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「秋田のクマ駆除」に"ブチ切れる人"なぜ増えた? 2024/12

2024-12-06 20:01:54 | 気になる モノ・コト

「秋田のクマ駆除」に"ブチ切れる人"なぜ増えた?
木村 隆志:コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

肉食でもあるが、ヒグマと比べても植物食に依存するというツキノワグマ(画像:sw950502/PIXTA)


秋田県秋田市のスーパーにクマが侵入したのは11月30日。47歳の男性従業員が襲われて頭などを負傷し、クマは2日以上にわたって居座り続けましたが、わなにかかった後に麻酔で眠らされ、その後駆除されたそうです。

【写真】秋田で人気?「ツキノワグマの自販機」と、確かに可愛い…「ツキノワグマの赤ちゃん」

これらが報じられると、市などに100件を超える抗議の声が寄せられたことが波紋を呼びました。

「人間の都合で殺すな」「山に返すべき」「かわいそう」などと抗議する声に賛否があがっていますが、このような現象は今回だけではありません。
 クマの出没が各地で相次いで報じられ、そのたびに同じような命をめぐる論争が起きています。

 また、先月末には北海道猟友会が71の支部に「クマ駆除要請の拒否を認める通知を出した」ことが大きく報じられました。
 これは2018年に同道砂川市のハンターが発砲した際、危険性を理由に猟銃所持許可を取り消された札幌高裁判決を受けたものでしたが、このときにも「クマの駆除」に関する論争が起きました。

⚫︎命は重くても抗議は行き過ぎ
 はたしてクマ駆除の反対派による「命の重さ」「動物愛護」「自然との共生」などの主張は妥当なのか。度重なる論争の本質はどこにあるのか。そして何か悪影響を及ぼしているものはないのか。掘り下げていきます。

【写真を見る】秋田で人気?「ツキノワグマの自販機」と、確かに可愛い…「ツキノワグマの赤ちゃん」
 まず今回のケースに関しては、クマ駆除の反対派による「命の重さ」「動物愛護」「自然との共生」などの主張は、1つの貴重な意見でこそあれ、妥当とは言いづらい感があります。

 クマがスーパーの商品を食べた可能性がゼロではないこと。少なくとも食べ物の存在を知ったことから、山に返しても再びスーパーを訪れるリスクがあり、住民や店員の不安が募ること。
 地元では今月数十件の目撃情報があったうえに、捕獲翌日に別のクマの目撃情報もあったなど、ゆったり対応している余裕がないこと。だから秋田県、秋田市、警察が連動して懸命に対応したこと。

 また、秋田に限った話ではない部分で、このところ市街地に出没したケースが続くなどクマの生息圏内に住む人々の危機感が増していること。
 山に食べるものがないからではなく、あるときでもおいしいものを大量に食べようと人里に降りてくるなどクマの学習能力が上がっていること。
自分たちの命だけでなく、住宅や農作物などの財産も守りたいと思っていること。だから自治体には抗議ばかりではなく、感謝の声も多数寄せられていること。

 これらの理由から「命の重さ」「動物愛護」「自然との共生」という主張そのものは理解できても、当事者の安全や心境を踏まえると、抗議は行き過ぎのように見えます。

クマが立てこもって2日、駆除されてから5日での営業再開を発表したスーパー「いとく土崎みなと店」(写真:同店HPより)

⚫︎「自然と共生していない地域の人」ほど声が大きい
 そもそも「命の重さ」や「動物愛護」を考えるのであれば、クマの駆除だけをピックアップして当事者に抗議するのはフェアではないでしょう。他にもそれらを訴える案件はあるはずなのに、なぜクマの駆除にそれらの声が大きくなるのか。
 クマの出没がたびたびニュースになるから命をめぐる主張がしやすいのかもしれませんが、被害に苦しみ、現場で必死に対応している人々に不要な心的負担を強いている感は否めないのです。

