師匠大谷内さんエリザベス女王杯154万馬券(3連単)に続き、マイルCS10万馬券(3連単)的中!(詳細はこちら)
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【エイシンデピュティ】
前走の天皇賞9着は、長期休養明け2戦目。好調時に比べると10㌔ほど馬体重が多いし万全のデキではなかった。しかも、府中2000㍍では鬼門の大外枠発走。案の定、テンの1ハロンに手綱をグングン押して2ハロン目でハナへ立つのがやっと。想像以上に脚を使わされた。本来は平均ペースの淀みない流れで粘り腰を発揮するタイプだが、鞍上としても2ハロン目以降に、これ以上脚を使うことはできなかったろう。結果的に展開は先行馬でも33秒台の脚を要求されるスローの追い比べとなり、切れ負けした。ただ、レース後に「4角で隣の馬には抜かさせないという根性を見せた」というように、前々走のように大きくはバテなかったし見せ場はあった。前々走のオールカマー14着は長期休養明けで馬体が大幅に増えていたし、仕方ない敗戦だ。休養前の宝塚記念は泥んこ馬場の消耗戦。ハナへ立ち、直線で一旦はアサクサキングスに迫られるもそこから二の脚で差し返してV。その前の金鯱賞、ダイワスカーレットと僅差の勝負をした大阪杯といい一旦は馬群に飲み込まれながらも勝負根性と抜群の粘りを見せるタイプ。前走のように33秒台の脚を要求される流れでは厳しいが、34秒台で粘れる展開なら。ハナは間違いなくリーチが切るだろう。スンナリの2番手で十分。雨は降れば降るほど好材料。最終追い切りでは、坂路で半マイル49秒台の猛時計を出した。好調時の高く脚を突き上げるフットワークが戻ってきたし、馬体も絞れている。490㌔台なら。
【ウオッカ】
前走の天皇賞3着は、道中は好発を決めるも、ギュッと手綱を絞り後方へ控える。馬は首を上げて嫌がるも、何とか鞍上がなだめる。前々走が逃げてなし崩しに脚を使わされただけに余計に折り合いに神経を注いだ。その甲斐あって後方で折り合うことに成功(武豊騎手だからこそできる芸当)。直線を向いて大外へ持ち出すのではなく、坂上で持ったまま進路を探る。だが、前3頭びっしりと壁になって出られない。痺れを切らし残り250m地点で右手綱を引いて馬場の3分どころへ。そこからグーンと凄まじい末脚で一気に差し切るかの勢い。だが、ゴール前100㍍で脚色が鈍り、2着馬にも差し返されてしまった。自身も上がり3ハロン32秒9の脚は使っている。しかし、タメるだけタメて最後に脚が鈍ったことを考えると、究極の勝負で距離適性の差が出てしまったということだろう。休養前の毎日王冠2着は、逃げ馬不在のメンバー構成で押し出されるようにハナへ。スローの逃げに落としたものの、掛り気味の道中でなし崩しに脚を使わされた。昨年のこのレースは3着。鞍上の岩田としては同年の安田記念1着以来の騎乗。その時が積極的な先行策から押し切っているだけに、そのイメージで乗ったはず。だが、2400㍍では勝手が違った。テンに押して行った分、ガツンと掛ってしまった。4角までかなり行きたがっていた。直線は舌がハミを越していたし、最後は余力がなかった。乗り手の誰もが絶賛する破壊力は、行きたがる気性も含めて府中のマイルで最も発揮するのは間違いない。前走のラスト100㍍の脚の鈍り方を考えると、2ハロン距離延長では厳しさが増す一方だ。3着争いと見たい。
【スクリーンヒーロー】
