「野外炊具」 戦闘糧食
久しぶりに土曜日休みを取れたので、本日は陸上自衛隊の広報PRセンターに娘と一緒に遊びに行ってきました
で、なんで久しぶりの休みなのに娘と一緒に自衛隊?・・・・エヘヘヘ・・・どうも私の娘も自衛隊が好きらしく、去年「自衛隊音楽祭」に連れて行ってからファンになってしまった・・・こともありますが、実は本日自衛隊の誇る高性能兵器の「野外炊具1号、2号」がお目見えして、トン汁を作ってくださるという企画だったのであります。
さてココからはちょっと難しい記事になってしまうので、興味のない方には退屈になると思います・・・・読むのが面倒なので止めちゃった方がイイカモね!
そんな訳で戦う料理人の私としては是非見に行きたかったワケでありました
これが陸上自衛隊の「野外炊具1号」であります。
震災のとき等にも出動して被災者の方々に温かい食事を炊き出したりしているので見たことある方も多いのではないでしょうか?
さてこの野外炊具1型ですが、よく見るとこれは1型(改)、つまり1型のマイナーチェンジ型でありますね。
この炊具は一度に200名分の調理が可能で、内容は米、汁物、副菜だそうです。
又、炊飯だけだったら600名分を一度に炊き上げることができるスグレモノであります。
ただし、扱いは非常に難しく、シロートには扱えません。よく訓練を受けていないとむりそうですね。
しかし、構造は昔からあるガソリンバーナーや灯油バーナーとあまり変わりなく、キャンプでコールマンの石油ストーブや石油ランタンを使っている人ならある程度の基礎知識があるので、仕組み等は理解できると思われます。
基本的には石油をコンプレッサーで気化させて燃焼させると思えば良いと思われます。
私たちが使うキャンプ用品では、石油の混合気を作るのに手動ピストンで空気を圧縮して混合気を作りますが、炊具では車両の中央にこのような発電機があり、電気で電動コンプレッサーを動かして混合気を作って各バーナーに送り、調理するワケですね。
コチラの小形発電機は皮むき器や野菜カッター用だと思います
多分コチラの大形発電機が混合気用じゃないかな?
ヒョットしたら短い距離だったらモーターなんかで走行できるのかもしれません
コンセント禁止の張り紙の下には普通に電化製品が使えるようにコンセントの受け口があるはずです
因みにこの改造型では、コンプレッサーの能力か発電能力の低下で、6基の釜全てを一度に使用できないとの噂がありますが、敵にこのことを知られるとマズイのでこれ以上追求しないことにします
給食室等で御馴染み野菜の皮剥き器。
これは内部が回転ヤスリのようになっていて、中に放り込まれたじゃが芋等の皮を恐ろしい音を立てながら削り落としていくという恐怖の兵器・・・・・・じゃなくて便利な器具なのでありますが・・・・あとの掃除が大変です。
本当は真ん中にある台の上に野菜カッターがあるはずなのですが、ありませんね~・・・
台の下には混合気用のコンプレッサーと思われるものが見えます。
左側のは6基ある釜のうちの1基です。
釜の蓋はしっかりとネジ式ロックでき、かなりの圧力に耐えられる構造のようです。
つまり、圧力釜みたいになってご飯が美味しく炊けるし、調理も沸点が上がるので高熱を出すことが出来、調理時間を短縮できるということですね。
レイアウトはこんなカンジです。
さてさて野外調理された豚汁ができました。
実費程度の料金をお渡しして喫食券と引き換えてもらいます。
食券ではなく、喫食券というところが自衛隊らしいですね!
豚汁の調理はこちらの天幕の下で行なわれていました。
使用されているのは野外炊具2型(改)であります。
こちらはキャスター付きの調理釜と思って間違いありません。
こちらも灯油と空気の混合気を作ってバーナーで燃焼させるタイプです。
電源は外からとります。野外では電源車とかがあるのかもしれません。
又、コチラには専用のトラックもあり、トラックの荷台に釜を並べて、移動キッチンのように荷台を調理場することもできるらしいです。
さてこの釜ですが、私の見たところ、炊飯、汁物作り、煮物作りには適していそうですが、揚げ物は辛そううですね。また、焼き物は不可能と思われます。
結局は鍋ですから、茹でるとか沸かすというのが本来の機能でしょう。
又、これは四角くて深い鍋ですので、炒め物もかき回すことができずにムラができて美味くは仕上がらないような気がします。
カレーやシチュー、麺類、汁物類、ごった煮等に適していそうです。
山形の芋煮や鹿児島の筑前煮とかは美味しくできそうですね。
又、麺類は茹でる釜とツユの釜とタネの釜を並べたらかなり美味しいソバ・ウドンのお店がひらけそうですね
また、パンなども焼けそうですし、パスタ料理にも向いていると思います。
他になにが出来るか・・・料理人として考えてみたい調理器具です。
そういえば、海外にはお金を払うと鉄砲を撃たせてくれる軍隊ツアーとかありますが、我が国ではそのような物騒なものはともかく、野外炊具の野外食堂を開いて、各地方の部隊が、各地方の郷土料理を週代わりとかとかで一般国民に提供するってアイディアは如何でしょうか?訓練の一貫として野外炊事を行うということではダメですか?