「自然との共生」に関しても、共生しているからこそクマが出没して被害が出ているのでしょう。本当に自然と共生している地域はわざわざそれを掲げないでしょうし、「もともとあまりクマがいなくて被害が少ない」地域の人ほど、「自然との共生を目指そう」などと掲げるのかもしれません。
 もしクマが人里に出没したら、「これからも自然と共生していくためにはクマの駆除が必要」と考えるのが自然に見えます。

⚫︎他人への想像力と理解に“個人差”
 体長1.1メートル・体重69キロのメスで、それほど大きくないツキノワグマだったこと。襲われた男性が軽傷だったこと。本当に商品を食べたのか明らかではないこと。ツキノワグマは植物が主食であること。住宅地のため銃を使わなかったことで「生きて森に返すのだろう」と思わせたこと。

 クマの駆除反対派の中にはこれらの主張も見られましたが、いずれも論争の本質ではないでしょう。
 クマの駆除に関する論争が過剰になってしまう最大の理由は、他者への想像力と理解に個人差があること。これが論争をヒートアップさせる要因になっています。

「『自分の生活エリアにクマが現れるかもしれない』という状況で安心して暮らせるのか」
「もし自宅にクマが入ってきたら、スーパーでクマに遭遇したら、どう対応するのか本気で考えたことはあるか
「自分が大丈夫だとしても、家族、友人、仕事仲間などがクマの出没を不安視していないか」
「クマ出没の不安があることでスーパーなどの客足が遠のき、もし出没したら店が閉鎖されて営業ができないなど困ると思わないのか」

 これらを自分事として真剣に考えたとき、「命の重さ」という主張はさておき、クマの駆除に抗議できる人は多くないでしょう。
 意識的かどうかを問わずニュースを見たときの印象や感覚が優先されるほど、他者への想像力や理解が後回しにされていきます。
 さらにネットの普及で目にするニュースの量が増えたことが、「印象や感覚優先で、他者への想像力や理解が後回し」という風潮を加速しました。

 1つひとつのニュースを当事者の立場でじっくり考えるのではなく,自分の印象や感覚ですぐに判断を下す人が増え,中でも批判的なものほど瞬発的に発信されやすい傾向があります。
 そのニュースに関する情報をそれなりに得て、自分なりに学んだうえでの印象や感覚であればいいのですが、瞬発的に抗議の声をあげる人々がそれをしていないのは明白。

 特にネットニュースは「あまり考えずにコメントしてもいいもの」とみなされがちで、思い込みのような声が目立ちます。だから「他人の命を想像できずクマの命だけを考える」「生かして返せる方法は何かしらある」などと他人事になってしまうのでしょう。

⚫︎ウシ、ブタ、ニワトリはいいのか
 今回ネット上のコメントを見ていると、「ウシ、ブタ、ニワトリを食べている人が『クマを殺したらかわいそう』は矛盾している」という声が散見されました。
 さらに「『かわいそう』と言うなら人間に危害を与えないウシ、ブタ、ニワトリのほうだろう」「畜産にかかわる人々はさまざまな思いを抱えながら日々命と向き合っている」などの声もありました。

 これらの人々は「他者への想像力と理解がある」と言っていいのではないでしょうか。一方、もし犬や猫を飼ってかわいがっている人がクマに命の大切さを重ね合わせて抗議したのなら想像力が足りないように見えます。

 たとえば今では少なくなりましたが、野犬が現れて愛犬や自分が襲われたときも同じことが言えるのか。ペットや人を襲うかもしれない野犬を殺処分しなければ誰が世話をして、誰がお金を負担するのか。本当の意味で抗議できるのは「私がやります」と責任を負える人だけなのかもしれません。
 命をめぐる論争そのものはあってしかるべきものでしょうが、その前提として欠かせないのが、他者への想像力と理解。

