あまの鍼灸院ブログ

鍼灸院での毎日の様子をアップしています。
鍼灸院ってどんなところ?と知っていただけたらうれしいです。

ツボの話〜印堂〜

2020-01-24 22:07:00 | 健康・病気
こんにちは!スタッフの松本です。
金曜日は「ツボの話」です!
今日は「印堂(いんどう)」をご紹介します。

さっそく場所を確認してみましょう。
顔にあるツボです。眉間の中央で、両眉頭を結ぶ線の中点に取ります。

印堂は、奇穴(きけつ)のうちのひとつです。
今までご紹介してきたツボは、WHOが定めた361穴の中からでした。
それぞれに所属する経絡があり、その経絡の上にツボがあるのです。
それに対して奇穴とは、経絡とは無関係ではあるものの、
その治療の有効性が経験的に証明されて受け継がれてきているツボのことです。

さて、印堂は何の治療に効果があるかといいますと、ズバリ、鼻炎です!
今年の冬は暖冬で、春のような暖かさを感じる日が多いですね。
春といえば、毎年花粉症に悩まされる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
当院にも、花粉症の患者様が多くおいでになり、「鼻が詰まってしまって…」とか「鼻がグズグズします」などの症状を訴えられます。ここで、印堂の出番です!
当院では、全身の気血のバランスを調える治療を行っておりますので、その患者様それぞれに合わせて治療していますが、この鼻の症状を訴えられる方には、印堂にお灸をします。すると、「鼻がスッキリしました!」と大変喜んで頂けます。

ちなみに、この印堂の位置…
私が最初に想像したのは、インドの人などがおでこにつけている赤い印でした。
「ティラカ」や「ビンディ」などと呼ばれるそうですが、印堂と何か関係があるのでは思い、調べたのですが…
結局、直接の関係はわかりませんでした。
インドにはアーユルヴェーダと呼ばれる伝統医学がありますが、古代中国の医学である東洋医学と、似ているところが数多くあるようです。
《霊枢・根結》には、『太陽は至陰に根ざし、命門に結ぶ。命門なる者は目なり。』と書かれています。
黄帝内經靈樞註證發微 9卷より 国立国会図書館
ここでは、目のことを指しているのですが、張志聡の説では
「命門とは、太陽が水火生命の根源であるように、目は経気の出てくる門であるということである」
と書かれていて、我々が患者さまの状態を見て診断するときのポイントとしている場所でもあるのです。
(目頭の中央のくぼみが、晴明というツボですが、その間ともいえる印堂あたりの艶や輝きなどで
その患者さまの気が充実しているかどうかを診断する手がかりとしています。)
鼻炎の特攻穴というだけでなく、とても大切な診断ポイントにもなっています🥺

遠い昔、人類の歴史の中で生まれてから現代まで脈々と受け継がれてきた東洋医学の奥深さをあらためて感じました。

金曜日担当、松本でした。

参考文献:現代語訳 黄帝内経霊枢 東洋学術出版社 石田秀実.白杉悦雄監訳

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