古いパソコンを処分しようとHDD内にあるファイルを整理していたら、2008年に1kW免許を取ったときに某ハムクラブの会報に寄稿した記事が発掘されました。
10年以上前の話ですので、今とは状況が違うことも多いと思いますが、自分自身の備忘録として、またこれから1kW免許にチャレンジしようと思う方の参考になればと思い転載します。 以下、記事の転載となります。
前編はこちら
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2008年9月5日 変更許可通知届く
電話でフォローしたおかげだと思われます。
封筒に入っていた書類は思ったほど多くは無く、「変更許可通知書」以外には「今後の手続きの流れ説明書」、「試験電波発射届け例」、「TVIの調査表の作成例」でした。
TVI調査表は作成要領見本で、これを参考に自分で適当に作るようです。
てっきり専用の調査用紙があると思っていたのですが、これならもっと事前に調査を開始しておけば良かったかな。
2008年9月27日 TVI調査 その1
予備免許が下りて、既に3週間が過ぎていましたが、いろいろ忙しくて落ち着いてシャックの整備が出来ず時間が経ってしまいました。
ようやくこれなら電波を出してもいいかな、っていう状況になったので調査を開始しました。
kW検査の最大の関門である、いわゆる「スタンプラリー」です。
調査対象の半径50m以内には他家が12軒あるのですが、今日はそのうち8軒の調査を行うことが出来ました。
結果、6軒はTVI無しで無事判子をもらうことが出来ましたが、残り2軒のうち1軒はリニアを入れると激しいTVIが出て対策要。
もう1軒は障害はありませんでしたが、署名・判子の類は押したくない、と言われてしまいました。
調査前はこういうお宅が多いのかと思いましたが、意外にもほとんどのお宅ですんなり判子を押してもらえ、これは楽勝と思い始めていた矢先だったので、少々凹みました。
まあ、もらえないものは仕方がないので、その旨、総通には話そうと思います。
残り4軒は、留守で調査が出来ませんでした。
さぁーて、TVIの出ている1軒はどう対策しようかな。
何度も家にお邪魔するわけにはいかず、一発で対策しないといけないっていうプレッシャがあります。
2008年10月4日 TVI調査 その2
うちの近所の大半の家は豊川市の本宮山中継所の電波をUHFで見ているのですが、そこの家は、VHFで名古屋の電波を拾っていました。
またアンテナも古い8素子程度のもので、見た目もやばそうなアンテナです。
そんなわけで、フィルター類で対応するよりアンテナをUHFに交換することにしました。
もちろん費用は私持ちですが、先方もアンテナが新品になってTVの映りもよくなる、と言ったら交換を快承してもらえました。
早速、楽天でマスプロの20素子を注文しました。
5000円也。 これで障害がなくなれば安い物です。
先日調査のできなかった4軒も無事調査を完了し、判子をいただくことができました。
2008年10月11日 TVアンテナ工事
この家は2段屋根になっており、アンテナ工事素人の私でも 簡単に屋根に上がることが出来ました。
屋根に上がってみると、かなり古いアンテナでネジもサビついており数十年は経っている感じがしました。
TVブースターも案の定、ゲインが最大になっており、また端子も緑青が浮いている状態です。
単にUHF受信にしただけで本当にTVIがなくなるのか不安になりましたがとりあえず取付工事を開始しました。
途中、ラジエターを留めるネジを屋根から落としてしまい、住人の奥様を巻き込んで、植え込みの大捜索大会を行うというハプニングもありましたが、なんとか工事完了。
受信ブースターのゲインも控え目にVRを半分の位置にしておきました。
あとは、TVのUHFのチャンネル設定です。
幸い、テレビの取り説をちゃんと保管されていたため、それを見ながらCH設定も難なく完了。
一旦、自宅に戻ってTVIの出ていた18MHzで、VVVのリピート送信に設定し、急いで向かいの家に戻り、TVIチェックを行うと、全チャンネルまったくTVIは出ませんでした。 やったぜ!
