CT検査は比較的有効だが
最近では、「CT」(コンピューター断層撮影)が比較的有効とされています。ただし、撮影のために使用する「造影剤」には、副作用リスクがあり、気軽に受けるべきではありません。
一般的にもっとも有効なのは、「MRI」(磁気共鳴画像)を利用した「MRCP」(磁器共鳴胆管膵管造影検査)という検査です。しかし、自覚症状がなく、疑いがないのにこれを受ける人はいません。
最近では、より高度な検査方法として「内視鏡的逆行性胆管膵管造影」(ERCP)や「超音波内視鏡」(EUS)がありますが、実施している医療機関が少ないうえ、費用が高額です。
予防は糖尿病に注意をすること
膵臓がんの治癒が難しいとされるのは、膵臓が胃や腸と違って筋肉層がないことが、大きく影響しています。筋肉層がないので、いったんがん細胞が増殖を始めると周囲の臓器に浸潤しやすいのです。膵臓は十二指腸、脾臓(ひぞう) 、胃などに接しているほか、周囲に腹腔(ふっくう)動脈などの重要な血管やリンパ節が集まっています。そのため、がんは速いスピードで他臓器に転移していきます。
では、膵臓がんにならないために、なにか有効な手立てがあるのでしょうか?
データから言えるのは、糖尿病になるような生活習慣をしないということです。膵臓がん患者の26%は糖尿病患者というデータがあるからです。
糖尿病の男性は、膵臓がんの発症リスクが健康な人に比べ2.1倍、女性でも1.5倍高いとされています。膵臓がんの原因は、ほとんどが膵炎です。膵炎は、血液中に糖分が増えることで起こります。
ということは、糖尿病を予防するような食事や運動などで生活習慣を改善するように心がけることが、「最悪のがん」の予防になるということです。