あまの鍼灸院ブログ

鍼灸院での毎日の様子をアップしています。
鍼灸院ってどんなところ?と知っていただけたらうれしいです。

病気を癒す「森の散歩」

2009-10-16 23:22:00 | 健康・病気

ニコル氏のお話をみなさまにお伝えしたくて今日も続きです

先日東洋医学の教典に 

「手の太陰の気絶すれば、則ち皮毛焦る。・・・」

と書かれているとお話しました。

太陰とは五臓六腑の『肺』のことです。

 肺が呼吸活動の主役であることは皆さんよくご存知だと思います。

ですが、生体の70パーセントをしめる水分や血液の循環に肺が重要な役割を果たしていることをご存知でしょうか?

 再び教典から引用させていただきますね。

『肺は氣の本』
『五臓の天に応ずる者は肺なり、肺は五臓六腑の蓋なり。』
『肺は臓の長なり。心の蓋と為すなり。・・。』

 肺は『華蓋の臓』とも言われていて、五臓の一番上に位置して天氣(風雨・寒熱・湿
燥など)から身体を守る最初の防波堤になっています。

 肺の呼吸活動により清気(清らかなエネルギー)を臍下“丹田”(おへその下です)まで吸い込んで元気の大本とし、呼氣(吐く息)により不要な代謝産物を排出しているのです。

また、肺は『皮毛を主(つかさど)る』といわれているように汗孔の調節を行い、不要な代謝
物を汗と一緒に身体の外に排出したり、寒さや暑さから身体を守ってくれているのです。又、皮膚に潤いを与え乾燥を防ぐのも肺の働きなのです。

「おー寒いハックション」これも一時的に身体を温めるための生理作用なのですね。

肺氣が正常に働かないと汗孔の調節がスムーズに行われないために、暑いときに
「皮膚の窓」が開かず身体は過熱状態になります。一方寒いときに「皮膚の窓」
が閉じないと身体は寒さに震え風邪の原因にもなってしまいます。

昔から乾布摩擦や冷水摩擦で風邪を引かないようにするというのは

このような理由があるのですね。皮膚を鍛えることによって周りの環境に

すばやく適応することができるようになるのですね。

『肺は氣の本』といわれることから想像できるように自律神経失調症などの「こころ」
の病気も肺を整える事により改善して行きます。この『氣』は

元気・やる気・覇気 などに使われる氣です。

とかく現代はストレス社会ですから、この氣の病の患者様が本当に多いです。

ただ、氣は簡単に動くことができます。鍼灸ではこの氣を良い方向に

めぐらせるようなアプローチをしています。『氣』の病は必ず治ります。

流れを滞らせることなく、良いベクトルに向ければよいのです

“森の散歩”の処方箋の理由が少しお解りいただけたのではないでしょうか?

洋の東西を問わず真理はやはり一つ。「健康第一」

英国で氣の論理があるかどうかまで存じ上げませんが、快方に向かうという

事実が方法論として確立されていることが本当に嬉しかったのです。

みなさまも是非、休日には『森の散歩』実行してみてくださいね。

散歩する時間や季節などご心配でしたら治療中にでもお気軽にお訪ねください。

患者様にあった方法をお話できると思います

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c.w.ニコル氏のお話(その3)

2009-10-15 21:33:15 | 健康・病気

今日は第3回目のお話です

荒れ地となった故郷には自然が戻ったそうです。

兵士上がりの3人の教師と子供達の心が荒野に緑を戻したのです。

政治の力でもなくお金の力でもなかったのです。

その方法は荒れ地に一本一本気を植えたそうです。

「その活動によって森に緑が戻ったのです。」

ニコル氏の顔に笑顔が戻りました。

「小鳥のさえずりが、虫の音が、動物の鳴き声が戻ってきたんだよ!」

「ドブ川と化した川は清流となりヤマメやイワナ等の魚が戻ってきたんです!」

と話がはずみました。

後半は河村市長との会談でした。市長は環境問題に関心があるとお聞きしてい
たのでワクワクする気持ちで10分間の休憩を待ったのですが、

これはいただけなかったです。

話がかみ合まないのです。里山について意見を求めると「国や地元住民とのしがらみが
あってねー」と話をそらされました。

そして、「来年から市民税を減税するんだ!」と会場にアピールされていました。

生命を育む『山川草木』に目を向けない若者たち!

その大切さを教えないごまかしの『ゆとり教育』

第一次産業をないがしろにする政治!

私の故郷は日本における紙パルプ発祥の地です。山にはコウゾ、ミツマタなどの
紙を作るための原料が豊富にありました。それらの木をどんどん伐採し

紙を作った後には営林省(林野庁)が建築材料とする為の杉や桧を次々に植えました。

その結果国民を苦しめる多くの疾病をもたらしたのです。

春になるとスギ花粉によるアレルギー症状を訴える患者さんが鍼灸治療を求めて当
院にも多く訪れますね。

もしかして貴方が悩んでいる花粉症等多くの疾病は生命を育む『山川草木』の第
一次産業に目を向けない愚かな国策による『人災』かもしれません・・・・・。

われわれの支払った税金で花粉症などの疾病にかかる原因が作られ、そしてその疾
病を治すためにさらに税金を支払わされているとは思いませんか?

