敬愛なる母様はちょうどそこに居られまして、どれほど私を親切に迎えてくださいましたでしょうまだご存じでいましょう。その時他の修道女にも会いまして、私の全快したことにつき、いろいろの事を彼女らが訊ねました。ある人は「聖母マリア様が幼きイエズス様を抱いておられましたか」とか、ある人は「天使が随いておられたか」とか、口々に訊ねました。私はこれらの問いによって心が乱れ心配するようになりましたので、ただ一言「聖母マリア様は至って美しき御方に見えました。私の方に進まれて微笑をされたのを見ました」と答えたのであります。しかし修道女達は直美続いて、他のいろいろの事を考えだすのを見て、私が偽りを言ったのではなかろうかと思われるのではあるまいか、ああ、私はこの秘密を保ったならば幸福をも失わなかったろうにと、しかしこの苦痛、心配は聖母が特に私の霊魂のために図ってくださったに相違ありません。もしこの苦痛がなかったならば恐ろしい傲慢の心が起こったかもしれませんが、この苦しみの境遇にあったため、かえって私自身が非常に卑しいものだと感じました。我が主よ、この時の悲しみ、苦しみは主のみご存じでありましょう。
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