渡辺麻友 卒業コンサート

リアルタイムでは細切れにしか見れなくて、まだ録画をつまみ食いで見てる状態なんだけど、なんかこれでもかとばかり、カワイさ全開のコンサートになってるなあ。密度が濃くて、見応えがある。これはAKBGのコンサートとしては出色。

と同時に、なんでアイドルの卒業コンサートは、楽しくもはかない、葬送の儀式になるんだろう。

形式上ではあっても、AKBGにあって渡辺麻友さんは、もっともローコンテクストサイドにいるわけで、そのまとう物語は一見、シンプルにしてストレートということになる。たぶんだけど、それは凝縮された人生の縮図なんだろう。成長して老いて死ぬ。そんな当たり前の事実、避けられない現実、残酷な人生というものを、結果的に見せつけられるという。

渡辺麻友さんが体現するアイドルという虚構性。けれどもそれは乃木坂的な表層的なものとも一線を画してる。たぶんAKBの存在様式ともそれは通底してて、指原さんとのペアリングでも表現されてる、「アボガドじゃね～し」で秋元氏がカリカチュア的に描き出そうとしたオンリーワンな面白さなんだろう。

そんな指原さん的リアルバーチャル連続体の対偶というか、AKBGの特異性ともいうべき虚数解のような存在様式。このコンサートがリアルタイムで放送されること、そして中国でも放送されてることが、正にスーパーリアルというか、それが渡辺麻友さんの逆説的なリアリティということなんだろう。