前走の天皇賞2着は久々で目標ではないレース。中間は集中力を高めるためにブリンカーを着用し、レースでも使用。2番枠から少し手綱を押して先行策。首を水平に使った柔らかい走りで鞍上が手綱を抑えるのに苦労するほどの行きっぷり。力むところが全くない省エネ走法で、超スローの流れをインの3番手から追走。手綱をガッチリと持ったまま直線入り口で馬場の3分どころへ持ち出し、仕掛ける。勝ち馬には並ぶ間もなく交わされたが、残り150㍍でグンと後続を引き離し、一旦は交わされたウオッカを差し返したのは高く評価できる。久々でこの高速決着に対応できるのは能力が高い証拠。休養前の関西戦は阪神大賞典激走の反動があったようだし、不得手の右回りも影響した。昨秋のこのレースは9番人気でV。16番枠発走から内の先行馬の出方を見ながら好位の外めを追走。鞍上のデムーロは重心を低くしたフォームで空気抵抗を極限まで回避。手応え十分のまま4角を回り、首を目一杯に伸ばしたストライドで瞬発力勝負を制した。スクリーン自身も首を上手く使った全く無駄のない省エネ走法。スッと好位に取付けられる脚もあり、昨年同様に内の出方を見られる大外枠発走はプラスと見たい。中間の攻め馬を見る限りは絶好のデキといえるし、連覇も視野に入ってきた。ただし、好走しているのは瞬発力勝負の流れが多く、底力を要求される流れになった時がどうか。
【オウケンブルースリ】
前走の天皇賞4着は、発馬で半馬身ほど出負け。道中はウオッカの横を追走。後方で末脚を温存する。直線で馬場の5分どころへ持ち出す。だが、一度目にサクラとシンゲンの間を狙うも失敗。次にシンゲンの左側を狙うも手綱を引いてしまう。チグハグな競馬をしている間に上位3頭との差は広がる一方。機敏に動けず、少しづつ加速するタイプ。距離不足でのヨーイドンの高速決着。いかにも厳しい条件だった。それでも差してきたのは実力。前々走の京都大賞典1着は、久々でも賞金獲得のために目一杯の仕上げ。レースでは好発を決めるも無理せずにジンワリと後方に控える。テイエムプリキュア、クィーンの作る速い流れを手応え十分に追走。坂の上りから少しづつ加速を開始させるも、ズブさを見せて手綱から一転して余裕がなくなる。直線入口でも後方2番手だったが、直線でエンジンが掛ってからは力強く伸びて差し切った。昨秋は腰の状態が思わしくなかったし、今春の阪神大賞を激走したことで更に悪化した。今は休ませたことで完治したので問題はない。2ハロンの距離延長は間違いなく歓迎だし、冬の洋芝開催で極端な時計決着、上がり勝負にならない可能性が高いのも向く。ただ、GI馬の底力は備えているが力強い脚捌きとは裏腹に首の使い方が硬いために、どうしても決め手勝負では見劣る。極端な流れにならなければ、ウオッカ、スクリーン、コンデュを差し切るのはどうか。
【リーチザクラウン】
前走の菊花賞5着は、武豊が京都のGIで騎乗する場合は返し馬でファンの前を通るのが通例となっているが、馬場入場と同時に2角へ向かったようにレース前のテンションに鞍上も相当気を使っていた。レースでは最初の200㍍をジワッと乗られたものの、直後の下り坂で勢いが付いてハナへ立つ。スタンド前では掛り気味になりながら後続を引き離す。2,3角でも極端にペースを落とせなかったし、厳しい流れ。その後も後続とは10馬身くらいの差を付けたまま3角の上り坂へ。ここで13秒4-12秒9と初めて息を入れて後続を引きつける。4角で11秒4と再び加速して突き放すも、ゴール前100㍍でバテて失速した。「前のレースに比べてかなりイレ込んでいた」というように、レース前のスタミナ消耗と不得手の3000㍍を掛り気味に飛ばしながらもラスト100㍍まで粘ったのは高く評価していい。昨冬のラジオNIKKEI賞や今春の皐月賞に比べれば気性もコントロールできようになってきた。府中の2400㍍を考えれば極端なペースではなく、向こう正面まで淀みない流れでの逃げになるだろう。雨は降れば降るほど歓迎だ。脚元に気を使えればダービーのように折り合いを付けやすい。瞬発力勝負では分が悪いでの、後続をある程度離しての逃げからの押し切りで悲願のGI制覇を狙う。最内枠のアサクサの出方が怖い。前走の菊花賞を3分3秒台で走破した反動は心配。
