こどもの頃『人の3倍努力したら必ず勝てる、一番になれる』と言われた経験はありませんか。実は『根性論』でも『精神論』でもありません。理にかなった教えだったのです。
【写真:3アマ的運用は、右の『弱者の戦略』を選択します】
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◆射程距離理論=3:1の原理
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広告屋視点で書きますね。
ランチェスター戦略モデル式から導き出される、
重要な概念のひとつに【射程距離理論=3:1の原理】があります。
ランチェスターシェア戦略、市場占有率より、
上限目標値=73.9%と下限目標値=26.1%の和(合計)は100%。
ということは2者間の競争において戦いは決着します。
つまり、ランチェスターシェア戦略では、敵味方の力の差が、
・上限目標値=73.9%と、
・下限目標値=26.1%の比=3:1になると、
逆転が困難です。
したがって強者は、
敵との市場占有率比を【射程距離】である3倍以上にしてしまえば、
2位以降の追随を許さない鉄壁な状態となるわけです。
ランチェスターシェア戦略【射程距離理論】では、
以下の二つの状況で使い分けます。
・局地戦=単品での顧客シェア、細分化された市場シェアでは【3倍】
・広域戦=全品目でのシェア、全域シェア、全国シェアでは【1.7倍】
(√3・・・ルート3倍)
つまり、競合に対して局地戦では3倍のシェアを目標にし、
広域戦では1.7倍のシェアを目標にすることになります。
広域戦での射程距離は、
自社を100とした場合、
追いつける上位企業は170まで。
それ以上の差が開いたら追いつけないので、
結論は、追わない、あきらめるということです。
ランチェスターシェア戦略での『射程距離』の理論は、
別名『三一(さんいち)』理論とも呼ばれています。
これは、敵の3倍の兵力数・攻撃量で戦えば、
必ず勝てるということを、意味します。
下の表は、太平洋戦争で日米間の兵力を比較してみました。
見事に、1:3で米軍が圧倒的に兵力を残しました。
広告屋視点で言えば、例えば営業活動だとであれば、
一点集中で一つの会社に競合の3倍の訪問をすれば、
武器効率(質)が少し劣っていても勝てるということです。
前置きが長くなりました。
アマチュア無線は『趣味』ですから『趣を味わう』という『余裕』も大事です。
せっかく資格まで取って、高額な無線機やアンテナを揃えて、
周囲の雰囲気にのまれて『やがて飽きる』のはもったいないですね。
根気がいる趣味かも知れませんが、根気も苦にならないのが趣味でしょう。
私は『長く続けていくため』に『ランチェスター』を採用していることを、
この時点で書かないと『本当にアマチュア無線は廃れる』と危惧しています。
とにかく『楽しみながら、続けていくのが本当に大事』なのです。
アマチュア無線で『シェア(市場)』は何に置き換えるといいでしょうか。
市場(シェア)は、仮に『エンティティ数』としましょう。
340のエンティティがありますが、
オナーロールを目指すとなれば、
一般には『第一級の資格』と『1kW』が必要ですね。
5-BandのDXCCにしても『3.5MHz帯』がネックだと思います。
少なくとも200Wで『まともなアンテナ』が必須です。
初期費用で100万円の局と300万円かけられる局では、
スタートの位置が違いすぎます。
広大な敷地も必要ですし、
80mBのλ/4でも20m必要です。
すなわち、最低でも給電点の地上高が20m必要になってきます。
こうした『物理的条件』から、私はDXCCに重きを置いていません。
そもそも『住宅密集地の長屋の住民』が、
給電点地上高20mを確保するとなれば『タワー』が必要です。
こんな『近所迷惑』をかけてまで、道楽できる環境にはありませんね。
340エンティティに掛け算をしてみました。
・上限目標値=73.9%×340エンティティ≒251エンティティ
・下限目標値=26.1%×340エンティティ≒88エンティティ
・安定目標値=41.7%×340エンティティ≒141エンティティ
私が、いつも『並みの2アマ・200W免許だと250エンティティで頭打ち』というのは、
この計算式で求めていますが、概ね外れていないと感じます。
中には、200Wでもオナーロールの方もいらっしゃいますが、
ワッチに相当な時間をかけていらっしゃると推測できます。
おそらく『他人の3倍のワッチ時間&運用時間』を割いているはずです。
・DXCCは、100を超えたらいい(かろうじて超えました)
・AJAは、3,000を超えたい(現在1,750の市郡区をCfm)
・WASA-HFも、3,000くらいはできるかな(現在集計中で1,300程度)
JAにはつわものがいて、WASA-HFの10,000超えが2名いらっしゃいます。
まぁ、4桁のGLスクエアも海上を含めて『32,400スクエア』ですから、
10,000スクエア超えは『偉業』だと思います。
そういう方は、DXCCも相当なスコアを伸ばしていらっしゃるでしょう。
凡人、庶民、長屋の住民には『AJA、WASA-HFとも、まずは3,000超え』。
3アマ的運用は、200W局と比べても『少なくとも3倍の時間はかかる』でしょう。
それゆえに、運用バンドも一定期間は『一点集中』でやるのです。
手あたり次第に広げ過ぎると、南方戦線を拡大した日本軍と同じ結果です。
3倍の兵力を投入した米軍に『兵站』を絶たれて、
全滅した轍を踏むのがオチですね。
電気職人さんの思考だと『やれ上級』『やれハイパワー』です。
私はもともと、広告会社の企画営業ですから、
シェアを調べて『市場占有率』を攻めていきました。
これらの経験からも『工夫次第で3アマ的運用こそ、おもしろい』と思うのです。
私は『3』という数字が好きでしてね。
何でも『3点で考えるクセ』があります。
現在はタクシーの営業乗務員をやっていますが、
この商いでも『3か所の着け待ち場』を持っていて、
ある時間帯は『一点集中』で仕事をしています。
近江商人の『売り手よし、買い手よし、三方よし』は好きな言葉です。
アマチュア無線の各バンドも『3つ』のカテゴリー分けしています。
・1.9、3.5、7MHz帯は『ローバンド』
・10、14、18MHz帯は『ミドルバンド』
・21、24、28MHz帯は『ハイバンド』
21MHzに出ているのだから、何で18MHzに出ないの?とか聞かれます。
私は『18MHzは、ミドルバンドに含んでいるから「今じゃない」』と、
わざと、18MHzも外しています。
どうせ、サイクルボトムの時期には『ミドルバンド』がないと困りますから。
無線通信や電気の専門家から見たら『変なやつ』と思われるでしょうね。
それでもいいのです。
50Wで交信しておきながら『ノーカード』というより、
マシでしょう(笑)。
さらに、大事なことがあります。
第一級のkWerが『1位(トップクラス)』とします。
この方々は、おのずと『強者の戦略』で楽しんでいらっしゃいますね。
言い換えれば『第一級のkWer以外、第二級以下は弱者の戦略』を選択すべきでしょう。
・トヨタ=1位
・日産=2位
カルロスゴーンの失態は『強者の戦略でトヨタと張り合ったから』と見ています。
アマチュア無線は『儲けてはいけない業務無線(アマチュア業務)』です。
なんで、こういったマーケティングの視点が不足しているのか、
私は不思議でなりませんでしたが、最近『引退組の職人の責任も大きい』と感じます。
今後も折に触れて、弱者の戦略について書き続けていこうと思います。
毎度おおきに。ほんじゃーね!!
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