 個人差があるのは当然だとしても、当事者や主張が異なる人のこともいかに考えられるか。自分の主張に偏るほど対立が激しくなり、論争の本質からは外れていくだけに、「抗議するとしてもどんな姿勢で向き合うのか」が重要なのです。
 クマの駆除に関する今回の論争で最後に1つふれておきたいのが、メディア報道の是非。
クマの出没から捕獲、駆除されるまでの推移を報じることにもちろん問題はないでしょう。
 その一方で残念なのは、「なぜ殺した?」「殺すのは非道」「抗議の声が殺到」などと過激なフレーズを前面に出して対立をあおる記事が少なくないこと。
自社の営業利益や記事のスピード感を優先させたこれらの記事がニュースの本質を遠ざけている感は否めません。

 クマの出没に関するデータ、秋田県の現状、現地住民の声、有識者の見解などが的確に報じられないため、「かわいそう」という抗議の声をあげている人もいるのでしょう。
 世間の人々がクマに関する情報や学びが足りないのは確かであり、これが前述した他者への想像力や理解の不足につながっているところもありそうです。

 当事者にとってクマの出没は深刻な問題だけに、「人々に有益な情報を提供する」という本来の目的を差し置いて論争をあおるメディアには怒りを感じているのではないでしょうか。
 また、ネット上には被害を受けて7日までの休業を余儀なくされた秋田のスーパーを応援する動きも起きているだけに、後方支援するような記事がもっとあってもいい気がします。

⚫︎猟友会にも抗議の声が寄せられている
 そしてもう1つメディアが報じるべきは、各地の猟友会が抗議の声に悩まされていること。今回は市や警察が主導で対応したうえに、そもそも住宅地のため銃を使う可能性がなかったことも含め、もし猟友会へ抗議している人がいたらまったくのお門違いでした。

 その他でもクレーム、無言電話、誹謗中傷、活動妨害などに悩まされているというだけに、猟友会の立場や仕事などの理解が進むような記事も出してほしいところです。

クマに対する情報と学びを提供し、猟友会などへの理解を促す……。
「命の重さ」「動物愛護」「自然との共生」をめぐる論争が健全に行われるためにメディアの果たす役割は重要でしょう。
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野口健氏 クマ殺処分で秋田市に苦情電話も「有り難くお命、頂けばいい」「人命重視は当たり前」 202412

2024-12-04 03:16:00 | 気になる モノ・コト

野口健氏 クマ殺処分で秋田市に苦情電話も「有り難くお命、頂けばいい」「人命重視は当たり前」

デイリーニュース より241204 野口健氏


 登山家の野口健氏が2日、Xで秋田県のスーパーにクマが立てこもり、殺処分となったことに、行政に苦情の電話などがかかってきているという報道に「行政としては人命重視は当たり前」との意見をつづった。

【写真】目撃情報が多すぎて「クマ出没マップ」がヤバい!
「駆除で武器を使うのは卑怯」「素手でやれ」と謎クレーム

 秋田市のスーパーにクマが立てこもった騒動について、クマは箱わなで捕獲され、その後、麻酔を使って眠らせた上、殺処分を行ったという。ただ、秋田市などには「殺さないで」「かわいそう」など、殺処分対応への苦情電話が掛かってきていることも報じられていた。

 野口氏はこれを報じたネット記事にリプする形で「殺したのならば、その肉を食べ、毛皮を使い臓器を漢方にすればその命は無駄にはならない」とし「有り難くお命、頂けばいい」との考えをつづった。

 「山に帰しても里に降りてきたクマはまた里に降りてきやすいと聞いた事があります」ともつぶやき「難しい問題ではありますが、行政としては人命重視は当たり前」との考えを示していた。
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【イグ•ノーベル賞の日本人連続受賞は続くのか?】流行の分野に流れる研究開発費,目先の利益だけでは土台が崩れる 2024/11

