嘘をついている自分を
許す野を求めて
ふらふらと虚空をさまよっている
魂よ
青い地球の裏側に
幻想の楽土を設定し
そこに永遠に逃げようとする
馬鹿者よ
過去の聖者の
寸言を縫い込んで作った
紫色のおまえの袈裟が
ぼろぼろに崩れてゆく
何もない虚空の心臓に
描いた金の仏像が
錆釘のように
劣化してゆく
愛ではないことを
積み木のように重ねて
建てた教会の尖塔が
真空の炎に燃えてゆく
嘘をついた自分を
許すために
永遠の暗闇に
溺れていくあほうよ
まだ振り返らないのか
おまえの
背後からささやく
白い薔薇のためいきに
まだ振り返らないのか