FHD-ATVでの「アンテナの方向合わせ」と「映像交信成功判断レベル」について、
今までの経験から、上手に方向合わせする方法等ついて纏めて見ました。
面倒でも、この様に完全に方向合わせをしないと、映像で繋がる筈の場所と繋がら
ない事が結構出ます。
まず、当方はFMでの方向合わせには通常 アナログSメーターの IC-1275 を使います。
パラボラアンテナの方向合わせ方法 等の一例
1.方向合わせにはできるだけ「アナログ S メーター付き無線機」を準備しましょう。
2.FMでの交信で最良の方向を探るのですが、Sメーターが振り切れて調整できない
状態となるでしょう。
3.次に RF-Gain 調整付き無線機 の場合は、Gainを最小にしてレベルを落とします。
それでも Sメーター は振り切れるでしょう。
(IC-1275の場合、RF-Gain を絞れば 約40dB落とせます)
** なお、RF-Gain を落とした時、Sメーターが右(9+方向)に振れる様な
無線機では、この調整はできません。
4.更に IF接続に「アンテナ切替器(第一電波:CX210N)等」を入れ、IFを切り離す
方に「ゆっくり」回す。(CX210Nの場合、完全に切り離せば、約40dB落とせます)
5.Sメーターが半分以下になる程度まで「ゆっくり」回して、再度方向調整をして、
更に絞り加減の調整をしながら方向を微調整する。
6.この受信での自局のアンテナ方向調整を完了した後、CX210Nを戻し(接続)送信
して、相手方にも同じ様に調整してもらう。
7.もし相手局が RF-Gain 調整 を装備していない無線機使用の場合は、相手局が受信時
その無線機の IF コネクター を緩めてもらい、ほぼ抜ける程度まで抜きながら、
Sメーターが振り切れない状態まで抜いて行き、そのポジションを維持しながら、
方向調整をしてもらう。
8.相手局のアンテナ方向が合ったら、再度コネクターをきっちり締めて送って貰い、
再度方向を確認する。
9. 相手局にも同じ様に調整してもらい、完全に調整出来たら、ISDB-T設備に乗せ換える。
相手局がこの様な調整が出来ない場合は、相手局に送信してもらいながら別の周波数
等で、自分の受信強度等を言葉で伝えながら、相手にアンテナを振って頂き最良点に
調整する。
FHD-ATV 交信成功の 判断レベル
1.RF-Gain を絞り切り、更にアンテナ切替器で切り離した場合でも、相手局のFM信号が
M5で受信できる環境であれば、FHD-ATVもほぼ映ると判断できます!
但し、相手局のFMが1W程度出ている場合の判断基準で、ISDB-T出力も100mW程度
以上の場合です。
2.逆に「RF-Gain 最小+CX210N切り離し状態」で消えてしまうほどの信号では、ISDB-T
は映らないでしょうから、再度の方向調整等が必要となるでしょう。
3.再度の方向調整では、思い切って30度から60度程振ってレベルを確認すると、案外
大きな方向間違いがある事に気が付く事も有ります!
6年近くで3桁に及ぶFHD-ATV運用から、これらの方向調整及び受信レベル判断で、殆ど
交信可否の判断が出来て、結果もほぼ合っていました。
また、スペアナを見ながらでの方向調整も可能ですが、細かい調整はやはりアナログ
メーターにかないません!
同じく、IC-9700の様な「デジタルSメーター」も合わせにくいのであまり使いません。
大きなパラボラアンテナを使った場合は、たとえ100km程度のスパンでもサイドローブ等
での方向に合わせている場合が有りますので、時間はかかりますがこれらの調整を行う
事が、交信成功への近道と考えて貰う事が良いでしょう!!