2024-11-30 02:31:14 | 気になる モノ・コト

【イグ・ノーベル賞の日本人連続受賞は続くのか?】流行の分野に流れる研究開発費、目先の利益だけでは土台が崩れる
 Wedge より 241130 野口千里


 「3、2、1、GO!」その掛け声とともに、集まった人々が大量の紙飛行機を飛ばす──。「人々を笑わせ,そして考えさせる」業績をたたえる,イグ・ノーベル賞の授賞式の一場面だ。
 1991年から始まった同賞は、ノーベル賞を模した〝パロディー〟の賞で、日本人の受賞は今年で18年連続だ。


2015年のイグ・ノーベル賞受賞式。米国の科学雑誌『IMPROBABLE RESEARCH』の編集長のマーク・エイブラハムズ氏(写真中央)がイグ・ノーベル賞の主宰者だ(UPI/AFLO)

 「最初にイグ・ノーベル賞に選ばれたときは、喜ばしいことなのかもわからず、賞を受け取るかどうか悩んだ」。そう語るのは、2008年、10年にイグ・ノーベル賞を受賞した北海道大学電子科学研究所の中垣俊之氏。
 中垣氏は、単細胞生物から人間の行動を捉え直す「動物行動学」の研究を行っている。
00年、単細胞生物である粘菌が複数のエサ場をつなぐときに、①短い距離で、②外部の刺激にも耐えられ、③お互いに連絡がしやすい連絡効率の3つをバランス良く満たすことを発見した。
 中垣氏は言う。「〝単細胞〟はネガティブな意味で取られることがあるが、我々が考えているよりもずっと賢いことを示せた」

 イグ・ノーベル賞は一般の人にとって、多様な研究を知るきっかけにもなる。
大阪大学大学院人間科学研究科教授の西村剛氏は、ワニにヘリウムガスを吸わせてその声の出し方を調べたことで、20年にイグ・ノーベル賞を受賞した。
 普段はサルの研究を行っているが、ウィーン大学客員研究員だった際、手伝いとして参加した研究成果が認められ受賞した。
西村氏は「研究の世界は『何にお金を使っているのか』と思われることも多い中、研究内容を知ってもらういい機会になった」と話す。

▶︎話者の声を遅くして跳ね返し、話しにくい環境をつくる「スピーチ・ジャマー」
 なぜ日本人は連続してイグ・ノーベル賞を受賞できるのか。
12年、強制的に人が話す速さをコントロールできる機械「スピーチ・ジャマー」で同賞を受賞した津田塾大学学芸学部教授の栗原一貴氏はこう語る。

 「同賞の主宰者に『英国と日本は変わったことをする人を称賛する文化がある』と言われたことがある。
 日本人は本音と建前の『本音』の部分にも全力なため、ユニークな研究に対する抵抗感がないのではないか」

 日本人に希望を持たせる華やかな成績のイグ・ノーベル賞だが、今後も続くのか心配な面もある。
 文部科学省が発表する「科学技術指標2024」では、22年の研究開発費総額の対国内総生産(GDP)比は、日本は3.65%で米国を上回り、上位にいる。
 だが、例えば、04年に国立大学が法人化されて交付されることになった運営費交付金は、04年の1兆2415億円をピークに24年は1兆784億円と徐々に減少している。
 また、引用される回数の多い論文TOP1010%補正論文数)も20~22年の平均で世界第13位と、4位だった00~02年の平均と比べて下落している。

 東京大学大学院理学系研究科教授の合田圭介氏は「日本の研究現場では、科学技術研究費などで多くが競争的資金化していて、光熱費や場所代、技術職員などを保障するのに手いっぱいな状況だ。
 分野によっては、たとえ新しい発想が生まれても、+αで自由な発想を試す資金の余裕はないのではないか」と警鐘を鳴らす。