『病気』と書かずに『疾病』と書きました。思い返して下さい、『森の散歩』と
いう処方箋を指示するイギリスの医師を。

本当に大切なものは何かがわかっていただけるのではないでしょうか?

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今日は尺八のお稽古に

2009-10-14 23:02:34 | ブログ

行ってまいりました。

今日もニコルさんのお話を書きたかったのですが

尺八のお稽古の日で、なかなか普段練習ができないので

午後の治療が終わってから急いで猛練習です

先生は稽古してきたかどうかすぐ見破られます・・・

継続は力ナリです・・・・

ニコルさんのことは明日またアップしますね。

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C.W.ニコルさんのお話(その2)

2009-10-13 21:44:23 | 健康・病気

昨日に引き続きニコルさんのお話です

C.W.ニコル氏の話の中で大変興味深い話がありました。

イギリスの開業医の先生は『森の散歩』を病気によっては処方されるというのです。

私は思わず「すばらしい」と膝をたたきました。

小鳥や動物が住まう大樹は大気を放っています。

木が氣を養うのですね。健康を快復するのは至極当然のことなのです。

病は氣から

氣が疾むから病気になると云われていますが、医療の現場で

本当に病気を診ているでしょうか?

『病』を診る事は素晴らしい進歩を遂げているかもしれませんが

『氣』を見落としてはいないでしょうか。

生命は氣・血・津液から成り立っているというのが東洋医学の考え方です。

生命から『氣』を補うことで『津液(水)』が衛気・営気・精気・宗気などのエ
ネルギーとなり『血』を活性化して健康を快復していきます。

『氣』が失われたらたんなる骸(なきがら)であるのです。

イギリスでのこの森の処方を学びに行かれた日本の医師が

細かい処方箋の指示や内容を聞きましたが『そんなのはない。

森に行けば治るのだから』と答えられたそうですが、日本の医師は

参考にならなかったと残念がって帰国したそうです。

結果が出ているのにそれを受け入れられない態勢を嘆きますね。

この森の処方箋、疾患別にコースや回数もおおよそ決まっているそうです。

われわれの鍼灸治療も森の処方箋に共通する箇所が多くございます。

一番は人に本来ある自然治癒力にはたらきかけ、最も副作用のない

最も人間らしい治癒の経過をたどるということです。

科学的な証明を求められると完全ではありませんが、人間には

本来自分から治る力があるということは証明できなくても事実なのですね。

イギリスの医師は必ず治るということを時間をかけてゆっくり説明されるそうです。

私も見習わなければと反省しきりでした。

まだまだ続きがございます。もうしばらくお付き合いくださいませ。

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c.w.ニコルさんの講演会に行ってまいりました(1)

2009-10-12 21:07:47 | 健康・病気

10日の午前中の診療を終えて、家内に誘われていたC.W.ニコル氏の講演を

聴きに行ってまいりました。

C.W.ニコル氏は作家・探検家・環境保護活動家の方です

C.W.ニコル http://www.cwnicol.com/

前日の夜遅くまで起きていたものですから寝不足気味で

会場に向かうタクシーの中ではうとうとしていましたが
いざ講演が始まるとニコル氏の自然を愛するエネルギー『氣』のパワーでしょうか。

どんどん頭がさえてきました♪あまり素晴らしいお話でしたから

少し連載してみなさまにお伝えしたいと思います。

氏の故郷イギリスでは近代化を旗印とした自然破壊によって、

野山は砂漠状態と化し、900余年前に熊は絶滅、

400余年前には猪は絶滅する等悲惨な状態だったそうです。

氏が日本に初来日した時はまだまだ自然が残されており

大変感激し日本が羨ましくて仕方がなかったそうです。

それから50年近くのときが経ち、今の日本の森が粗末に扱われている

ことを大変嘆かれ、京都大学で『森』の大切さを訴えられても学生には

あまり反応がなく、まだ畑の大根に話しかけた方が楽しいぐらいなのですと

おっしゃわれました。思えば会場に着いたときにすぐ家内が、

「この会場、団塊の世代以上の人たちがほとんどで若い人はいないよ。」

と伝えてくれたことと重なってしまい、自分も大変心が痛みました。

洋の東西を問わず「地・水・火・風」は生命を営む上で重要な概念なのですね。

東洋医学に『天一水を生ずる』との教えがあります。『水』が無ければ生物は存在し
ません。その『水』は『山』によって生ずるのです。

東洋医学の教典にこういう言葉があります。

 「手の太陰の気絶すれば、則ち皮毛焦る。太陰なる者は、気を行《めぐ》らせ
て皮毛を温むる者なり。故に気栄わざれば、則ち皮毛焦る。皮毛焦るれば、則ち
津液皮節を去る。」

皮毛(草木)、津液(水)と置き換えて考えてみて下さい。

常識的に考えれば水が無くなるから草木が枯れると思われませんか?

でも違うのです。草木の有るところに水が集まってきます。

山を守ることにより水が養われ生命が育まれ健康を保つことが出来るのです。

ニコル氏も人類のDNAは半分ぐらいは森から来ているとおっしゃってみえます。

例えば、パピルスは別としても紙も建物も道具も木材も食べ物も酸素も

森から来ていますから森がなければ人間は生きられないのですと。

われわれが忘れてしまったことを教えてくださる講演でした。

続きはまた明日アップしたいと思います。

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