最近、その世界にはまっている作家・・・
荻原浩さん。
なかなか良いですね。
3ヶ月くらい前だったでしょうか、友人のasaBさんに薦められて読んだのが、
『噂』というミステリー小説。
読後、荻原浩さんの小説を三冊まとめて買いました。
同じ作家を連続で読むというのは、あまりないのですが、
そのくらい良かったんですよね。
荻原浩さんと聞いて、その小説を挙げられる人は多分、多くないですよね。
ボクは失礼ながら、全くピンときていませんでした。
でも、渡辺謙さんの『明日の記憶』の原作といわれれば、「それ!」と思われるのではないでしょうかね。
荻原浩さんの特徴としては、テンポが良く、特に会話の使い方が絶妙だと思います。スマートな笑いがあるんですよね。読後感が気持ち良いのは、そのためではないかと。
さて、せっかくなので、いくつか感想らしきものをメモしておきますと・・・
噂、
新刊として出版されてから、すでに8年になるという点では、
設定にやや難ありと感じますが、
それ以上に、ストーリーの展開は見事だと思いますね。
一番の難点は、本の帯。
この点だけはasaBさんも憤慨していましたが、確かに「衝撃のラスト一行に瞠目!」なんて書いてあるので、これは読み方に結構なバイアスがかかりますね。
これは出版社が読者を舐めているし、作品を汚しているとすら思いますね。
もちろん、こういう先入観の中で読むのも一興かもしれませんが。。。
この本から、荻原さんの本のまとめ読みに移ります。
そういう点では、何がボクをガッチリつかんだのか、なんとも上手く表現できないのですが、
強いて書けば、人の弱さの描き方なんでしょうか。
噂のあと、『神様からひと言』、『メリーゴーランド』、『オロロ畑でつかまえて』、『明日の記憶』、『あの日にドライブ』、
この約3ヶ月(?)で6冊読みました。
『噂』以外はミステリーではなく、サラリーマン(含む公務員)の日常(らしきもの)の物語。サラリーマンには、笑えるポイント、泣けるポイントが多いと思います。
三冊、お薦めするとしたら、
5月病対策にはこの一冊、『神様からひと言』。
通勤の朝の電車の中でも思わず笑ってしまったくらい良いですよ。
花粉症のマスクがなければ、周囲からはサスペンス調に眺められる危険もありますが、新型インフルエンザ対策のマスクでもいい感じではないでしょうか。
※この本の帯は「神様は、あなたのすぐそばにいる。」で、これじゃ、なんだか宗教本みたいで、主ターゲットのサラリーマンを遠ざけてしまいかねないですよね。ボクが考えるとしたら、「お客様は神様です。チャンチキおけさ。」ですね。
そして、ボクのようなしがない、悩めるサラリーマンには『あの日にドライブ』。
あの時の、あの角を別のほうに進んでいたら、、、
なんて、思うことも多いと思いますが、
「次の角を曲がったら、何があるだろう。」と思うしかないよな、
と、当たり前のことを感じさせてもらえます。
最後はやっぱり、『明日の記憶』。
山本周五郎賞だ、なんだと、説明は不要でしょう。
名作だと思います。
ただ、問題は自分も病気になった気になることでしょうかね(笑)。
読後、若年性アルツハイマーの兆候ではないかと、
時々、気になること、気になること。。。
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