中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

皐月賞(GI)徹底研究!

2011-04-17 21:57:12 | 見解
被災馬支援基金にご協力ください
 We are the oneプロジェクト

3月11日起きた東北太平洋沖地震の影響で予定していた17日の中山競馬場から1週スライドして24日に東京競馬場で開催されることになった今年の皐月賞。開幕週で馬場状態が未知数で読みづらい部分はあるが、例年以上に混戦で馬券的妙味は多い。

カフナ
前走の若葉S2着は、発馬後に気合いを付けて先団へ。2ハロン目は10秒9と厳しい流れだったし、1000㍍通過が59秒5の締まった流れ。この時期の3歳戦としてはかなりのもの。三分三厘で逃げ馬に早めに並びかける強気の競馬で、直線入口では早くも単独先頭に踊り出る。抜け出すのが早かった分、坂上で末が鈍って勝ち馬に並びかけられるが、そこっから粘りに粘って大きくはバテなかった。流れを考えれば正攻法で負けて強しの競馬だった。前々走のあすなろ賞1着は、スローの緩い流れをスーッと3番手のインを取りに行く。終始、首を上手く使った柔らかい走りで経済コースを立ち回る。三分三厘で後続が動いても慌てることなくインでじっくりと我慢。4角で一気に仕掛けると、直線で一気に弾けて差し切ってしまった。攻めの動きを見る限り、かなりの大物感が漂い長い距離で活躍しそうな雰囲気を持っている。一週前追い切りでは坂路で併走馬を子供扱いし、抜け出してからもフワッとすることなく最後までしっかりとした脚取りだった。スッと先手を奪える脚力があり、追ってからも長く脚を使える。開幕週の高速決着も望むところ。不気味。

ダノンンミル
前走の若葉S1着は、一貫した平均ペースの流れをスーッと馬任せの位置取り。1角でゴチャついて頭を上げて嫌がる仕草を見せたが、2角からは5,6番手で馬群の中から追走。1000㍍通過が59秒5の締まった流れで三分三厘からも11秒9-11秒6の厳しい流れを早めに追い掛ける正攻法の競馬。直線で前を射程圏内に入れると、手前を何度も替えたり抜け出すと外に膨れるなど若さを覗かせたが、何とか押し切った。1分59秒1の走破時計はかなり優秀だし、横綱相撲で強い競馬だった。前々走の未勝利戦1着は、道中は緩い流れの中、掛り気味に好位のインを取りに行く。三分三厘では手綱を押したり引っ張ったりのチグハグな誘導だったが、直線で前がぽっかりと開き、そこからグーンと凄い脚。余力十分のまま後続を突き放した。強い競馬だった。全身を柔らかく使えて底力のある末脚が武器。GIの激流は歓迎だし、テンにある程度の位置を取れるので開幕週のパンパン馬場は望むところ。前走は絶対にフロックではない。一戦毎に馬体が減っているだけに、1週開催が延びたのは歓迎材料だろう。当日、プラス体重なら。

トーセンラー
前走のきさらぎ賞1着はリキサンマックスがガンガン飛ばし、離れた2番手以下はスローの流れ。これを道中は後方から馬任せで追走し、前のオルフェーヴルを見ながらの競馬。残り1000㍍標識を通過した3角手前から外めを通ってジワッと進出開始。3角の下り坂からは少し手綱を動かして決して手応えは良くなかったが、5番手までポディションを上げられたし、下り坂を利して加速することはできた。直線を向き、しばらくは右手前のままで反応は今ひとつ。残り300㍍地点で左手前に替えると、鞍上の懸命な手綱捌きと左右のステッキでグンと重心を沈めて伸びる。馬場を強く叩きつける大きなフットワークで一完歩毎に凄い脚を使った。追えばどこまでも伸びる感じで差し切ってしまった。オルフェーヴルを上回る決め手だった。前々走の福寿草特別3着は、中弛みの流れを道中は馬任せで中団の外めを追走。終始、折り合いもスムーズでペースの上がった三分三厘では外めを通ってジワッと加速。直線入口では早くも先頭に並び、一気に差し切ろうかの勢い。だが、追ってからの伸びが案外で、追い比べで見劣り後ろからも差されてしまった。前々走のエリカ賞3着は、超スローの流れの中でテンは行きたがる仕草を見せたが、ペースの遅さを考えれば仕方ないもの。道中は3番手のインで我慢させる。少頭数の割に三分三厘で馬込みに包まれてスパートすることができなかったし、直線も前が詰まって追えなかった。消化不良のレースだった。一瞬の加速力よりは、追って長く脚を使うタイプで、グンと重心を沈めてフットワークが大きい点にも好感が持てる。馬場を叩きつけるタイプだけに開幕週のパンパン馬場は合うだろうし、直線の長い府中向きだ。条件は申し分ない。あとは久々で初の長距離輸送と左回りを克服できるかだろう。

