する治療を行
うのです。
まさに、今日の画像のように鳥居⛩
のように捉えていただいても良いのかもしれません。
体力が弱っていたり、バランスを崩していると、正気ではなく邪気も
このツボから侵入してくるものと考えています。
ですから、適度に閉じるべき時は閉じていないといけないのですね。
まさに門なのです。

例えば、ある患者様の足三里を触ってみたとき、凹んでいて冷えていたとします。
或いは触った時に、脈の様子が変化したとします。
これを我々は「反応」と表現しますが、この反応がある人のツボは「生きているツボ」と呼び、
治療するべき場所であると考えるのです。
それとは違い、ある人の足三里のあたりを探ってみても、特になんの反応も得られなかったとします。
そうするとこのツボは「生きているツボ」ではないと判断するのです。
門が閉じられていると解釈していただいてもいいのかもしれません。

ですから「腰痛に効くツボはここ!」とテレビ等で紹介された時に、
本当に効く人と、そうでない人がいます。
それはそのツボが「生きている」かどうかによって違ってくるのです。
もっといえば、運動器疾患の方であれば効果が出やすくても
内臓疾患由来の方であれば、先ずは身体を整えることが最優先です。
運動器に問題がなければ、内蔵を整えることで腰痛は改善されます。
先ほどの「足三里」は胃腸の運動に深く関係していることは、先日の
ブログで申し上げましたが!

腰痛に効くツボ!と紹介されていることはあまりないと思います。
ですが、胃腸虚弱などから起こっている腰痛には、このツボ効果があるのですよ!

同じような腰痛の患者様でも、生きているツボは、患者様それぞれ違うところにあったりします。
病名で治療方法が決まる西洋医学とは全く違い、
東洋医学がオーダーメイドの治療と言われる所以はこういうところにあるのですね。

さて、鍼灸師にとって、その「生きているツボ」を探せるかどうかが最大の腕の見せ所です。
その為には、ツボの反応を捉える為の「手」を作らねばなりません。
当院の院長は、我々スタッフに繰り返し「手を作れ」と説いてくれます。
ツボの反応は分かりやすいものもあれば、とても微妙で繊細な場合もあります。
それらの反応をしっかり捉えられる「手」を作ることで、患者様へより良い治療が出来るようになるのです。
患者様のお身体から、発せられる貴重なシグナルを
キャッチできる手をつくるということですね!

私もその「手」を作るために、これからも日々努力を重ねてまいります!

木曜日担当、松本でした。

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