地震の多い年と少ない年、震度が大きい年と小さい年がある。震度の大きい年は、前震や余震などで地震が多い年になる傾向があり、震源を中心とした周辺の都道府県に多くの地震が発生する傾向にある。地震が少ない年は、震度も小さく、2010年と2011年の2ヵ年を比べただけでも、地震の多い都道府県は限定されるわけではなく、多岐にわたっていることがわかる。
地震の多い年は、当然のこと、地震が少ない年においても1年を通じて日本全国で発生している地震回数をトータルすれば、365回を裕に上回わり、地震は、日本のどこかでほぼ毎日発生していると言える。日本にとって地震は、日常生活、社会活動と密接に関わる自然現象であるといえる。
世界的に見ても日本は地震が多発。防災白書には、2000年〜2009年の間、世界全土で発生したマグニチュード5.0地震のうち、10%以上は日本で発生、同様にマグニチュード6.0以上地震の約20%が日本で発生。日本は、世界国土の1%程度の面積しか占めていないのに、かくも多くの地震が発生、紛れもない「地震大国」。
地震による災害被害額は、防災白書には、1979年〜2008年で、災害被害額は、29年間に約20兆円以上に達し、世界の災害被害額の10%以上が日本の災害被害総額にあたるという驚くべきデータ。

**古くは地震雲、電磁波、動物の異変…⁇
地震予測の仕組みは進化しているか?
我々がいかに地震と隣り合わせの生活を送っているか。こうした状況だから、日本では昔から「地震予知」の研究が行われてきた。いくつか耳にしたことがあるかも、研究は多岐に及ぶ。
たとえば、地震発生前に異常気象が発生することを事前に検知する。その1つが地震雲。地震雲は、地震発生前の約2週間前から見られ、放射状・渦巻き状・直線状など様々な種類があるが、気象上の雲や飛行機雲と違い、風により流されることなく定点に長時間存在するもの。地震の前兆である地殻の衝突、歪などにより生じる電磁波が上空に雲を発生させるメカニズム。
また、地震発生前に地盤から放出される電磁波を検出するものもある。阪神・淡路大震災の発生直前、ラジオから大きなノイズ音が聞こえたという現象が報告されている。
その他に、動物の行動を見るなど様々な研究がある。地震予測の手法の多くは信憑性が不明だ、霊能力的な力による予知研究まで存在するくらいで、それだけ人々の期待を背負った分野と言える。
そうした数ある地震予知の手法のなか、日本における最先端の地震予知システムで、その予測精度はかなり高いと言われており、「ビジネス」という視点からも取り組みが開始されている。従来の学術研究というフィールドから新しいフィールドへと、地震予測は大きく変わろうとしているのだ。
次回は、日本が取り組む地震予知の歴史に簡単に触れながら、「地震予知ビジネス」の最新動向の一例を紹介し、その展望を考えたい