オルフェーヴル
前走のスプリングS1着は、5番枠からいつもより少しだけ出して行く。気を許せばガツンと行ってしまう気性だけに慎重に運ぶ。道中は馬群から取り残されることなく、中団馬群の直後に取り付き、前のリベルタスをマークする。3角から外を通って少しずつポディションを押し上げる。4角では早めに先団に並びかける。かなり馬群の大外を通らされた。直線で左ステッキが入ると一気に先頭に並びかけたものの、急に内側に切れ込んでしまう。坂上からは鞍上が懸命に手綱をしごき後続の追撃を何とか振り切った。前々走のきさらぎ賞3着は、発馬を決めて道中は縦長のスローの流れを中団の外め追走。終始、引っ張り切りの手応えで気を許せばガツンと掛ってしまう雰囲気。3角手前で勝ち馬が動いた時も手綱をガッチリと抑えて我慢させる。4角でスパートを開始させると、手綱をしごいて慌ててスパート。直線を向き、前との差はまだ10馬身以上。一完歩毎にグイグイと伸びてきたものの、明らかに仕掛け遅れだった。3走前のシンザン記念2着は、1番枠から発馬で行き脚がつかず後方からの競馬。3角手前では掛り気味に中団のインまでポディションを押し上げる。4角ではハミを掛け直され、馬場の脚を取られてバランスを崩すなど、決して手応えは良くない。それでも、直線でエンジンが掛るとグンと重心を沈めて鋭い脚で追い込んできた。4走前の京王杯2歳S10着は、発馬で行き脚がつかず後方からの競馬。3角手前で掛ってポディションを上げると、3角では頭を上げてモロに掛ってしまう。その分、直線は追って伸びが案外だった。一戦毎に折り合い面には心境が見受けられる。だが、気を許せば持って行かれてしまうだけに、道中で下手に動けない分、2走、3走前のように仕掛け遅れのリスクは常につきまとう。デビュー戦では急に内側に切れ込んでいるし、兄同様に左回りにも不安がある。一瞬の切れ味を武器とするタイプだけに、直線の長い府中では仕掛けどころが難しい。

サダムパテック
前走の弥生賞1着の10㌔増は、本番を意識しての仕上げもあってのもの。レースでは課題の発馬をクリアはできたものの、直後に両サイドと接触し、更には内へ切れ込んできたターゲットマシンに進路をカットされる不利があった。ここで馬にスイッチが入ってもおかしくなかったが、鞍上の岩田Jが手綱を抑えて懸命になだめる。ゴール版前で左手前に替えた時にスピードが乗ってポディションを押し上げたが、掛るほどではなかった。1角からは5番手の外めで折り合いに専念する。鞍上との呼吸はピッタリで、スムーズな誘導。向こう正面中盤では外から掛ったオールアズワンに被されても動じない。三分三厘でも手応え十分で慌てない。直線入口でスパートを開始させると、坂上で右ステッキが2発。ここで内へモタれて右手綱で矯正しながらの追いになったものの、首を水平に使った推進力ある走りで差し切った。まだ他馬に比べると出脚は鈍いが、その後に落ち着いて誘導ができれば距離はこなせることが分かった。前々走の朝日杯FS4着は、発馬で行き脚がつかず最後方からの競馬。直後に鞍上が手綱を押してポディションを取りに行ったことで馬にスイッチが入ってしまい、中団の直後まで押し上げられたもののモロに掛ってしまう。しかも、三分三厘では馬群の大外を通って早めに仕掛ける強気の競馬。直線で一旦は先頭に躍り出ようかの勢いだったが、坂上で脚色が鈍ってしまった。3走前の東京スポーツ杯1着は、例によって発馬で行き脚がつかず後方からの競馬。朝日杯と同様に直後に手綱を押して行った分、向こう正面から3角にかけて頭を上げて行きたがってしまう。それでも、4角手前からは馬込みのなかで我慢をさせ、直線は馬場の5分どころへ持ち出す。左手前でグングンと先団へ取り付き、残り200㍍地点で早くも先頭に躍り出る。そこで右手前に替え、もうひと伸びして後続をちぎってしまった。トモが甘いためにまだ発馬で行き脚がつかないことが多いが、その後に急がさなければ折り合いが付くことが分かったのは収穫。モタれる癖や追って頭の高い点に課題を残すが、決め手はかなりのもの。発馬が安定しないだけに外枠だけは避けたい。

