伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

東本願寺・御影堂門

2022年03月01日 | 京都の社寺と文化財
「京の冬の旅」で毎年開催されている
「非公開文化財特別公開」(1月8日~3月18日)で、

今年は東本願寺の御影堂門が特別公開しているというのを
京都ブログで知った。


他にも東福寺・三門や、大徳寺・聚光院、醍醐寺・三宝院など、
名だたる京都の文化財が公開されてるが、
お東さんは近所なので一番行きやすい。

手っ取り早く行ける所なので行くことにした。




事前予約優先だったが、予約している人はそんなに多くない。
だから予約なしでもすぐに入れた。

料金は800円、
西本願寺の書院などは以前は無料で公開していたこともあるので、
少し高い。





東本願寺の御影堂門(ごえいどうもん)が公開されるのは初めてだということだ。


明治時代の再建であるが(明治44年、110年前)、
2019年に重要文化財に指定されている。

木造楼門(二重門)と言うそうで、堂々と聳え立つ木造建築だ。





御影堂門の上に登れる日が来るとは思いもしなかった。

子供の頃からよく、あの巨大な門をくぐってお東さんの中へ入り、
境内で遊んでいた(!)が、あの門の上にスペースがあるとは思わなかった。


ものすごく急な階段があって、そこを登る。
あまりにも急だから怖くて、登っているうちに息も上がり(年寄りなので💦)、
上に辿り着けるのかを心配になってしまったほどだ。


何とか上(2階)に辿り着くと、そこで説明をしてくれていた。


2階の上層には釈迦三尊像が安置されていた。

釈迦如来と弥勒菩薩、阿難孫者という三像という変わった取り合わせ。
東本願寺はてっきり阿弥陀如来だと思っていた。

いつも見ていた御影堂門の上に、仏像が安置されているとは思いもしなかった。





東本願寺は(確か…)江戸時代の創建である…

説明によると、織田信長とは真宗は折り合いが悪く、戦をしていた。
それ以前は本願寺は京にはなくて、流浪していた。

豊臣秀吉の時代に、秀吉が今の堀川七条に土地を与え、
そこでやっと京に本願寺が出来た。

家康の時代に今度は烏丸七条の地を隠居していた教如に寄進し、
二つ目の本願寺(東本願寺)を作ることになった。

ここで西と東、本願寺が二つに分かれることになった。
家康が強大な勢力を持つ本願寺を分裂させたと言われている。




そんなわけでお東は家康の時代に立てられたが、
今まで4度再建されているという。


最後に焼失したのが幕末の蛤御門の変の時で、その時は京の町じゅうが燃えた。


明治時代になり、当時の門徒の努力で東本願寺は再建された。
現在のお東は、だから明治時代の建築である。


けれども
御影堂門も、御影堂も、阿弥陀堂も今では重要文化財に指定されている。
(阿弥陀堂門は今は修復中)

明治時代の再建とはいえ、これほど立派な木造建築群は滅多にないので
東本願寺の境内は壮観だと言える。



木造建築としては、御影堂(ごえいどう)はもっとも広大な面積を持つ
(千畳敷と言われている)。

御影堂門は、京都でもっとも高い木造の楼門であるという。
京都で最も高いということは、日本一ということだと、
説明の人は言っていた。





確かに御影堂門はものすごい高層建築である。
子供の頃から、あの巨大な門をくぐる時、
あまりの高さにどこがてっぺんなのか分からなかったくらいだ。


その巨大さは近くに寄ってみなければ分からない。
すべてが木造だというのもすごい。


私は近代建築も好きだけれども、木造建築はことのほか好きだ。
町にこういう木造建築が聳えているだけで、何となくほっこりする。

歩いていて、巨大木造建築を見るとなぜか、安心出来るのだ。








天井が真っ白で無粋な感じがしたが、明治に再建する時、
画家の竹内栖鳳に天井画を依頼していたそうだ。

様々な理由があって、それはとうとう実現しなかったというが、
今回の公開では写真で竹内栖鳳の天井画の下絵が展示されていた。


とても繊細な描線の天女が描かれており、
実現しなかったのが残念だった。

竹内栖鳳は東本願寺の前の噴水のデザインも手掛けた。



堂内は撮影禁止だったが、上からの眺めだけは撮影出来た。
網が貼ってあるので見にくいけれど

東西南北、


北を向くと烏丸通がまっすぐ、


西には広大な御影堂、



南は分かりにくいが、京都タワー。


カメラが壊れかけなので満足な写真が撮れなかった(>_<)のが残念…


料金は少し高かったが、
身近に思っていた御影堂門に上層があるとは知らなかったので、
何十年と見て来たあの門の上に登れてよい経験になった。



京都はキエフと姉妹都市だという。
…キエフは美しい都市。
美しいものは破壊しないでほしい…



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