 「研究開発費の伸び悩みについて、内訳をみるとAIや再生医療など流行りの分野が重視され、基本原理を解明する『基礎研究』がどんどんおろそかになっている。目先の利益ばかりで、長い目で見た時に何も生まれなくなってしまう」(同)

▶︎日本の研究現場の実態 「選択」と「集中」の誤算
 「役に立つ」分野に対して、研究資金を集中させることも必要だが、行き過ぎは禁物だ。イグ・ノーベル賞受賞者からも懸念の声が上がる。
 西村氏は、「例えば、iPS細胞など『役に立つ』医療分野の研究が発展すると、生命倫理の問題が起こり、人文学的研究にも結びつく。
 今『役に立つ』とみなされる研究ばかりが優先されると、そうした分野の研究が必要な際に、対応する体力がなくなってしまうのではないか」と話す。

 東京大学先端科学技術研究センター先端研フェローの小泉英明氏もこう警鐘を鳴らす。
「かつてはどんな研究室にも最低限の研究費が配分され、すぐに結果が出なくても、長期間の研究ができていた。
 しかし、それでは『他国には勝てない』と、研究費の選択と集中が行われ、その結果、一部にはすでにMRI高磁場化や今の量子コンピューターなどのような流行りの技術を、高額の実験装置で後追いすることに注力するようになり、新しい発見を生み出す力が失われていった。

 日本では、1990年代以降、パッションのある人を見抜く研究者やマネジャーが減っている。このままでは、しかるべき立場の研究者の中に、自ら手を動かして研究をしてきた、目利き力がある人がいなくなってしまう可能性がある」

 研究成果は、結果だけではなく、その過程も大切だ。前出の栗原氏は「動物への『スピーチ・ジャマー』の効果を調べようとしたところ、使用している超音波が動物を振り向かせることに〝偶然〟気付き、その後、動物の視線を集める『アニマルキャッチャー』を作ることにつながった。
 本来の実験はうまくいかなくとも、思いがけない成果もある。私たち研究者はそれらを見える化して世の中に伝えることが重要で、社会全体では、思いがけない成果を受容していくことも必要なのではないか」

 中垣氏も同様の意見だ。「自分が『おもしろい』と思う研究を極めることも必要だが、その『おもしろさ』を誰かに伝えることも大切だ。
 社会にとって『役に立つ』ゴールが最適解とは限らないし、世間に何かを問いかけられるような別のゴールにたどり着いたりする。
 独りよがりにならず、絶えず社会と対話してすり合わせをしていき、別のゴールの必要性を考えていくことが重要になる」。

 イグ・ノーベル賞について、中垣氏は「どの研究もおもしろい。ただ、それは一般の人がイメージする科学技術や人類の『発展や進歩』に直結するものではないからこそ素晴らしい」と語る。
 また、冒頭で述べた通り、あくまでパロディーの位置づけで権威がないことも特徴の一つであり、肩肘張らずに楽しんで研究を知ってもらうことができる。
「イグ・ノーベル賞のような賞は他にはないユニークなものだ」と話す。

 小泉氏は、「イグ・ノーベル賞もノーベル賞も本質的には変わらないもの。本当に新しい発見をするためには、自由な感覚が必要だ。自分が興味のあることへの強烈なパッションがなければ感性は磨かれない。イグ・ノーベル賞はその感性を見抜く賞だともいえ、ときにパロディー以上の科学の本質が見えている」と話す。

 例えば、グラフェンの発見自体が「発見の本質」を示す好例だ。我々は鉛筆の原料であるグラファイトを使用して白紙に黒い文字を書いてきた。
 まさに世界中の人々が知らずにその恩恵に浴していたが、それがグラフェンという特殊な物質だと発見され、多くの研究者もその特殊性に気づいた。
 当たり前のように存在しているものを明確にするのが「発見の本質」だ。

 グラフェンの発見はアンドレ・ガイム氏が10年にノーベル賞を受賞しているが、彼は「カエルの磁気浮上」で、その10年前にイグ・ノーベル賞を受賞している。
 この「カエルの磁気浮上」は、病院で一般的に使われているMRIの原理につながっているのだ。

 また、長期の視点に立ち、優れたイノベーションを生み出すためには土台が重要だ。合田氏は「日本人は真面目で、学力も高く、発展できる土壌は備わっている。多様な研究ができる環境を整え、土台を強化していくべきではないか」と話す。

▶︎企業にも通ずる視点  長期の投資がカギ
 企業活動でも同様だろう。小泉氏の指摘する次の考えが参考になる。
「企業での研究も同じで、これまで『役に立たない』と思われてきた倫理などの問題をおろそかにしてきた会社は、今、そのツケにより危険な状態に陥っている。
 それは最近、ドイツの気鋭の哲学者、マルクス・ガブリエルによっても一つの倫理資本主義として指摘されている。
 目の前のことばかりを追い求めていては、バブル崩壊後の停滞からはどの企業も抜け出せない。将来方向にお手本があった時代には、日本特有の改良や改善が効率化に功を奏した。

 しかし、今のように先が見えない時代には、短期間で『役に立つ』ことばかりに注力せず、土台となる基礎部分から長期の目線で投資していくことが必要なのではないか。

 生成AIにしても、最近になってChatGPTが出現するまで多くの基礎研究があった。
価値に気付く前の芸術作品と同じように、数十年の下準備の期間中は、AIがこれほどのインパクトを与えることは考えられなかった。
 だが、大きな価値が誰の目にも見えたとたんに、世界の大企業が一斉に投資を始め、商品も多数世に出ることになった」

 今、研究開発に求められていることは、昭和の時代のキャッチアップ型モデルではなく、非連続的な進展や価値を生むものだろう。
 短期的な利益ばかりを求めず、長期の視点に立ち、将来の日本を見据えて、まずは土台を強化しなければならない。




💋蓮舫のあほう発言の悪影響が残る財政施策
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なぜ外国人労働者は犯罪を犯すのか?「ベトナム人を指導して気づいたこと」が話題「日本政府は肝心なことをわかってない」 2024/11

2024-11-29 01:30:53 | 気になる モノ・コト

なぜ外国人労働者は犯罪を犯すのか?「ベトナム人を指導して気づいたこと」が話題「日本政府は肝心なことをわかってない」
 まいどなニュース より 241128


 なぜ外国人労働者は犯罪に走るのか?「ベトナム人を指導して気づいたこと」が話題
近年、来日外国人による凶悪犯罪が急増している。

 警察庁の統計によると、令和4年における来日外国人による窃盗及び傷害・暴行の検挙件数の国籍別では、窃盗はベトナムが2620件(検挙人員770人)と最も多かったという。

 先日,「自分の後釜に入ったベトナム人を指導して、独り立ちさせようと奮闘しているなかで気付いたこと書くね。よく技能実習生とか留学生が途中で失踪して不法滞在して犯罪に手を染める理由が何となくわかった」という、新聞配達店で指導係をしていた、えどきた(@higonohirokun)さんの一連の投稿がX(旧Twitter)で大きな注目を集めた。

「新聞配達?簡単でしょ?」←日本語は表札でさえ複雑
<以下、えどきたさんのXの投稿より>

「今俺が指導してるのはN4レベル(N1がトップレベルなんで英検4級みたいなもんかと)で、翻訳アプリ使わんと小学生低学年か幼稚園年長さんくらいの会話しか出来ないベトナム人。
 生まれてからずっと家庭や園で日本語を見聞きしてる日本人の幼児の方が,むしろこの人よりも全然話が通じる」