ナカヤマナイト
前走の共同通信杯1着は、発馬直後から無理することなく、馬任せで後方に控える。終始、馬群にインをロスなく立ち回る。流れが緩いだけに道中は痺れる手応え。3~4角でも馬群はギュッとひとひと塊。鞍上の柴田善Jは大外ではなく、最内に進路を求める。しばらく進路がなかったが、坂上で逃げたディープサウンドが外へ膨れてできた最内を見逃さなかった。一気にスパートしてインに突っ込む。スローで各馬も脚をタメているためになかなか渋太い。それでも、一完歩毎に力強く伸びてゴール前でギリギリ差し切った。流れを考えれば経済コースを通った恩恵と坂上での一瞬の好判断が功を奏した。狭いところ割ってきた勝負根性は高く評価できる。前々走のホープフルS2着は、中弛みの流れを道中は離れた4番手で折り合いに専念。向こう正面まではインに潜り込んで脚をタメ、流れが落ち着いて馬群がギュッと凝縮した3角から外めを通ってジワッと進出開始。4角で一気に先団の直後まで取りつき、直線は大外へ。直線入口の脚色では一気に差し切ろうかのものだったが、並んでから相手に食い下がられ、最後は追い比べで見劣ってしまった。3走前のベゴニア賞1着は、逃げ馬不在で果敢にハナを主張。3ハロン目からは単独先頭に立ち、3,4角はマイペースの逃げで息を入れる。たっぷりタメて直線で二の脚で後続を突き放す。首を水平に使った柔らかい走りで余裕のフィニッシュ。折り合いに不安がなく、鞍上の指示に従順。首を上手く使えて切れ味が鋭い。現時点での完成度はかなり高いのでは。

ベルシャザール
前走のスプリングS2着は、前走ほどではないにしろ、発馬はそれほどよくなかった。直後に手綱を押して前へ。しかし、手綱を押したことで馬にスイッチが入ってしまい、折り合いを欠く。懸命に鞍上がなだめて3角からは3番手のインに潜り込む。4角では馬群に揉まれて嫌がる仕草を見せる。その分、直線入口ではハミを掛け直されるなど、手応えが悪い。直後にステッキが入り加速し始めたところで今度は外からオルフェーブルに寄られて怯んでしまう。並の馬なら馬群に沈んでしまうケースだが、立て直して渋太く伸びてきた。決して切れる脚はないが、バテずに渋太い脚を見せてくれた。揉まれた経験は本番に生きる。前々走の共同通信杯4着は、発馬でトモを落として出脚がつかず。そこからジワーッと馬群の外を通ってポディションを上げて行く。ここで脚を使わされたのは否めない。3角手前からは4番手の外めで我慢。だが、スローの流れで終始、馬群の外めを通らされてロスの多い競馬。直線でハミを掛け直されるも、反応は案外だった。前半のロスも合わせて勿体ないレースだった。大型馬で決して切れる脚はないタイプ。平均ペースの緩みない流れで底力勝負を得意とする。追って頭が高いが、並ばれてからは渋太い。高速決着にも対応でき、開幕週のパンパン馬場は味方する。あとはスッと先行したいだけに内枠がほしい。

デボネア
前走の弥生賞3着は、4番枠から好発を決め、馬任せで中団のインに潜り込む。首を上手く使った迫力あるフォームは大物感を漂わせる。終始、インの経済コースを立ち回りロスのない誘導。三分三厘で前がゴチャつき、手綱は抑えたまま。4角で前のルーズベルトが外へ膨れてできた僅かな隙間を見逃さず、インに突っ込む。直線を向くと、前のアッパーイーストまでもが外へ膨れてインがぽっかりと開く。そこからスルスルと脚を伸ばしてきたが、僅かに劣った。初めて経験する瞬発力勝負の流れに対応できたのは大きな収穫だ。前々走の京成杯2着は、好発を決め、大きなフットワークで中団馬群を追走。首を水平に使った無駄のないフットワークでスムーズな折り合い。底力が要求される流れを、しっかりと力強い脚を使って伸びた。前走で瞬発力勝負にも対応できたが、本来はハイペースの差し馬。開幕週のパンパン馬場で上がりの速い決着になるのは辛い。一貫した流れで底力勝負になれば出番。

ステラロッサ
前走のスプリングS3着は、道中は後方の外めを追走。トビの大きなタイプで終始、気合いを付けながら。ペースアップした勝負どころではズブさを見せて反応が悪い。直線入口でも後方のままだったが、阪神外回りの直線の長さを存分に生かし、一完歩毎に大きなフットワークで伸びてきた。前々走のアルメリア賞2着は、少頭数の超スローの競馬。道中は中団で折り合いに専念する。少頭数だったが、直線で勝ち馬に早めに抜け出され、仕掛けが遅れたエンジンの掛りの遅いタイプだけに余計に響いた。最後は全身を大きく使って一完歩毎に詰め寄ってきただけに勿体なかった。ズブくて一瞬の加速力では見劣るが、長く良い脚を使えるタイプ。それだけに、直線が長い府中に替わるのは歓迎だし、1ハロンの距離延長も望むところ。むしろ、もっと距離は延びた方がいい。上がりの掛るレースがベストだけに開幕週で上がりの速い決着になった場合に差し切れるか不安が残る。首差しが長く、フットワークも大きい。いずれは大きいところを獲れる器だ。追える川田J騎乗は心強い。