【レッドディザイア】
前走の秋華賞1着は、目標のレースで中間にコースで長目から追われ究極の仕上げ。レースは、ワイドサファイアが掛ったために2ハロン目から急激に速くなり、1000㍍通過が58秒0のハイペース。これを中団のインで脚をタメる。ペースが落ちた三分三厘で手綱を持ったまま先団に近づくと、ブエナより一歩先に抜け出す。馬場を強く叩くフットワークでグングン加速。しかし、相手も渋太く一旦は抜け出したものの最後は首の上げ下げで何とか凌いだ。春のオークス2着では、3,4角でズブさを見せながらも坂上でグーンと加速。10秒台後半の爆発力で一旦は完全に抜け出したものの、最後は決め手の差で敗れた。この馬自身の決め手も凄いが、ブエナが一枚上だった。ズブくてトビの大きいタイプ。府中向きだし、追って長くいい脚が使える点も直線の長さを生かせる。53㌔も大きな魅力。リーチが逃げ、最内枠のアサクサの出方次第では底力勝負になる。前走のレース中に外傷を負ったとのことだし、予定していたエリザベス女王杯をスライドさせたのは気になる。攻め駆けするタイプが、馬場に脚を取られてノメって走っていたし、最後は脚色に余裕がなかった。寒くなって冬毛も出てきた。長距離輸送で馬体が減っていいなければいいが。幾らかデキ落ちの可能性あり。
【マイネルキッツ】
前走の京都大賞典7着は、久々で59㌔。攻めの動きも完調には程遠かった。道中はテンに全く付いていけず道中は後方から3番手。3角の上り坂からズブさを見せて直線も見せ場がなかった。仕方ない。休養前の宝塚記念7着は、道中は淀みない流れを中団のイン追走。向こう正面では抑え切れない手応えだったものの、3~4角ではスブさを見せて直線は伸びずバテずだった。3走前の天皇賞1着は、2番枠発走から道中は手応え十分に中団のインを追走。抑え切れない感じで三分三厘から進出し、4角で早くも先頭に並びかける。そこから長くいい脚を使い、ゴール前の叩き合いを制した。決して切れる脚はないし、ギアチェンジに弱いタイプ。持ち味は折り合いに全く不安がないこと、長く脚を使えることだ。その意味では直線の長い府中は歓迎。ハイペースの消耗戦を期待したいが、良馬場では厳しい。雨が降って上がりが掛れば。1週前はダービー馬に遊ばれたが、最終追い切りは自ら直線でハミを取り、バネの利いたフットワークで天皇賞当時の動きに近づいていた。不気味だ。
【エアシェイディ】
前走の天皇賞8着は府中2000㍍では鬼門の大外枠発想。テンにかなりの脚を使わされた。その後も馬群の外めを通らされた。向こう正面で一旦は馬群のなかに入るも、残念ながら3~4角では内に進路がありながら大外を選択してしまった。スローの流れ、内が伸びられる馬場状態を考えれば大外一気はあまりのも無謀過ぎた。最後の脚は今ひとつだったものの、ちゃんと手前は替えていた。前々走の新潟大賞典4着は苦手の久々だったし、直線で手前を替えないままだった。レース前におしっこをするかしないかで結果が大きく左右されるように、精神的な弱さを持つタイプ。間隔を詰めて使うほうが良い。昨年の有馬記念のように馬群のなかに入れて一瞬の脚を生かせれば。
【アサクサキングス】
前走の天皇賞18着は、「覇気がなかった」と鞍上が話すようにテンに先行できず、見せ場すら作れずに馬群に沈んだ。今回は鞍上に腕っ節の強い岩田を起用し、1番枠を引いたこともあり強引に先行するだろう。となれば、リーチを積極的に追い掛けることも予想される。この馬の出方が、最大のポイントになる。攻め馬の動きを見る限り、前脚の出が硬く、推進力に欠けている。好調時のデキにはない。
