日本人が知らない最先端の世界史/福井義高/祥伝社/2016
ヴェノナファイル、ヴァシリエフノートに加えて、アメリカの歴史学界の動向、歴史修正主義がどう扱われてきたか、汪兆銘政権秘話、いろいろと読みどころ満載の本である。
従って、近現代史に関心を持たれている方なら、読むべき一冊となるのであるが、著者はさらっと書く癖がある。ある人はこう言っていたこれに対し別の人がこう言っていたという感じで、物語風にまとめてしまう傾向がある。特に、肝心なところで史料の提示がないのが気になる。テーマ的には面白いネタが揃っているのだが、著者が語りたがった、歴史の虹は一体何なのか、あちこちに分散しているような気がするのである。
もう少し論理的に書いていただければ、もっと評価が上がる本ではないかと思う。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます