白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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藤沢里菜-依田紀基

2020年07月17日 23時59分59秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
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皆様こんばんは。
本日は7/16に行われた、名人戦予選の藤沢里菜四段(21)-依田紀基九段(54)戦をご紹介します。
なお、この対局は日本棋院ネット対局幽玄の間で中継されました。

1図(実戦)
藤沢四段の黒番です。
ここまでも変化が多くて面白かったのですが、この場面を選んでみました。
黒1の攻めに対して、白Aと打って全部助けようとするのは、周囲が真っ黒なのでいかにも無理です。
よって白Bと逃げることが考えられますが、黒Cのボウシでまとめて攻められそうです。

そこで、実戦白2とツケたのが依田九段らしい積極的な捌きでした。
黒Dと受けさせれば、白Eと一歩早く逃げられるということでしょう。



2図(実戦)
しかし、実戦は黒1のハネ出し!
力づくで白を分断しました。
戦力は圧倒的に黒有利ですから、白が困ったように見えますが・・・。



3図(実戦)
白×を捨てて身軽になり、白11に回る構想でした。
いつの間にか黒×が寂しくなっていますね。
逃げようと思えば逃げられますが、その間に上辺の白地が大きくまとまるでしょう。



4図(実戦)
そこで、今度は黒が黒×を捨てました。
上辺を荒らし、右辺を黒地にする方が得と見たのですね。
本局はお互いに石を捨てる場面が多く、盤上の景色が次々に変わる面白い一局でした。
なお、この後の振り替わりで白が得をして、結果は白9目半勝ちとなりました。


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