おまけに、奥様には、「今までよりTVがきれいに映ってうれしいわ」と喜ばれ、 私も調査票に判子がもらえてニコニコ。
これで半径50m以内の家、全12軒中11軒の判子をゲットしました。
1軒は判子拒否の家なので実質完了です。
早速、落成届けを出すことにします。
なお、判子が頂けなかったお宅については、調査票の備考欄にその旨を記載しました。
2008年10月16日 Xデー決まる
まだ中1日しか経っていませんが、なんと今朝、早速、携帯に総通の担当者よりTELがありました。
「来週21日の火曜日なら検査が出来ますが、ご都合はいかがですか?」
もちろん即答でOKしましたぁ。 しかし確か近隣のTVI検査もするはず。
近所のお宅の都合もあるので、当日はどのお宅に調査に行くつもりなのか尋ねたところ、「すでにTVIの調査をやられていますので、当日はお宅のTVをチェックするだけで結構です。」とのこと。
しかし、こんなに早く検査が受けられるとはなんとラッキーな。
落成届け提出から1週間で検査なんて点検業者に頼むより早いです。
もちろん、総通じきじきですから運良く合格すればその場で免許状がもらえるはずです。
と言うわけで、早ければ年内じゃなくて1週間後には1kw免許になりそうです。
うーん、緊張してきました。
2008年10月21日 検査当日
検査は午後1時からですが、1日有給休暇を取って準備万端としました。
検査官は名古屋からJRで最寄りの駅まで来て、駅からも名鉄バスで来ることになっています。
ドキドキしながら1時を待ちました。
予定の時刻を少し過ぎた頃インターフォンが鳴り、検査官が到着です。
検査官N氏は書類の入ったアタッシュケースとバード社のパワー計を持って一人でやってきました。
挨拶もそこそこに早速検査が始まりました。
まずはパワーのチェックです。
N氏持参のバードをPW1につなぎ7MHzから順にパワーを出すように指示されました。
事前に自分のパワー計で測ったときは1000Wをちょっと超えるくらいだったのですが、バードではどのバンドも980W程度でした。
もちろんOKです。
次はTVIの検査です。
近所の家のチェックは事前のTVI調査がちゃんと行われているからということで省略。
自宅リビングの42型プラズマTVでのチェックとなりました。
うちは既に地デジになっているのでもちろん全くTVIはありません。
これも難なくクリア。山場は越えた感じがしました。
最後は実通検査です。
「好きなバンド、好きなモードでどなたかと交信してください」との指示でしたので、SSBでは緊張するといけないので7MHzCWでCQを出していた茨城の局を呼びました。
簡単にレポート交換をしてあっさりQSO終了。
検査官の「OKです」の声にホッとしました。
なんかあっけないくらい簡単ですが、これで検査は終わりです。
検査官が無線検査簿に検査結果を記入し始めました。
結果はもちろん指示事項無しの「合格」です。
最後に「1kW」と記載された新しい局面を受け取りました。
その後、しばし検査官と談笑しましたが、最近は、団塊の世代が定年を迎え、定年後の楽しみとして無線を再開しハイパワーの検査を受ける人が多くなったそうです。
そのためN氏も毎週のように各地を検査に飛び回っているそうです。
終わりに
当初、住宅街でkWを出すということに対し、かなりのハードルの高さを感じましたが思ったよりスムーズに事が進みました。
しかし、検査官も言われていましたが、一番重要なのはご近所とのコミュニケーションだと痛感しています。
今後もインターフェアに注意しながら、無線を楽しんで行きたいと思っています。
また、今回200Wに甘んじた残りのバンドのアンテナを整備し、最終的にはオールバンドkW免許を目指したいと思っています。
それでは、皆さん FB DXを!
****************** 2008年12月記 ******************