言わずと知れた日清のカップヌードル。
数あるカップ麺の中で唯一無二と言ってもいいだろう。
何しろ今のカップ麺はやれかやくを入れろだのスープは後からだの
面倒であるが(焼きそばは仕方が無いが)この「封をあけて湯を入
れたら3分待つだけ」と言う一番簡単な方法であるのと、それでい
て万人受けする飽きない味であろうか。
まあ、今ではビニール包装がされてしまったので「ワンタッチ」と
言う訳にはいかないが、それでもこの簡単さでちゃんとした「豪華
な」具入りのラーメンが食べられると言うのは大きい。
カップヌードルについて私の知る限りで紐解くと、わたしが生まれ
てちょっとした頃、当時サラリーマンの給料が3万円とか4万円だ
った時分に一個100円と言う価格で発売されたが思うようには売
れなかった(そりゃそうだろう)
転機は72年、あの「あさま山荘事件」が発生、冬の山荘での機動
隊と連合赤軍のにらみ合いが続く中、機動隊に支給される弁当すら
凍るような状態だったため、日清がカップヌードルを提供した。
お湯を注ぐだけで3分で出来上がって暖かいものが食べられる、そ
れに昔のカップヌードルってプラスチックのフォークが付いていた
からまさにうってつけだったのだ。
だがただそれだけではヒットにはならないと思うでしょ。
あのあさま山荘事件はあの頃の大事件で連日連夜生中継だったのだ。
まあ、言うところの「地下鉄サリン事件」級のニュースであった訳
でみんなあの中継を固唾を呑んで見ていたのだ(私も母親の横に座
ってあの山荘が鉄球で破壊されて機動隊が突入しててんやわんやに
なっていたのを見ていた記憶がある)
そこのもう、テレビがある家は殆ど見ていたであろう生中継で、そ
の「機動隊が食っている食物」が画像に写り、「あれはなんだ」と
言うことになりそこから広く世に知られる事になっていったという
記憶で多分間違いないと思う。
そりゃそうだ、あんな山奥の寒いところで戦う機動隊が食ってる謎
の食い物(まあ麺だというのはわかるのだが)は何なんだというこ
とにもなろう。
それに蓋を開けて湯を注ぐだけ、後は3分待てばいい、こんな便利
な食い物があるのかとなってもおかしくない。
知るところではないが、日清にはなにか哲学でもあるのか、もっと
古い即席めんの元祖、チキンラーメンも具こそ未だに無しだが袋か
らあけて丼に入れたら湯をかけて蓋をしたら3分待つだけである。
もちろん日清のラーメンが全てそうではなく今の普通のキットのよ
うになった商品のほうが多いだろうが、やはりワンタッチ(ツータ
ッチ?)で食べられるカップ麺は私の知るところでは多分カップヌ
ードルくらいのものだろう。
今はビニール包装されて裏に開封と蓋をとめる兼用のシールが付い
ているけれど昔ビニール包装されていなかったときはどうしていた
かというと、プラスチックのフォークが添付されていたのでそれを
湯を入れたらあけた口のところに上からプスッと挿せばちゃんと蓋
止めになったのですよ、懐かしいなぁ。
今じゃ珍しくもなんともないただのカップラーメンのカップヌード
ル、それでもやはり歴代一位の座を奪われないと言うから、やはり
「カップ麺はこうあるべき」と思う人も少なくは無いんじゃないだ
ろうか、それに色々な味も登場してそして美味しいからね。
麺の喉ごしとか味とか色々各製品特徴があるけれど、結局は一週回
ってここに戻るんだよね、と言うか私はカップ麺は殆どこればかり
なんだけれども、メンドクサイの嫌いだし美味しいから。
チキンラーメンも大発明だがやはりこの「カップヌードル」こそ世
紀の大発明だと思うのです。
本日の種:フジフイルムXF1