写真は、プラド美術館の建物である。
プラド美術館と言えば、ルーブル美術館(仏)、大英博物館(英)、
メトロポリタン美術館(米)、エルミタージュ美術館(露)などと
並ぶ世界第一級の大美術館で、3000点を超える絵画が展示され
ているのである。
私は、その中のエルミタージュ美術館へはまだ行ったことがない。
大英博物館やルーブル美術館のように盗品や略奪品が展示されてい
るのと違い、スペイン人が自慢しているように、このプラド美術館
にはそのような展示品は一切無い。
そう言えば、大英博物館の場合入場料は無料だった。
それでも、表玄関を入ると真正面に大きな寄進箱が置いてあって、
見学者に適当な寄進を募るあたり、中々の運営のうまさを感じた。
さて、その入場料無料の話だが、それはそうだろう。
大英帝国時代に勝手に世界の略奪品や遺跡に残された貴重な
遺品を没収して自国の博物館に展示されているからだ。昔の大
国は自由にそういうことを平気でやれたようだ。
かなり前の話だが、私が、エジプト・ルクソールの王墓や、ギリ
シャ・アテネの神殿跡を見学した時、ガイドがよく建造物の大事な
一部の大理石の石柱などは大英博物館に展示されているのだ、と、
よく説明されていたことを今でも思い出す。
また、元に戻るが、このプラド美術館には3000点もの絵画が展示さ
れているのだが、特にエルグレコ、ベラスケス、ゴヤの三本柱がス
ペイン系の画家の作品として有名である。
ちょっと、これら3画家の作品にふれて見たい。
1.エルグレコ:
中世絵画の巨匠、エル・グレコの未発表の作品が今頃発見
され、話題になり12月に競売にかけられる、
というが、最低応札価格が60万ポンド(約1億1800万円)と
いうから恐れ入る。
油絵で描かれたこの題名は「The Baptism of Christ」
(キリストの洗礼)という。
一般的に、彼の代表作品は、「聖三位一体」、「受胎告知」、
「羊飼いの礼拝」などがある。
私は2番目の「受胎告知」の作品の
夢幻的な描画が好きで、昔の教科書にも載っていたことを覚えている。
2.ベラスケス:
17世紀スペイン・バロック期に最も活躍した宮廷画家。ベラスケス
は国王一家を始め、多くの宮廷人、知識人を描いた肖像画家としても
有名である。
3.ゴヤ:
カルロス4世に任命された宮廷画家(1746~1828)。
ゴヤの代表作品で有名なのは、なんと言っても「裸のマハ」
「着衣のマハ」だと思う。
しかし、この二枚の「マハ」は、何のために描かれたものか
不明、だそうだ。
プラド美術館の前にはゴヤの銅像があり、そのゴヤの足元の台座は高
すぎて、通る人の視線も注目も集めることはないが、よく見ると、その
台座には「裸のマハ」が横たわっていたのは印象的だった。
今日はここまで…。