京都文化博物館で開かれている「大シルクロード展」へ行って来た。
あまり興味を引かれなかったが、招待券があったので行ったのだ。
そうしたら意外と面白かった。
気楽に見たからか、あんなものやあんなものが、と、
面白い展示品が沢山あった。
あまり深掘りして見ていなくて流し見のような感じだったが、
それがかえって余計面白いと感じたのかも。
京都文化博物館
https://www.bunpaku.or.jp/
日中平和友好条約45周年記念世界遺産 大シルクロード展
https://www.bunpaku.or.jp/exhi_special_post/20241123-20250202/
2024年11月23日(土・祝)~2025年2月2日(日)
東洋と西洋を結ぶシルクロードでは多くの人や物資が往来し、
文化が交流し、シルクロードの通る各要衝では交流の結果、
各地それぞれが影響を受けたとみられる多彩な文化が花開いた。
この狭い日本にいると想像もつかないような、
スケールの大きい文化交流があったのだと、
その壮大な成果に目を見張るばかりなのだった。
展示品は多岐にわたり、
紀元前200年前くらい?から8世紀~9世紀くらいまでの
文物を紹介していた。
すべて写真撮影がOKだった。
日本でいえば弥生時代から古墳時代、
奈良時代から平安時代ころであろう、
そんな時代にシルクロードの要衝では豊かな文明が育まれていたのだ。
メインビジュアルに選ばれている「象嵌瑪瑙杯(ぞうがんめのうはい)」は、
一級文物で作り込まれた均整の取れた形の金の杯に
瑪瑙が嵌め込まれた美しい造形で特に目を惹いた。
新疆ウイグル自治区で出土した5~7世紀の作品だそうだ。
男子坐像は紀元前5世紀から3世紀くらいの作品だそうで、
展示品の中でも最も古いものだ。
が、人の姿の造形は騎馬遊牧民族を表した、優れた写実性を見せている。
これも新疆ウイグル自治区で出土したものだという。
女性用の靴は1~5世紀のもので驚くほど色彩が鮮やかに残っている。
皮と絹で出来ていて保存状態の良さに驚かされた。
このような出土品は墓の副葬品らしい。
そのため良好な保存状態を保っていたようだ。
奇抜な形の帽子もあったりして、
エキゾチックなシルクロード感が良く出ていた。
金貨や銀貨も展示されていたが、東ローマ帝国のものがあり、
当時の広範な流通経路をしのばせるもので、
いかにもシルクロードの文物という感じだった。
7世紀ころの碁盤も展示。
このように数え切れないほどの珍しい文物が展示されていて、
写真に撮るのはきりがなかった。
いつもの展覧会と趣きが違い、
変わった珍しい展示物ばかりで面白く感じた。
奏楽女子俑は5世紀の陶製で彩色もされていて
琴を弾く女性をリアルに表現している。
この展覧会のハイライトの一つが「車馬儀仗隊」だろう。
そのスケールの大きさに写真に全貌が収められないほどだった。
後漢1-3世紀ころ唐の時代のもので青銅製、
墳墓からの出土品だそうだからこれらも副葬品だったのだろう。
整列した馬の列に圧倒された。
シルクロードらしい駱駝の俑も。陶製、彩色が鮮やかでリアルだ。
円鏡も沢山展示されていたが、
2-3世紀の古代鏡から8世紀に鋳造されたものまであった。
日本の古墳時代を彷彿させる円鏡は、
日本もシルクロードや古代中国の影響下にあったことを示していた。
俑(よう)と言われる陶製に彩色され、
副葬品として墓に埋められた人物や動物像も多数展示されていた。
7-8世紀ころの唐で作られたものでリアルさと誇張された部分もある、
すぐれた造形と色彩感覚があって目を見張った。
最後の部屋には仏像群が展示されていた。
すべて石像で、石に彫刻されたものである。
馬頭観音坐像は石像とは思えないほど見事な彫刻で、
大理石像だそうだ。細かな彫刻がとても美しい。
菩薩像頭部は、
シルクロード展らしいエキゾチックな顔立ちの仏像頭部で、
眠っているような穏やかな顔つきが、
日本のそれとはまったく違う顔立ちで興味深かった。
双思惟像は6世紀の北斉の石彫で、
中国ではこのような2体を相似形に並べて彫る像が流行したそうだ。
日本では見られない変わった像だった。
頭部の欠けた仏像は、古代西洋の大理石像を思わせるほど、
頭部が無くとも繊細で美しい造形にしばし見惚れたのであった。
菩薩坐像はウエストが極端に細い造形が珍しく、
ふくよかな顔立ちで、衣装のドレープが美しい。
石彫でこれだけの表現が出来ていることに驚嘆した。
展示室を出た2階の踊り場には剥製の駱駝が特別に展示されていた。
駱駝を使用してシルクロードを旅し、
交流を深めたかつての遊牧民を偲ばせるような巨大な展示だった。
写真に収めた以外にももっとたくさんの展示品があり、
その数200点に及ぶ。
始めはあまり乗り気でない展覧会だったが、
見ているうちに珍しいものばかりだったので面白く鑑賞することが出来た。
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