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前走の天皇賞9着は、長期休養明け2戦目。好調時に比べると10㌔ほど馬体重が多いし万全のデキではなかった。しかも、府中2000㍍では鬼門の大外枠発走。案の定、テンの1ハロンに手綱をグングン押して2ハロン目でハナへ立つのがやっと。想像以上に脚を使わされた。本来は平均ペースの淀みない流れで粘り腰を発揮するタイプだが、鞍上としても2ハロン目以降に、これ以上脚を使うことはできなかったろう。結果的に展開は先行馬でも33秒台の脚を要求されるスローの追い比べとなり、切れ負けした。ただ、レース後に「4角で隣の馬には抜かさせないという根性を見せた」というように、前々走のように大きくはバテなかったし見せ場はあった。前々走のオールカマー14着は長期休養明けで馬体が大幅に増えていたし、仕方ない敗戦だ。休養前の宝塚記念は泥んこ馬場の消耗戦。ハナへ立ち、直線で一旦はアサクサキングスに迫られるもそこから二の脚で差し返してV。その前の金鯱賞、ダイワスカーレットと僅差の勝負をした大阪杯といい一旦は馬群に飲み込まれながらも勝負根性と抜群の粘りを見せるタイプ。前走のように33秒台の脚を要求される流れでは厳しいが、34秒台で粘れる展開なら。ハナは間違いなくリーチが切るだろう。スンナリの2番手で十分。雨は降れば降るほど好材料。最終追い切りでは、坂路で半マイル49秒台の猛時計を出した。好調時の高く脚を突き上げるフットワークが戻ってきたし、馬体も絞れている。490㌔台なら。
【ウオッカ】
前走の天皇賞3着は、道中は好発を決めるも、ギュッと手綱を絞り後方へ控える。馬は首を上げて嫌がるも、何とか鞍上がなだめる。前々走が逃げてなし崩しに脚を使わされただけに余計に折り合いに神経を注いだ。その甲斐あって後方で折り合うことに成功(武豊騎手だからこそできる芸当)。直線を向いて大外へ持ち出すのではなく、坂上で持ったまま進路を探る。だが、前3頭びっしりと壁になって出られない。痺れを切らし残り250m地点で右手綱を引いて馬場の3分どころへ。そこからグーンと凄まじい末脚で一気に差し切るかの勢い。だが、ゴール前100㍍で脚色が鈍り、2着馬にも差し返されてしまった。自身も上がり3ハロン32秒9の脚は使っている。しかし、タメるだけタメて最後に脚が鈍ったことを考えると、究極の勝負で距離適性の差が出てしまったということだろう。休養前の毎日王冠2着は、逃げ馬不在のメンバー構成で押し出されるようにハナへ。スローの逃げに落としたものの、掛り気味の道中でなし崩しに脚を使わされた。昨年のこのレースは3着。鞍上の岩田としては同年の安田記念1着以来の騎乗。その時が積極的な先行策から押し切っているだけに、そのイメージで乗ったはず。だが、2400㍍では勝手が違った。テンに押して行った分、ガツンと掛ってしまった。4角までかなり行きたがっていた。直線は舌がハミを越していたし、最後は余力がなかった。乗り手の誰もが絶賛する破壊力は、行きたがる気性も含めて府中のマイルで最も発揮するのは間違いない。前走のラスト100㍍の脚の鈍り方を考えると、2ハロン距離延長では厳しさが増す一方だ。3着争いと見たい。
【スクリーンヒーロー】