お客はそのレストランまで自衛官と同じくらいの重さの装備を担いで脚でたどり着くオプションとか、キャタピラ付きの車両での送迎とか、ヘリなんかもいいかも
モチロン擬装したレストランは空からは見付からないという楽しみもあり!
メイド喫茶なんかよりオタクが集りそうな危惧もありますけれど・・・・
そんなことを考えながらフッと横を見ますと・・・・・
野菜カッターがあります。
先ほど野外炊具1号に見当たらなかった野菜カッターを取り外してこちらに持ってきて使用しているのかな?
多分、カッターは洗浄の為簡単に取り外しが出来るのでしょうね。
豚汁を配ってくださる女性隊員の方
調理風景
恐ろしく巨大なお玉
豚汁はバラ肉の薄切り、綺麗にイチョウ型に切った大根・人参、薄切りの牛蒡、長ネギの五種類の具材で出来ていました。
これはフツーに美味しい豚汁でありました。
言ってはなんですが、米軍の食事に比べて数段上をいっていると思います
これは主に戦場や被災地と言う普通ではない場所で喫食される料理なのでしょうが、普通に美味しいというのは凄いことですね。
よく、大災害の時には無理をしてでも子供たちを日常生活に近い環境に置く為に、学校の再開等を急いだりますが、そのときにこういう普通に美味しい食事が提供されるとしたら、非常に精神的な助けになると思われます。
ちゃんとした食事は肉体的にも精神的にも栄養豊富ですので、タンフニの皆さんも贅沢と言う意味でなく「良い食事」をしっかりとりましょう。
とにかくこの野外炊具は、イザと言うときに我々をしっかり守ってくれる頼もしい装備だと思います。
これ・・・・欲しいナァ~・・・。
オマケ:自走105mm榴弾砲の上部ハッチから首を出して覗いた風景。高さ3.2mです。結構背が高いですね
で、なんで久しぶりの休みなのに娘と一緒に自衛隊?・・・・エヘヘヘ・・・どうも私の娘も自衛隊が好きらしく、去年「自衛隊音楽祭」に連れて行ってからファンになってしまった・・・こともありますが、実は本日自衛隊の誇る高性能兵器の「野外炊具1号、2号」がお目見えして、トン汁を作ってくださるという企画だったのであります。
さてココからはちょっと難しい記事になってしまうので、興味のない方には退屈になると思います・・・・読むのが面倒なので止めちゃった方がイイカモね!
そんな訳で戦う料理人の私としては是非見に行きたかったワケでありました
これが陸上自衛隊の「野外炊具1号」であります。
震災のとき等にも出動して被災者の方々に温かい食事を炊き出したりしているので見たことある方も多いのではないでしょうか?
さてこの野外炊具1型ですが、よく見るとこれは1型(改)、つまり1型のマイナーチェンジ型でありますね。
この炊具は一度に200名分の調理が可能で、内容は米、汁物、副菜だそうです。
又、炊飯だけだったら600名分を一度に炊き上げることができるスグレモノであります。
ただし、扱いは非常に難しく、シロートには扱えません。よく訓練を受けていないとむりそうですね。
しかし、構造は昔からあるガソリンバーナーや灯油バーナーとあまり変わりなく、キャンプでコールマンの石油ストーブや石油ランタンを使っている人ならある程度の基礎知識があるので、仕組み等は理解できると思われます。
基本的には石油をコンプレッサーで気化させて燃焼させると思えば良いと思われます。
私たちが使うキャンプ用品では、石油の混合気を作るのに手動ピストンで空気を圧縮して混合気を作りますが、炊具では車両の中央にこのような発電機があり、電気で電動コンプレッサーを動かして混合気を作って各バーナーに送り、調理するワケですね。
コチラの小形発電機は皮むき器や野菜カッター用だと思います
多分コチラの大形発電機が混合気用じゃないかな?
