年末の押し詰まった時期で慌ただしくて気が急くが、
少し気持ちを落ち着かせたいなどと思い、
「エミール・ガレ展」へ行って来た。
エミール・ガレといえばアール・ヌーヴォーの華。
繊細で美しいガラス工芸で有名だ。
今年はガレの没後120年の年だということで、
美術館「えき」KYOTOで展覧会が開かれたようだ。
美術館「えき」KYOTO
https://www.mistore.jp/store/kyoto/museum.html
https://www.mistore.jp/store/kyoto/museum/event_list/event02.html
没後120年 エミール・ガレ展 美しきガラスの世界
■会期:2024年11月22日(金)~12月25日(水) ※会期中無休
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ジェイアール伊勢丹の7階にある美術館えきKYOTOはそれほど広くないが、
ガレの花器やランプなど約70点が展示されていた。
美しいガラス工芸の数々にしばし目の保養をした。
館内はガラス器は撮影可能ということで、片っ端からいっぱい写した。
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19世紀から20世紀初頭にかけて、
ヨーロッパを席巻したアール・ヌーヴォーという芸術運動は美術だけでなく、
出版や工芸にまで波が広がった。
産業革命で工業化が進み、その中で芸術を模索する中、
ガレのように工芸家が工芸を芸術にまで高めた作家も登場した。
アール・ヌーヴォーの時代の空気まで感じ取れるガレの工芸品の数々を、
この展覧会でも堪能することが出来た。
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ガレの作品はアール・ヌーヴォーらしい曲線を用いた優美なラインが特徴だが、
モチーフに描かれるのは蝶やカマキリなど虫であったり、
アンモナイトなどの化石や貝殻であったり時に奇抜なものも多い。
ガラス花瓶の上にさらに別のガラスを吹き付け本体にくっつける技術で、
花器の周りに不純物が張り付いているかのような作品もあり、
まるで深海から引き上げた遺物のように見えるのであった。
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モチーフが奇抜であったりどぎつくても、
摺りガラスの質感のためとても優しげで儚げに見えたり、
ガラス器の曲線を強調した形状の優美さで、
優雅で美しく見えるのであった。
そしてとてもシックな色使いが上品で、
見ていると夢のようなガレの世界に誘われるのであった。
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よく見ると絵付けされているだけでなくガラスに様々な文様が彫られている。
それもとても小さいモチーフを細かく彫ってあり、
職人技の凄さを垣間見られるのであった。
花瓶だけでなく日常に使うワイングラスやデカンターなども作成した。
粋で繊細ながらも実用的なデザインは当時の人々に歓迎されたであろう。
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香水瓶のデザインもガレの重要な仕事だった。
どれも上品で美しく、欲しくなるものばかりだった。
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特に美しかったのはランプ群で、
会場の一角に設えられた暗くした部屋の中で浮かび上がるランプの数々は、
幻想的で美しかった。
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またガレは当時のヨーロッパで流行していたジャポニズムにも敏感であった。
ジャポニズムは異国の物珍しさと好奇心を掻き立て、
当時の人々に大いに受け入れられたのであった。
ガレのガラス器はジャポニズムを取り入れたものがとりわけ多い。
殆どがジャポニズムのモチーフを使っているのではないかと思うほどだ。
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ジャポニズムのエキゾチックな異国モチーフがガレの心を捉えたのだろう。
ガレは植物学者でもあったそうで、自然観察に長けていたため
昆虫や草花などの生き物を多くモチーフに取り入れた。
それがより一層、
ジャポニズム精神と共鳴する作品群を生み出したと言えそうだ。
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精緻な工芸に見とれるばかりの、
いっとき時間を忘れて過ごせた展覧会だった。
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