県病編
初めての入院日記
2020/02/12 大部屋
はじめに
本来なら大所高所で会社の進路を見極めながら舵取りを託す後継を育てておかなければいけない事はもちろんよくわかっている。しかし現場での深刻な人手不足、人材不足が原因で廃業となる事は避けたい。この二年近く現場復帰する事で業績悪化は防ぐことができた。このペースで今期は経営安定化ランディングを見据えて5年計画をスタートさせようと思っていた矢先…なぜこのタイミングなのか?自分が撒いた種なので痛い思いをするのは構わない。しかしこの事によって家族、社員に少なからず負担が増す事が辛い。「人間万事塞翁が馬」と言うが今回の入院によって何がもたらされるのか…反省と自戒からふたたび立ち上がるまでを記録していく。
2020/02/12 大部屋
おそらくいつかはそうなるであろうと思っていた入院生活が突然始まった。救急治療室からストレッチャーで手際良くというか手順通りに病室へ運ばれる。そしてそこからは余程の重症患者でもなければ他の患者と同様な入院生活がスタートする。まずは1日のほとんどを過ごす事になる…当分身動きの取れない自分は終日過ごす大部屋での共同生活が始まる。すでに何日か前に入院した先輩患者に対して新米の俺はやはり控え目にしなければならない。もちろん当然向こうも警戒している訳だし不安を増長させるのはお互いにとって好ましくない。だからといってあまり調子に乗らせて営業トークをかけられても面倒くさいのでほどほどの距離を保つ様にする。
入退院が目まぐるしい総合病院のため患者数とくに性別に応じて部屋割りをコントロールしている様ですでに2回の引越しをした。最初の部屋の患者は糖尿病を患っている様でこれまで数度の手術と入院を繰り返しているとの事だった。今回は以前治療した膝の状況が思わしくない様で再手術のための手術(というのがある事に驚き‼︎)をして入院中だという事だ。もともと違う病院で治療したのだがその主治医がここに移動したという事で、多くの患者にとって病院選びのポイントはやはり腕のいい医師なのだ。
さすがに先輩患者らしく看護師達もいま彼が何を求めているのか把握されているようで羨ましい。ただ身動き取れない自分にとって相手の行動がカーテン越しに聞こえてくる情報以外に何もない。悩ましかったのが時々聞こえてくる何かを嚙る音…夜の夜中でも「カリカリコリコリ」と何か硬いもの、例えば鳥の軟骨を嚙る様な音が聞こえてくる。場所が場所だけにまさしく骨を嚙っているのか?と思うと眠れなくなってしまう。幸い先輩患者は翌日退院という事で俺は病室移動となった。
今回の病室には二人の先輩患者がいる。正面のベッドには手足痺れの原因と思われる脊椎ヘルニアの手術治療した患者がリハビリしながら退院を待っている。隣はこれも神経系からくる腕が上がらない症状の先輩患者がすでに数ヶ月入院治療中だという。これからは後輩となる患者が入院してくるので先輩としていい手本(?)になろうと思う。
ところで…
ウィルス感染症患者受け入れ指定病院となったらしい。いましきりに騒がれているが、完全に保護もしくは隔離する手段が徹底されなければ結果的に感染者を増やす事になる。どうやら発症者の多くは抵抗力の落ちた老人と追われている。まさしく今の俺の状態?
初めての入院日記
2020/02/12 大部屋
はじめに
本来なら大所高所で会社の進路を見極めながら舵取りを託す後継を育てておかなければいけない事はもちろんよくわかっている。しかし現場での深刻な人手不足、人材不足が原因で廃業となる事は避けたい。この二年近く現場復帰する事で業績悪化は防ぐことができた。このペースで今期は経営安定化ランディングを見据えて5年計画をスタートさせようと思っていた矢先…なぜこのタイミングなのか?自分が撒いた種なので痛い思いをするのは構わない。しかしこの事によって家族、社員に少なからず負担が増す事が辛い。「人間万事塞翁が馬」と言うが今回の入院によって何がもたらされるのか…反省と自戒からふたたび立ち上がるまでを記録していく。
2020/02/12 大部屋
おそらくいつかはそうなるであろうと思っていた入院生活が突然始まった。救急治療室からストレッチャーで手際良くというか手順通りに病室へ運ばれる。そしてそこからは余程の重症患者でもなければ他の患者と同様な入院生活がスタートする。まずは1日のほとんどを過ごす事になる…当分身動きの取れない自分は終日過ごす大部屋での共同生活が始まる。すでに何日か前に入院した先輩患者に対して新米の俺はやはり控え目にしなければならない。もちろん当然向こうも警戒している訳だし不安を増長させるのはお互いにとって好ましくない。だからといってあまり調子に乗らせて営業トークをかけられても面倒くさいのでほどほどの距離を保つ様にする。
入退院が目まぐるしい総合病院のため患者数とくに性別に応じて部屋割りをコントロールしている様ですでに2回の引越しをした。最初の部屋の患者は糖尿病を患っている様でこれまで数度の手術と入院を繰り返しているとの事だった。今回は以前治療した膝の状況が思わしくない様で再手術のための手術(というのがある事に驚き‼︎)をして入院中だという事だ。もともと違う病院で治療したのだがその主治医がここに移動したという事で、多くの患者にとって病院選びのポイントはやはり腕のいい医師なのだ。
さすがに先輩患者らしく看護師達もいま彼が何を求めているのか把握されているようで羨ましい。ただ身動き取れない自分にとって相手の行動がカーテン越しに聞こえてくる情報以外に何もない。悩ましかったのが時々聞こえてくる何かを嚙る音…夜の夜中でも「カリカリコリコリ」と何か硬いもの、例えば鳥の軟骨を嚙る様な音が聞こえてくる。場所が場所だけにまさしく骨を嚙っているのか?と思うと眠れなくなってしまう。幸い先輩患者は翌日退院という事で俺は病室移動となった。
今回の病室には二人の先輩患者がいる。正面のベッドには手足痺れの原因と思われる脊椎ヘルニアの手術治療した患者がリハビリしながら退院を待っている。隣はこれも神経系からくる腕が上がらない症状の先輩患者がすでに数ヶ月入院治療中だという。これからは後輩となる患者が入院してくるので先輩としていい手本(?)になろうと思う。
ところで…
ウィルス感染症患者受け入れ指定病院となったらしい。いましきりに騒がれているが、完全に保護もしくは隔離する手段が徹底されなければ結果的に感染者を増やす事になる。どうやら発症者の多くは抵抗力の落ちた老人と追われている。まさしく今の俺の状態?