BS世界のドキュメンタリー選として再放送した「青い募金箱 イスラエル建国の真実」はイスラエルの
過去を、私たちが知ることが出来る良い番組でした。ミハル・ワイツは子供の頃、地元で開催される植樹
祭に参加することがとても嬉しく、誇らしかったと言います。それは曽祖父ヨセフがユダヤ民族基金の土
地・森林局の責任者だったからです。しかしあるきっかけから曽祖父ヨセフの5000ページにも及ぶ日
記を読むことで、学校で教えられていた事実と異なることに気づかされます。
青い募金箱を象徴としたイスラエル建国の為の資金はパレスチナ人地主から土地を買収し、住民を追い出
すことに繰り返し使われ、その活動の先頭に立っていたヨセフの苦悩を知り、その上植樹祭の真の目的が
パレスチナ難民が戻って来られないようにすることだったと知ります。ミハルはおじ、いとこ、そして父
親に様々な疑問を投げかけますが、彼らは口ごもりながらも正当性を強調し、最後に父は「仕方がなかっ
た、その時代に生きていたら、お前でもそうしただろう」と突き放します。
真実を知ることは重要です。そして今現在どうすべきかを考える元にすべきです。ハマスのテロを全く容
認できませんが、イスラエルの報復は常軌を逸しており、ジェノサイドと言われても反論出来るものでは
ありません。犠牲者はパレスチナ市民で、被害を被るのは罪もない子供たちです。一斉にイスラエルの行
動を支持したアメリカ、ヨーロッパ各国は激しい抗議の嵐にトーンダウンし始めました。先ずは停戦をし、
冷静に話し合いの場を設けなければ、イスラエルのネタニヤフ首相はプーチンと同じ立場に追いこまれる
可能性があります。 原題:Blue Box(イスラエル 2021年)
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