ホワイトのお部屋

日本画を描く日々の悩みや喜び

惨めな思い出が・・・

2022-10-06 09:43:06 | 日記


庭のシュウメイギクが咲き始めました。一枝倒れて泥にまみれていたので、切って花瓶に挿しました。
ちょっと淋しい感じがしたので、やはり下枝で日陰になっていたミズヒキ草も添えました。

「みじめな思い出が人生で貴重な財産となる時もある」・・・これは、いつか新聞で読んだ五木寛之の言葉です。
生きて入れば、みじめな思いをすることだらけです。
ささいなこともあるけれど、打ちのめされて立ち上がれないほどの思いをすることもあります。

勝つ人があれば必ず負ける人があります。
合格する人の傍らには不合格の人がいます。
入選する人のかげにはたくさんの落選する人がいます。
負ける人がいるから勝つ人が光り輝きます。
人は、多くの人は、光り輝くときより、みじめさを味わうことの方が多いような気がします。

私もみじめな経験は数限りなくあります。
じっと歯を食いしばって耐えてきました。
その思いは、たまたま光り輝く立場に立った数少ない時でも、浮かれる気持ちにはなれませんでした。

スポーツでも、みんな日々の血のにじむような鍛錬を重ねてきても金メダルを取れるのは一人。
優勝できるのは、一人(1チーム)。
それならば、勝てなかったほとんどの人は無駄だったか?
決してそんなことありませんよね?

あれ?
そもそも私は何をいいたかったのかしら?
倒れて泥にまみれたシュウメイギクも私の心を楽しませ、慰めてくれているんです。

「暗幕のゲルニカ」を読み終えた

2022-10-05 10:40:26 | 日記


図書館で借りている原田マハの「暗幕のゲルニカ」をやっと読み終えた。

余りにも有名なピカソの「ゲルニカ」。
初めて知ったのは教科書に載った絵だったように思う。熱く語る美術教師の言葉を聞いても、それほど感動したわけではなかった。やはりそれは、教科書に小さく載った写真でしかなかったし、今でも覚えているくらいだから心に響く何かはあったのだろうとは思うが。

そして、二十年近く前になると思うが、大塚国際美術館に行った時には、ひそかにゲルニカに出会うのを期待していた。行かれた方もあると思うが、世界の名画が原寸大の陶板に焼き付けられて再現してあるので、ちょっと見には実際にその名画が展示されている現場に行って見ているような感覚を味わえる美術館である。
システィーナ礼拝堂の天井画などは圧巻で、見ごたえがあり、すごかった。
ゲルニカも原寸大で見られるのかと期待したのだが、それは何分の一かに縮小された印刷という感じで、がっかりした。
ということで、スペインに行ったこともない私はゲルニカをその程度でしか見ていない。

「暗幕のゲルニカ」は、ヒットラーとムッソリーニによってスペインの小さな町ゲルニカが空爆されて、怒りに燃えてピカソがゲルニカを制作した時代と、約六十年後あの9.11のまさに報復といってもいいイラクへの軍事行動を国連安保理が容認した時代が交差しながら展開する。
9.11で夫を亡くしたMoMAのキュレーター、矢神瑤子が企画しているピカソ展に、ゲルニカを展示しようとする。

瑤子は、9.11で夫を奪われたが、イラクへの負の連鎖となる軍事行動を認めない。そこが大切ではないだろうか。
今、ウクライナへのロシアへの侵攻で多くの命が亡くなっている。
どんな理由があろうとも、他国への軍事行動は許されない。

最後にアートでの反戦を訴えること、それは意外に難しい。
戦争反対とは誰でも言う。しかし、いざ、戦争に向かう具体的な事象に直面した時に、真に反戦の立場を貫くのはどういうことか。
そう言った意味で、この「暗幕のゲルニカ」を書いた原田マハの視点は間違っていないと思う。

ちょっとまとまりのない、尻切れトンボの感想となってしまった(恥)


チャリティー美術展出品の色紙

2022-10-02 08:21:01 | 日記
   

日展制作が終った(終わったことにした)ので、遅れているチャリティー美術展に出品する色紙を描きました。
何年か前に私が育てた朝顔の写生を元に色紙用に構図を考えて、花の色は2パターン。
どちらも私が育てた花です。

色紙には、色紙用の描き方があって、ちょっとデザイン的な構成も必要だし、着色も最低限の塗り重ねに抑えます。
もちろん、これは私が身に付けたやり方なので、他の方はそれぞれいろいろな描き方をされています。

この色紙は、第75回歳末助け合い美術展(山陽新聞社会事業団)と高知市社会福祉協議会のチャリティー色紙展示即売会に出品します。
どちらにどちらの色紙を出すかは、その時の気分で・・・(笑)

◇ 第75回歳末助け合い美術展
    10月30日(日)~11月6日(日)  
    山陽新聞社9階 (岡山市北区柳町)

◇ 令和4年度チャリティー色紙展示即売会
    12月10日(土)~12月12日(月)
    高新画廊 (高知放送南館2F)

市民劇場「おとうふコーヒー」の感想

2022-10-01 09:59:16 | 日記
 記事とは全く関係ない約15年前の某公民館の日本画教室(若い!)

◇ 昨日見に行った市民劇場9月例会劇団銅鑼「おとうふコーヒー」の感想を少し。

 何十年ぶりかに見た生のお芝居。
 怒鳴るように言うセリフ、大げさすぎる身振り、・・・お芝居につきもののこれらは舞台上の展開だから仕方ない。身体の動きを大きくしないと舞台は映えないに違いない。
 舞台は、とある特養ホーム。私には特養というよりグループホームの印象。
 台風の襲来でホームへの唯一の道にかかる橋が冠水している中で、入所者のふみおばあちゃんが最後の時を迎えようとしているという設定。
 現在と過去が前後して展開する。
 入所して間もないふみおばあさんを訪ねて来た孫の瑞樹、小さい時から可愛がってくれたおばあちゃんに性同一性障害のカミングアウトする場面は思わず涙がこぼれそうだった。可愛い女の子の瑞樹が男の子になっちゃった・・・混乱するふみおばあちゃん。苦しむ瑞樹。でも言わなくては・・・
 ふみおばあちゃんも瑞樹もステキだった。名演だと思った。
他に名演だと思ったのは、元消防士だった認知症の老人と過去に傷を持つボランティアの加後さん。
 強烈キャラの民生委員の旗本さんは、お芝居ではこういう存在も必要で、いい味を出していた。
 人生の終わりを迎える施設。皆さんがこのはるおばあちゃんのように迎えられたらいいのだけれど・・・

以上、何十年ぶりかに生のお芝居を鑑賞した私の独断と偏見の感想です。