リンカーンもドラッカーと同じような事を言っていたなんて知らなかった。
「ドラッカーは、そのような大転換期において、既存の経済理論や経済政策はたいして役に立たないという。大転換期には、社会理論でさえ役に立たない。
理論家に期待できることは、せいぜいが、この大転換期が終わってから、しかも終わって何十年もたったあとで、何が起こったのかを説明する理論を考えてくれることぐらいである。
つまるところ、われわれは理屈ではわからない時代に入っているのである。しかも、さらにはっきりしているのは、この変化を無視して、明日も昨日と同じだと考えることこそが、最大の過ちにつながるということである。
しかしながら、悲観することはない。ドラッカーは、その予測不能な明日において、成功への道を拓く方法はあるという。社会にもあるし、個々の企業にもある。
それは、自ら未来をつくることである。不思議な論法というべきかもしれないが、予測不能だからこそ、自分でつくるのである。
ドラッカーは、そのための具体的な方法まで教えてくれる。その筆頭が、すでに起こった未来を知り、それを利用しながら、自らの手で未来をつくることである。
「自ら未来をつくることにはリスクが伴う。しかし、自ら未来をつくろうとしないほうが、リスクは大きい」(『明日を支配するもの』)