ヒョットしたら短い距離だったらモーターなんかで走行できるのかもしれません
コンセント禁止の張り紙の下には普通に電化製品が使えるようにコンセントの受け口があるはずです
因みにこの改造型では、コンプレッサーの能力か発電能力の低下で、6基の釜全てを一度に使用できないとの噂がありますが、敵にこのことを知られるとマズイのでこれ以上追求しないことにします
給食室等で御馴染み野菜の皮剥き器。
これは内部が回転ヤスリのようになっていて、中に放り込まれたじゃが芋等の皮を恐ろしい音を立てながら削り落としていくという恐怖の兵器・・・・・・じゃなくて便利な器具なのでありますが・・・・あとの掃除が大変です。
本当は真ん中にある台の上に野菜カッターがあるはずなのですが、ありませんね~・・・
台の下には混合気用のコンプレッサーと思われるものが見えます。
左側のは6基ある釜のうちの1基です。
釜の蓋はしっかりとネジ式ロックでき、かなりの圧力に耐えられる構造のようです。
つまり、圧力釜みたいになってご飯が美味しく炊けるし、調理も沸点が上がるので高熱を出すことが出来、調理時間を短縮できるということですね。
レイアウトはこんなカンジです。
さてさて野外調理された豚汁ができました。
実費程度の料金をお渡しして喫食券と引き換えてもらいます。
食券ではなく、喫食券というところが自衛隊らしいですね!
豚汁の調理はこちらの天幕の下で行なわれていました。
使用されているのは野外炊具2型(改)であります。
こちらはキャスター付きの調理釜と思って間違いありません。
こちらも灯油と空気の混合気を作ってバーナーで燃焼させるタイプです。
電源は外からとります。野外では電源車とかがあるのかもしれません。
又、コチラには専用のトラックもあり、トラックの荷台に釜を並べて、移動キッチンのように荷台を調理場することもできるらしいです。
さてこの釜ですが、私の見たところ、炊飯、汁物作り、煮物作りには適していそうですが、揚げ物は辛そううですね。また、焼き物は不可能と思われます。
結局は鍋ですから、茹でるとか沸かすというのが本来の機能でしょう。
又、これは四角くて深い鍋ですので、炒め物もかき回すことができずにムラができて美味くは仕上がらないような気がします。
カレーやシチュー、麺類、汁物類、ごった煮等に適していそうです。
山形の芋煮や鹿児島の筑前煮とかは美味しくできそうですね。
又、麺類は茹でる釜とツユの釜とタネの釜を並べたらかなり美味しいソバ・ウドンのお店がひらけそうですね
また、パンなども焼けそうですし、パスタ料理にも向いていると思います。
他になにが出来るか・・・料理人として考えてみたい調理器具です。
そういえば、海外にはお金を払うと鉄砲を撃たせてくれる軍隊ツアーとかありますが、我が国ではそのような物騒なものはともかく、野外炊具の野外食堂を開いて、各地方の部隊が、各地方の郷土料理を週代わりとかとかで一般国民に提供するってアイディアは如何でしょうか?訓練の一貫として野外炊事を行うということではダメですか?
お客はそのレストランまで自衛官と同じくらいの重さの装備を担いで脚でたどり着くオプションとか、キャタピラ付きの車両での送迎とか、ヘリなんかもいいかも
モチロン擬装したレストランは空からは見付からないという楽しみもあり!
メイド喫茶なんかよりオタクが集りそうな危惧もありますけれど・・・・
そんなことを考えながらフッと横を見ますと・・・・・
野菜カッターがあります。
先ほど野外炊具1号に見当たらなかった野菜カッターを取り外してこちらに持ってきて使用しているのかな?
多分、カッターは洗浄の為簡単に取り外しが出来るのでしょうね。
豚汁を配ってくださる女性隊員の方
調理風景
恐ろしく巨大なお玉
豚汁はバラ肉の薄切り、綺麗にイチョウ型に切った大根・人参、薄切りの牛蒡、長ネギの五種類の具材で出来ていました。
これはフツーに美味しい豚汁でありました。
言ってはなんですが、米軍の食事に比べて数段上をいっていると思います
これは主に戦場や被災地と言う普通ではない場所で喫食される料理なのでしょうが、普通に美味しいというのは凄いことですね。
よく、大災害の時には無理をしてでも子供たちを日常生活に近い環境に置く為に、学校の再開等を急いだりますが、そのときにこういう普通に美味しい食事が提供されるとしたら、非常に精神的な助けになると思われます。
ちゃんとした食事は肉体的にも精神的にも栄養豊富ですので、タンフニの皆さんも贅沢と言う意味でなく「良い食事」をしっかりとりましょう。
とにかくこの野外炊具は、イザと言うときに我々をしっかり守ってくれる頼もしい装備だと思います。
これ・・・・欲しいナァ~・・・。
オマケ:自走105mm榴弾砲の上部ハッチから首を出して覗いた風景。高さ3.2mです。結構背が高いですね
<form action="https://navy.ap.teacup.com/applet/yanagiyatomochin/410/clap" method="POST"><input type="submit" value="拍手" /></form> 5
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます