中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

日経賞(GⅡ)回顧

2011-04-05 00:13:57 | 回顧
12.6 - 11.4 - 13.4 - 12.9 - 12.4 - 12.5 - 12.3 - 11.9 - 11.5 - 10.8 - 11.4 - 12.3=2:25.4

超良血馬トゥザグローリーが完全な本格化を成し遂げた。レースでは1番枠から馬任せでジワッとした出方。緩い流れとインのコーナーワークを利して1角では4番手のインをキープする。向こう正面では抑えるのに苦労するほどの行きっぷりでもの凄い手応え。3角でも制御するのに苦労していたが、外のミヤビが仕掛けて行ったことでレース流れが速くなった。ここで手綱をグッと抑えて脚をタメる。4角手前で少し手綱を緩めてインから進出開始。4角で先頭から1馬身圏内まで進出すると、直線入口で馬なりのまま先頭へ。レースのラップが10秒8のところだから、すごい脚力だ。直後に外のローズキングダムに迫られたが、坂上で左手前に替えるとグンともうひと伸び。最後は手綱を抑えてフィニッシュした。抜け出した時にフワッとするし、まだ頭の位置も高い。道中も行きたがるところがあり、気性はまだ若い。逆にいえば、それでこの強さ。とにかく四肢の脚力が半端なく強い。レースが速くなる勝負どころの3,4角を馬なりでポディションを上げられるのが、その証拠。

 素質馬ペルーサが今年緒戦で上々のスタートを切った。課題の発馬では、やはりトモに重心が掛りフワッとした。それでも、昨秋に比べればかなり前進してる。レースがスローで流れたこともあり、置かれることなく道中は中団から前の有力どころを見ながらの競馬。ペースが落ち着いて馬群がギュッと凝縮した向こう正面中盤では先頭から4馬身圏内まで迫る。3角で一気にペースアップするも、ここでは無理せず。4角で少しずつ気合いを入れてスパートを開始すると、直線は大外へ。スッと左手前に替えたものの、前のトゥザとローズとは加速力の違いを見せ付けられ、ズブくて置かれてしまう。坂下で再び右手前に替えて内へモタれながらも、ジワジワと追い上げる。坂上で三度、左手前に替えるとエンジンが掛りローズキングダムを差し切った。まだトモが頼りなくズブいし、どうしても置かれてしまう。現時点では、直線の長いコースで長く脚を使う競馬が合ってる。

 ローズキングダムは攻め駆けするタイプとしては直前の坂路の動きが不満の残るもので、デキは今ひとつだったか。ポンと好発を決めると、馬任せで先団へ。1角からはインのトゥザグローリーをマークする形。流れの落ち着いた向こう正面中盤では引っ張り切りの痺れる手応え。3角で外から少しずつポディションを上げて行き、インのトゥザを被せに行こうとするが、相手がスッと動いたために閉じ込めることができず。4角では例によって内へモタれていたが、京都コースほどひどくはなかった。直線でも少し内へモタれて鞍上の武豊騎手が右ステッキで矯正しながらの追い。前のトゥザを目標に懸命に追い掛けるが、坂上で末が鈍り後ろのペルーサにも差されてしまった。デキが今ひとつで、59㌔を考えれば仕方ないか。右回りはどうしても内へモタれる。

 天皇賞へ向け、マイネルキッツが最高の形で今年緒戦をスタートさせた。例によって発馬で行き脚がつかず、道中は後方からの競馬。久々の一戦となるが、道中は首を水平に使い大きなフットワークで集中力を感じさせた。流れが落ち着いた向こう正面中盤でインからジワッとポディションを上げる。3角手前では勝ち馬から2馬身圏内までに迫る。3角で一気にペースアップする流れに戸惑いを見せ、4角では手綱が動く。直線入口ではステッキが入るなど反応が鈍い。それでも、最後まで集中した走りで一完歩毎に粘り強く伸びてきた。ズブくて瞬発力勝負には対応が難しいタイプで、まして超久々。12㌔増で余裕もあった。それを考えれば及第点の内容だ。本番で距離が延びるのは勿論歓迎だし、ひと叩きされ上積みも見込める。明け8歳馬だが、今回の集中した走りならまだまだやれる。

 昨年の菊花賞馬ビックウィークはチグハグな競馬になってしまった。発馬で気合いを付けて先団へ。外のミヤビの出方を見てハナを主張しに行くが、内のエーシンジーラインが引かずに主張してきたため慌てて手綱を抑える。だが、一度気合いを付けたことで馬が気負ってしまい、道中は2番手で力みながら走っていた。3角からは外のミヤビランベリが早めに競りかけてきてラスト1000㍍から11秒9-11秒5-10秒8とかなり厳しいラップに。4角手前では早々と手応え怪しくなり、直線は馬群に沈んでしまった。どうも復帰後はリズムが悪い。追って切る脚がないので早め早めの競馬をするしかない。

 

大阪杯(GⅡ)回顧

2011-04-05 00:11:48 | 回顧
12.5 - 11.0 - 12.3 - 12.1 - 11.4 - 11.6 - 11.6 - 11.3 - 11.8 - 12.2=1:57.8

