AKB48の旅

AKB48の旅

乃木坂の物語

2016年01月30日 | AKB
「週間東洋経済」2016.1.30所載「AKB48はオワコンか 世代交代が迫る転機」から高橋さんの言葉の以下引用

課題は言い続けている。「世代交代」。グループの一番の壁だなと思う。外見的には新しく入ってくる若い世代は本当にかわいい。去年、公式ライバルの乃木坂46の勢いがすごかったのですが、AKB48も私たちの世代のように(冒険好きな)少年漫画的なキャラより、少女漫画的な容姿端麗が好まれる時代が来ているんだろうな、と。

私たちは大きくなった分、チャレンジしづらくなっています。今は(国内トップ女子アイドルグループの体面を)守りつつやらなければいけない。ここが難しいです。

秋元さんは無邪気な子ども(笑)。予定調和が大嫌いで、「期待を裏切ってやろう」とは思っているでしょう。


引用部分以外も、あまりに的確すぎる分析。自己了解像と世界認識に歪みがなければ、そして高い知性が備わっていれば、ここまで広大な視野をクリアに見渡せる。中でも、AKBと乃木坂の違いについての比喩が新鮮。

レコーダーの肥やしになってた、エムオンの「乃木坂46 MV特集」を見てて感じたこと。いちおう「ぐるぐるカーテン」から「太陽ノック」までなんだけど、何より印象的だったのが、西野七瀬さんの存在様式だった。ああ、ここがAKBとの決定的な違いなんだというか。そこを手取り足取りというと違うかも知れないけど、実に分かりやすく、これでもかとばかりに噛み砕いて見せてくれたのが、「ごめんね ずっと・・・」のMVだった。

あくまでも外からの作り込みとしての「人見知りで控えめな女の子が、ステージに立ちスポットライトを浴びることで、輝いていく」という、どこかで聞いたようなフィクションを演じ切るとでも言うか。批判とかの意図はないよと、例によって念を押しておくけど、そんな虚構感を逆方向から照らし出してくれたのが、「夏のFree&Easy」MVの松井玲奈さんだった。そこだけ輪郭線が違うかのような硬質な存在感が際だって、浮き出てすら見えた。

こうして時系列でMVを見ていくと何となく分かってくる。乃木坂も最初からこうだったわけではなくて、生駒さんがセンターの頃は、まだしもAKBとの類似性というか連続性が、ある程度ではあるけど担保されていた。確かに「公式ライバル」を名乗るだけのものがあった。もちろんSMEという文化背景もあったろうけど、たぶんそれを変えていった主なドライブは、何よりファンの動向なんであり、それをすかさず拾い上げた秋元氏だったんだろう。楽曲の方向性にも、それは如実に表れてる。そんな流れが何となく見えたような気がする。

いちおう乃木坂理解の基本は何も変わってない(もしくは進歩がない)んで、詳細は過去ログ参照と言うことで。

NHKBS「乃木坂46 SHOW!」
http://blog.goo.ne.jp/ichthyophagi/e/0606c5ea26da84a12eb2c4642202c878