前走の天皇賞2着は久々で目標ではないレース。中間は集中力を高めるためにブリンカーを着用し、レースでも使用。2番枠から少し手綱を押して先行策。首を水平に使った柔らかい走りで鞍上が手綱を抑えるのに苦労するほどの行きっぷり。力むところが全くない省エネ走法で、超スローの流れをインの3番手から追走。手綱をガッチリと持ったまま直線入り口で馬場の3分どころへ持ち出し、仕掛ける。勝ち馬には並ぶ間もなく交わされたが、残り150㍍でグンと後続を引き離し、一旦は交わされたウオッカを差し返したのは高く評価できる。久々でこの高速決着に対応できるのは能力が高い証拠。休養前の関西戦は阪神大賞典激走の反動があったようだし、不得手の右回りも影響した。昨秋のこのレースは9番人気でV。16番枠発走から内の先行馬の出方を見ながら好位の外めを追走。鞍上のデムーロは重心を低くしたフォームで空気抵抗を極限まで回避。手応え十分のまま4角を回り、首を目一杯に伸ばしたストライドで瞬発力勝負を制した。スクリーン自身も首を上手く使った全く無駄のない省エネ走法。スッと好位に取付けられる脚もあり、昨年同様に内の出方を見られる大外枠発走はプラスと見たい。中間の攻め馬を見る限りは絶好のデキといえるし、連覇も視野に入ってきた。ただし、好走しているのは瞬発力勝負の流れが多く、底力を要求される流れになった時がどうか。
【オウケンブルースリ】
前走の天皇賞4着は、発馬で半馬身ほど出負け。道中はウオッカの横を追走。後方で末脚を温存する。直線で馬場の5分どころへ持ち出す。だが、一度目にサクラとシンゲンの間を狙うも失敗。次にシンゲンの左側を狙うも手綱を引いてしまう。チグハグな競馬をしている間に上位3頭との差は広がる一方。機敏に動けず、少しづつ加速するタイプ。距離不足でのヨーイドンの高速決着。いかにも厳しい条件だった。それでも差してきたのは実力。前々走の京都大賞典1着は、久々でも賞金獲得のために目一杯の仕上げ。レースでは好発を決めるも無理せずにジンワリと後方に控える。テイエムプリキュア、クィーンの作る速い流れを手応え十分に追走。坂の上りから少しづつ加速を開始させるも、ズブさを見せて手綱から一転して余裕がなくなる。直線入口でも後方2番手だったが、直線でエンジンが掛ってからは力強く伸びて差し切った。昨秋は腰の状態が思わしくなかったし、今春の阪神大賞を激走したことで更に悪化した。今は休ませたことで完治したので問題はない。2ハロンの距離延長は間違いなく歓迎だし、冬の洋芝開催で極端な時計決着、上がり勝負にならない可能性が高いのも向く。ただ、GI馬の底力は備えているが力強い脚捌きとは裏腹に首の使い方が硬いために、どうしても決め手勝負では見劣る。極端な流れにならなければ、ウオッカ、スクリーン、コンデュを差し切るのはどうか。
【リーチザクラウン】
前走の菊花賞5着は、武豊が京都のGIで騎乗する場合は返し馬でファンの前を通るのが通例となっているが、馬場入場と同時に2角へ向かったようにレース前のテンションに鞍上も相当気を使っていた。レースでは最初の200㍍をジワッと乗られたものの、直後の下り坂で勢いが付いてハナへ立つ。スタンド前では掛り気味になりながら後続を引き離す。2,3角でも極端にペースを落とせなかったし、厳しい流れ。その後も後続とは10馬身くらいの差を付けたまま3角の上り坂へ。ここで13秒4-12秒9と初めて息を入れて後続を引きつける。4角で11秒4と再び加速して突き放すも、ゴール前100㍍でバテて失速した。「前のレースに比べてかなりイレ込んでいた」というように、レース前のスタミナ消耗と不得手の3000㍍を掛り気味に飛ばしながらもラスト100㍍まで粘ったのは高く評価していい。昨冬のラジオNIKKEI賞や今春の皐月賞に比べれば気性もコントロールできようになってきた。府中の2400㍍を考えれば極端なペースではなく、向こう正面まで淀みない流れでの逃げになるだろう。雨は降れば降るほど歓迎だ。脚元に気を使えればダービーのように折り合いを付けやすい。瞬発力勝負では分が悪いでの、後続をある程度離しての逃げからの押し切りで悲願のGI制覇を狙う。最内枠のアサクサの出方が怖い。前走の菊花賞を3分3秒台で走破した反動は心配。
【レッドディザイア】