まさに執念で掴んだ勝利だった。昨年の皐月賞では、世界一に輝いたヴィクトワールピサの2着の実績がありながら、未だに重賞には手が届いていなかったヒルノダムール。この中間はいつものコース追いではなく、坂路主体の調教で瞬発力を鍛えた。直前の攻め馬では、前に馬を置きゴール前は迫力の動きを見せていた。レースでは、発馬で右にヨレて他馬と接触するアクシデントが。ここで馬にスイッチが入って掛ってもおかしくなかったが、意に介せずスーッと中団で折り合う。レースは向こう正面から流れが締まり底力を要求される展開。3角で少し気合いを付けるものの、インでジッと我慢し、脚を温存。4角で手綱をしごいてスパートを開始させると、直線は馬場の3分どころへ持ち出す。前で粘るキャプテントゥーレを目標に一瞬の切れ味を使い、グイッと馬体を併せる。坂上で交わしたところでフワッとして例によって頭が高くなる。そこを後続に迫られたが、首の上げ下げで何とか振り切った。レコードV。2,3,4着馬は後方待機組。この厳しい流れを自ら勝ちに行って掴んだものだから価値が大きい。強い内容だった。

 昇り馬ダークメッセージが2着に入った。13番枠からフワッとした発馬ですぐにインへ潜り込む。道中は縦長の緊迫した流れを後方のインを追走する形。長い首差しを上手く使い、折り合いもスムーズ。3角で外めにポディションを移し、少しずつ加速していく。外のドリームジャーニーに被される形になり、脚がなければ怯むケース。だが、4角の脚力は明らかに同馬が上回り、直線は大外から一完歩毎に鋭い脚で追い込んできた。最後は首の上げ下げで屈したが、ほぼ勝ちに等しい内容だった。この厳しい流れに対応で33秒台の脚を使えたのは底力の証だし、4角で一昨年の年度代表馬を脚力で圧倒したのには驚いた。明け4歳馬。急激に力を付けている。フロックではない。

 昨年のダービー馬エイシンフラッシュは、大外枠発走で好発を決めたものの、内の先行馬を行かせて後方馬群に潜り込む。向こう正面から一気にペースが速くなる流れで課題の折り合いはクリア。59㌔を背負っていることもあり、3角では大外から早めにスパートする形。4角手前で中団まで押し上げたところで一旦手綱を抑える。4角で再び加速し直線へ。大きなフットワークで一完毎歩毎に詰め寄ったが、2着馬の脚色が勝り、競り負けた。休み明けで59㌔を背負っていたし、外々を通らされる苦しい形。格好はつけた。基本的に大トビで長く脚を使うタイプ。もう少し上がりが掛ってほしいクチだ。馬場が荒れる初夏の宝塚記念は面白いかも。

 4着のダノンシャンティは例によって最後方からの競馬。向こう正面から一気にペースが上がり、マイル寄りのレースになったこともあり、道中は頭を上げることなく何とか折り合えた。しかし、一歩気を許せばガツンと行ってしまうそうな凄い手応え。ペースが上がって他馬の手綱が動いた4角手前でも少しずつ手綱を緩めてポディションを上げて行くほど。直線は大外から一完歩毎に迫ったが、届かなかった。59㌔を考えると強い競馬だ。今回のような締まった流れなら2000㍍もこなせるが、常に折り合いの不安があるため道中で下手に動くことができず、追いこみ一辺倒になる。そうなれば道中のロスは覚悟しなければならないし、他力本願になる。やはり、底力ある末脚を生かすには府中のマイルがベスト。叩かれて本来の動きを取り戻している最中だ。

 キャプテントゥーレはデキの良さで5着に粘れた。ピッチの利いた小刻みな走りでスーッとハナへ立つ。2角までは上手くペースを落とせたが、向こう正面からは外のトーホウアランが競りかけてきたこともあり、11秒4-11秒6-11秒6とかなり緊迫した流れになる。3角で2,3番手が早々と脱落したのは良かったが、それでも流れを緩めない。4角で再びピッチを上げ、後続を突き放す。直線入口は後続とかなり差があったが、さすがに坂上で末が鈍ってしまった。先行馬不利の流れのなか、よく頑張った。もう少し道中で息を入れられれば逃げ切っていた。

リディルは馬任せで1角へ出して行ったが、鞍上が制御できずモロに掛ってしまった。鞍上との喧嘩は2角まで続いた。向こう正面でレースの流れが一気に速くなってからは折り合いが付いたが、今度は速い流れを追走する悪循環。流れの速い三分三厘を馬なりでポディションを上げて行く脚力を見せたし、直線も一瞬は抜け出すシーンを見せた。さすがに、テンに掛ったこともあり最後は失速してが、能力の一旦は見せてくれた。マイルが合っている。馬体はもっと増えないと。

ドリームジャーニーは深刻な状況だ。右前脚の状態を見ながらの調教で、坂路のみの調整。これでは見た目の動きは良くても、攻め量が不足気味になり中身ができない。発馬で接触するアクシデントはあったが、これは勝ち馬も同じ。三分三厘で条件馬の2着馬に脚力で見劣ったのは頂けないし、直線は手前を替えながらも伸びなかった。 

長期休養明けのトーホウアランは発馬で出ムチが入るなど、徹底先行策。しかし、気合いを付けたことで馬にスイッチが入り掛ってしまった。結果として向こう正面から11秒4-11秒6-11秒6の流れを誘発してしまった。3角で手応えがなくなったのは仕方ない。大きなフットワークで長距離適性を感じさせる。行きっぷりを見ると衰えは感じさせない。今後に要注目。