伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

絵画史料で歴史を読む

2008年08月25日 | 本・書評

最近読んだ本として、「絵画史料で歴史を読む」





なにやら堅苦しいタイトルだが、
前書きも堅苦しくて、何がなにやら、
ややこしくて良く分からない。
でも、本編は楽しく読める。
題材になっている絵巻や絵画自体が、見ていてとても楽しいのだ。


と言っても掲載されているのは文庫本だから
モノクロの小さい写真で、小さすぎて全然実感がない。

ぜひ本物か、大きな画集などで見たくなってくる。

それでも楽しいと思うのは、
「一遍聖絵」だとか、「吉備大臣入唐絵巻」などの、
絵巻のストーリーが面白いからだろう。


「吉備大臣…」のそれは、中国へ渡った吉備真備が、
現地の宮廷(?)でいじわるされたあげく、
囲碁対決で(負けたくないあまり)インチキをして碁石を飲み込み、
それを中国の官人たちが下剤を飲ませて
インチキの証拠の碁石をウ○コから探そうとする、
というストーリー展開が大笑いだ。


一番興味深いのが「熊野観心十界曼陀羅」を解説した部分で、
いろいろと面白いのだが、
私はこの実物のひとつを六道珍皇寺で見たことがあるような気がする。
もちろん博物館にでもお寺でも、
どこにでも行けばちゃんと見られるのだろうけれど。


最初にそれを見た時、
西洋の季節を現わした絵に似ていると思ったりした。

中世の、聖書の挿絵だったか、
「ベリー公のいとも華麗ななんとか」と言うタイトルの本だったと思う。
構図が良く似ているような気がした。
彩色が豊かなのと、
小さい人物が書き込んであるのとで連想したのかもしれない。


「熊野観心十界曼陀羅」、
タイトルこそ日本美術の常で、
むつかしい字が並んでいるが、内容は興味深い。

そこには人の一生と、死後の地獄の図が描かれている。

この絵は、戦国時代から江戸時代にかけて、
文字を読めない人に仏教の教えを伝えるために描かれた絵で、
比丘尼という女の人がこの絵を指し示して絵解きをしたという。

本の著者・黒田日出男は、
この比丘尼よろしく、我々に丁寧に絵解きをしてゆく。


文庫の絵では小さすぎるので、
「熊野観心十界」の本物をどうしても見たくなった。

ちょうど六道珍皇寺で夏の特別公開が行われているので、
行くことにした。

京都でも随一のマジカルなお寺だ。
「熊野観心…」を持つに相応しい。
というわけで続く



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