「自分に置き換えて考えると、英検4級では、日本語が通じない・使えない海外で働こうとは思わんよね?せいぜいやっても、言語能力をあまり必要としない工場などの単純労働とかを選ぶよね。
 ところが仲介派遣業者がそのレベルの人を、『新聞配達?アホでもできるっしょ』って送り込んでくるわけよ」
「新聞配達と日本語がいかに難易度の高いものなのか、全く理解してない糞バカの極みの所業なんだけど、まずベトナムは漢字圏じゃない上に、母国語が海外では通じない独自言語なわけ。だから配達先の表札の漢字が読めずに文字の形で覚えるしかなく、しかもややこしいのが英語表記や、縦横バラバラ表記の表札が多いこと」
「日本語学校で学んだ日本語」を話す日本人はほぼいない。

⚫︎「日本語学校で学ぶ日本語」を話す日本人はほぼいない
「この時点でパニックなんだが、さらに日本語の独自性が追い打ちをかける」
「日本語は一つの言葉に色んな意味や言い方があって、日本語学校で習うような綺麗な主語、述語のついた日本語を話す人は実際にほとんどいないし、それに和製英語や方言が入れば何を言っているのかわからない状態になる」

「段々と適応出来ない外国人に対して、『何回同じことを言わせるんだ!』(と言ってる本人が無意識に毎回違う言葉や表現をしていることに気付いていない)って職場でいじめたり、毎日怒って怒鳴り散らしたりするようになるわけさ」

「そら仕事飛びたくなるって。んで生活出来なくなって、犯罪に手を染めちゃうって。新聞配達ですらこうなのだから、介護や飲食で働いている外国人に、日本人は多くを求め過ぎてしまってるわけよ」

⚫︎明らかに日本政府の愚策「そら逃げるわ」
「だから外国人をバンバン受け入れるとこうしたトラブルが毎日起こるわけで。明らかに愚策&何より現場の日本人のことを全く考えてないからやめた方がいい。どこの人手不足の職場でも、面接では簡単で楽だよと伝えつつも、クソブラックな環境で働かせるといった詐欺まがいなことしてるわけで。そら逃げるわってハナシ」

「どの職種でもそうですが、(技能実習生を受け入れる際は)N2以上の日本語能力(わからない日本語を日本語で調べることが出来る)を最低ラインにして欲しいところです。(日本政府は)こうした現実を踏まえて、問題解決に進んで欲しい」
<えどきたさんのXの投稿より抜粋>

⚫︎移民や外国人労働者が犯罪を犯す「原因」とは?
 えどきたさんの一連の投稿に対して、「外国人技能実習制度がどうして失敗したのかがよくわかる。外国人の条件ばかり考え、受け入れる日本人側の教育をおざなりにしてきたのが原因」といった、的確なリプライも寄せられた。

 投稿者のえどきたさん自身、世界旅や日本語教師の勉強をした経験を通して、外国人にとっての「日本語」の難しさを実感しているという。

「日本語の難解さを理解していない人材斡旋業者が、『単純労働だから誰でも出来るだろう』と、日本語能力の最低レベルに適していない外国人を仕事に派遣する、そして、受け入れる側も指導体制が出来てないまま、使い捨てのように外国人を扱う事実も多くあります。
 まずはそういった根本的な原因を解決することで、日本人も外国人もストレスなく働ける環境を作って欲しいと思っています」(えどきたさん)


⚫︎コンビニで働く外国人は日本語レベルが高い印象だ。
  その後、「後輩ベトナム人」は……?
 その後,ベトナム人後輩について、「一人で最初から最後まで配達することが出来ました。
本当に真面目でいい子なんで、日本語も仕事もどんどん出来るようになると思います」とXに投稿していた、えどきたさん。今もベトナム人の後輩は、元気にイキイキと働いているという。
「まだ翻訳アプリを使っても口頭でのやりとりが難しい状態で、課題はこれからたくさん出てくると思いますが、上司や同僚が毎日声がけをしたり、他店舗の先輩ベトナム人の方々など、皆でサポートして下さっているので大丈夫だと思います。僕が退職する時も笑顔で、今までの感謝を込めて、旅のお供にと果物をたくさんくれました」(えどきたさん)

 外国人労働者による犯罪やトラブルを防ぐためにも、技能実習生を斡旋する業者は、各人の日本語能力に適した業務をマッチングし、雇用側も支援体制を整えてから受け入れることが重要だ。

⚫︎日本政府が知るべき「現実」
 不法滞在や窃盗など、連日、外国人による犯罪のニュースが報じられている。
その現実について、「彼らは皆、最初は僕の後輩のように、純粋に日本で働きたいと、人生をかけて来日したのだと思います」と、えどきたさん。

「しかし、学校で習った日本語と現実の日本語が全く異なり、仕事もコミュニケーションもうまく取れなくなり、それが原因で職を失い、悪いブローカーに搾取されたりそそのかされたりして、犯罪に手を染めているのだと思います。
 外国人労働者が職場ガチャでその後の人生を左右されぬよう、斡旋業者は各人の日本語能力に適した業務をマッチングし、雇用側も支援体制をしっかり整えてから受け入れをしてほしいです。

 日本政府は肝心のそこが出来ていないのに、人口減少や人手不足分の頭数を合わせるために、移民や外国人労働者を安易に受け入れまくっている。
 それが原因でさまざまなトラブルが起き、外国人も指導係の日本人も、誰も幸せにならない現実があるということを、政府関係者にはぜひ知っていただきたいです」(えどきたさん)

◼︎えどきたさんのX(旧Twitter)アカウント
「技能実習生を受け入れる際は、わからない日本語を日本語で調べることが出来る『N2以上』の日本語能力を最低ラインにして欲しい。日本政府はこうした現実を踏まえて、問題解決に進んで欲しい」(えどきたさんのXの投稿より)

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・はやかわ リュウ)


💋行政の怠慢,無作為の典型例、実態調査を普通にしてない
 数合わせの愚! 政治屋も不勉強すぎ当選手法しか努力せず!
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iPS細胞の浮遊培養法開発 大量生産、コスト削減期待―理研と京大財団、カネカ 202411

2024-11-24 18:01:00 | 気になる モノ・コト

iPS細胞の浮遊培養法開発 大量生産、コスト削減期待―理研と京大財団、カネカ
 Jiji com より 241124  時事通信社


 ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)を実験容器内の培養液に浮遊させた状態で作り出し、性質を長期間維持したまま大量に増やす技術を開発したと、理化学研究所と京都大iPS細胞研究財団、大手化学企業カネカの研究チームが22日までに英科学誌イーライフに発表した。
 自動装置で大量生産し、コストを下げることが可能となり、再生医療への応用が進むと期待される。

 iPS細胞は皮膚や血液などの細胞に遺伝子群を導入して作り、神経や筋肉、さまざまな臓器の細胞に変えられる。
 現在は培養皿の底面に付着させて作り、増やす方法が標準的だが、大量生産が難しい。
一方、培養液に浮遊させた状態だと、ひとりでにさまざまな細胞に変わり始めてしまう問題があった。

 理研の林洋平チームリーダーらはこの問題を2種類の阻害剤で解決。血液の単核白血球に遺伝子群を導入してiPS細胞を作り、ゆっくり回転する実験容器内の培養液で増やした後、1個ずつ分離したり、凍結保存・解凍したりする技術を確立した。

 再生医療に使う際は、患者自身の細胞からiPS細胞を作り、必要な細胞に変えて患部に移植すれば、免疫拒絶反応が起きない。
 しかし、現状はコストが高過ぎるため、他人のiPS細胞をあらかじめストックしておき、ヒト白血球抗原(HLA)の型がある程度合う細胞を使って拒絶反応を起きにくくする方法が採られている。

 林リーダーは「浮遊法で大量培養できれば、(患者自身のiPS細胞を使う)自家細胞治療の実現に貢献できる」と話している。
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