前走の秋華賞1着は、目標のレースで中間にコースで長目から追われ究極の仕上げ。レースは、ワイドサファイアが掛ったために2ハロン目から急激に速くなり、1000㍍通過が58秒0のハイペース。これを中団のインで脚をタメる。ペースが落ちた三分三厘で手綱を持ったまま先団に近づくと、ブエナより一歩先に抜け出す。馬場を強く叩くフットワークでグングン加速。しかし、相手も渋太く一旦は抜け出したものの最後は首の上げ下げで何とか凌いだ。春のオークス2着では、3,4角でズブさを見せながらも坂上でグーンと加速。10秒台後半の爆発力で一旦は完全に抜け出したものの、最後は決め手の差で敗れた。この馬自身の決め手も凄いが、ブエナが一枚上だった。ズブくてトビの大きいタイプ。府中向きだし、追って長くいい脚が使える点も直線の長さを生かせる。53㌔も大きな魅力。リーチが逃げ、最内枠のアサクサの出方次第では底力勝負になる。前走のレース中に外傷を負ったとのことだし、予定していたエリザベス女王杯をスライドさせたのは気になる。攻め駆けするタイプが、馬場に脚を取られてノメって走っていたし、最後は脚色に余裕がなかった。寒くなって冬毛も出てきた。長距離輸送で馬体が減っていいなければいいが。幾らかデキ落ちの可能性あり。
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前走の京都大賞典7着は、久々で59㌔。攻めの動きも完調には程遠かった。道中はテンに全く付いていけず道中は後方から3番手。3角の上り坂からズブさを見せて直線も見せ場がなかった。仕方ない。休養前の宝塚記念7着は、道中は淀みない流れを中団のイン追走。向こう正面では抑え切れない手応えだったものの、3~4角ではスブさを見せて直線は伸びずバテずだった。3走前の天皇賞1着は、2番枠発走から道中は手応え十分に中団のインを追走。抑え切れない感じで三分三厘から進出し、4角で早くも先頭に並びかける。そこから長くいい脚を使い、ゴール前の叩き合いを制した。決して切れる脚はないし、ギアチェンジに弱いタイプ。持ち味は折り合いに全く不安がないこと、長く脚を使えることだ。その意味では直線の長い府中は歓迎。ハイペースの消耗戦を期待したいが、良馬場では厳しい。雨が降って上がりが掛れば。1週前はダービー馬に遊ばれたが、最終追い切りは自ら直線でハミを取り、バネの利いたフットワークで天皇賞当時の動きに近づいていた。不気味だ。
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前走の天皇賞8着は府中2000㍍では鬼門の大外枠発想。テンにかなりの脚を使わされた。その後も馬群の外めを通らされた。向こう正面で一旦は馬群のなかに入るも、残念ながら3~4角では内に進路がありながら大外を選択してしまった。スローの流れ、内が伸びられる馬場状態を考えれば大外一気はあまりのも無謀過ぎた。最後の脚は今ひとつだったものの、ちゃんと手前は替えていた。前々走の新潟大賞典4着は苦手の久々だったし、直線で手前を替えないままだった。レース前におしっこをするかしないかで結果が大きく左右されるように、精神的な弱さを持つタイプ。間隔を詰めて使うほうが良い。昨年の有馬記念のように馬群のなかに入れて一瞬の脚を生かせれば。
【アサクサキングス】
前走の天皇賞18着は、「覇気がなかった」と鞍上が話すようにテンに先行できず、見せ場すら作れずに馬群に沈んだ。今回は鞍上に腕っ節の強い岩田を起用し、1番枠を引いたこともあり強引に先行するだろう。となれば、リーチを積極的に追い掛けることも予想される。この馬の出方が、最大のポイントになる。攻め馬の動きを見る限り、前脚の出が硬く、推進力に欠けている。好調時のデキにはない。