NHK Eテレで放送された「ザ・バックヤード 国立国会図書館」を
録画しておいたのを、やっと見た。
放送日は1月31日だった。
これはすごく面白かった。
「ザ・バックヤード」という番組は博物館や図書館、水族館などの裏側、
通常、公開されていないバックヤードにカメラが入り、
そこでの様々な活動を紹介する番組だ。
ザ・バックヤード 知の迷宮の裏側探訪
「本当の“知”は、裏にかくされている」ようこそ奥深いウラの世界へ!
https://www.nhk.jp/p/ts/17NP738N5R/episode/te/JM7R7JGZ26/
国立国会図書館
初回放送日: 2024年1月31日
ここは毎朝、大量の本が届く、蔵書数日本一の図書館。
どうして日本中の本が集まる?どうやって整理する?
その秘密を裏側で探ると、出版物をめぐる驚きの発見が!!

説明にあるとおり国立国会図書館には毎日、
日本で発売されている本の殆ど、というよりすべての本が届くそうだ。
蔵書数日本一、約4,700万点を所有し、
日本中の出版物が集まるという。
国会議事堂の隣りにある。
1948年以降の日本で発行されたすべての出版物を収集している、と…
気の遠くなる数だ。
国立国会図書館法というのがあり、
日本国内の全ての出版物について、
国立国会図書館に納める義務が出版社などにあると定められているらしいのだ。
単行本だけでなく、雑誌や週刊誌まで届いていたから、
1日だけでも膨大な数量になる。
本、新聞、雑誌、地図、CD、DVDなどが対象だからだ。
1日およそ3,000点が届くという。1年で約80万点。
どこにそれだけのものを保管する場所があるのだろうと思っていると、
図書館は地下8階まであり、そこがすべて書庫なのだ。
そこに所狭しとびっしりとあらゆる本が収蔵されていた。
東西約135m、南北約43m、約1800坪という広大さ。
室内の温度と湿度も資料の保存のため
年間を通じて同一温度、一定湿度に調整しているという徹底ぶりだ。
地下に保存している理由は地上より地震などによる揺れが少ないからだそうだ。
確かに理由を知るとなるほどと思う。
資料を守るため、徹底管理がされているのだ。
本が主役だから水漏れを防ぐため、トイレがないなどの事実は面白かった。
水分も持ち込み禁止など、厳しい制限がある。
すべては本を守るため。
そして、なんと女性週刊誌の「女性自身」が
ずらりと所蔵されていたのは驚いた。
古い、昭和時代の女性自身から保存されていたのだ。
継続して収集することによって時代の証を残す、ということなのだろうか。
紹介されていた初期の女性自身は上品だった。
まるでファッション誌のようで、外国人女性のスーツ姿が表紙である。
それのみで、文字は殆どない。
上品な表紙だった。今と大違いである。
どうして今はあんなに下品で煽るような、無駄に大袈裟な、
わざと誤解させるような見出しばかりの表紙になったのだろう。
そして身震いしたのはそんなゴシップ週刊誌が、
国立国会図書館に毎週、収蔵されてしまうという事実だった。
時代の証、とはいえ、
出鱈目な煽り文句で溢れているゴシップ誌が未来へと継がれてゆくなんて。
そうしたら、羽生結弦の嘘ばかりを並べ立てた週刊誌も保存されているのだ。
それを思うとぞっとした。
いや、令和の時代はそのような
軽薄なゴシップで溢れていたという証が残るのだろうか。
雑誌「ムー」が収蔵されているのを紹介していたが、
確かにUFOブームやオカルトブームだったあの時代を反映しているとは言えるし、
明治時代の雑誌に掲載されている芸者さんのグラビア写真などは、
芸者さんがアイドルのような存在だったことが分かる…。
国立国会図書館は東京の本館だけでなく、
京都に関西館があるというのは初めて知った。
膨大に増え続ける資料を保管するためには、本館だけでは足りないのだろう。
そこには本だけでなく、博士論文も所蔵していると紹介されていた。
思わず、手塚治虫の博士論文もあるのかな?と思っていると、
ちょうどその時、これが手塚治虫の博士論文ですと紹介していた。
湯川秀樹の論文も所蔵しているという。
手塚の論文が国立国会図書館に納められていると知って、
うれしくなった。
知の財産を継承することが国立国会図書館の役割なのだと。
そのために近年ではデジタル化を進めている。
現在、約365万点のデジタル化作業が完了したという。
デジタル化すれば資料の劣化が防げ、インターネットで閲覧も出来る。
資料の保存と活用のため、日々作業を行っている。
資料を残し、次世代に伝える、
それが国立国会図書館の役割と使命だ。
なおさら、あのクズのようなゴシップ週刊誌を残すことにも
何か意味があるのかも、と思った。

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