君を愛す
今日の花「アネモネ」。花言葉「はかない恋」
キンポウゲ科。球根植物。
原産地は、南ヨーロッパ・地中海沿岸。
パレスチナ地方に自生していたので、
新約聖書に出てくる「野の百合」は、
この花を指すという説もあります。
日本には、明治の始めに渡来したとされます。
花期は、3~5月にかけて。
一般的な品種はいくつかありますが、
総じて、花の大きさは4~10センチほど。
花色は豊富で、赤・ピンク・青・紫・白など。
中心部分に「ジャノメ模様」が入った感じが特徴的なのは、
「アネモネ・コロナリア種」です。
一重咲き・八重咲きともに栽培されます。
草丈は、20~40センチ。
10センチ前後の、
かわいらしい種(アネモネ・ブランダ種)も。
この花には、こんな悲しい伝説があります。
〈その1〉
西風の神「ゼフュロス」は、
妻である花の神「フローラ」の侍女・アネモネを愛してしまいました。
フローラはこれに嫉妬し、アネモネを追放しましたが、
ゼフュロスはアネモネを追いかけ続けます。
(風ですもの、どこまでも~)
とうとうフローラはアネモネを花に変えてしまいました。
春風がアネモネを優しくなでるのは、
ゼフュロスが今でもアネモネのことを愛しているから、とも・・・。
〈その2〉
美の女神「アフロディテ(ビーナス)」は、
美少年「アドニス」を熱烈に愛していましたが、
アドニスは、イノシシに襲われて命を落としてしまいます。
彼の亡骸を見て、悲しむアフロディテが流した涙が、
アネモネの花になったとされます。
実は、このイノシシは、
アドニスに嫉妬した、
アフロディテの愛人の軍神が変身した姿だったのです・・・。
いずれにしても「悲恋」のお話ですね。
「惚れたはれた」は、ほんとに神代の昔から~。
「はかない恋」という花言葉は、
これらの伝説から生まれたもの。
また、「恋の苦しみ」といったものもあって、
恋の切なさ、苦しさにため息をついている方、
この花と、分かち合ってみてはいかがでしょう。
美しさで、いやしてくれますよ、きっと・