世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

スピカが主な管理人です。時々留守にしているときは、ほかのものが管理します。コメントは月の裏側をご利用ください。

猫女・2

2024-06-20 02:11:22 | 詩集・こどもたちへ

不幸のにおいを
香水のように振りまきながら
猫女が歩いていく

自分の影を
しっぽのようにひきずり
裏切りの月が照らす
一本道を
とぼとぼと歩いていく

本当は
あんなことをしてはいけなかった
白い猫の毛皮をはいで
自分がそれをかぶることなど

白い毛皮が欲しかった
澄んだ瞳が欲しかった
神様に愛される
無垢な魂になりたかった

こんな
臭い血の匂いがする
自分など
暴れるほど嫌だった

逃げることはできない
自分の影をひきずりながら
猫女が歩いていく

永遠の不幸の庭を
ぐるぐる回りながら
歩いていく




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2024-06-19 02:29:16 | 歌集・こてふらん

浅茅生の小野のかたへにひとり立ちしづかに光るゆふづつを見る



ひとりゆくはるけき道に月は照り苦しみおほき世をふりかへる



ねの方にうごかぬ星をあふぎみておのが心に光を移す



夏草の深きまよひの世にありて心の星にしたがひてゆく





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アマゾナイト

2024-06-18 02:10:45 | 花と天使・第2巻

アマゾナイト、天河石。

空青色や青緑色のきれいな石です。

検索して出てきた画像を見ながら、ミントグリーンの色鉛筆で石を塗りました。

これが一番似ているような気がして。

花は相変わらずチューリップばかりです。




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2024-06-17 02:30:19 | 詩集・こどもたちへ

こんな
嘘ばかりの人生
逃げたいのに
逃げられない

生まれる前に
裏道の駄菓子屋で買った
聖者の仮面が
顔に貼りついて
とれないのだ

憧れの視線を投げる
人々の目玉から
黄金の薔薇の葛が生えて
おれをがんじがらめに
縛るのだ

嘘なのに
すべては嘘なのに
みんなが俺を指さして
叫ぶのだ
見ろ あれが
真の聖者だと

虹色の幸運が
珠玉のように
次々と降ってくる
奇跡の勇者だと

苦しい 逃げたい
だが今更
全部嘘でしたなどと
言えるわけがない

愛のない
真空の湯に
首まで浸かりながら
一生この糞芝居を
続けるしかないのか




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父の日

2024-06-16 01:59:45 | 冬の日差し・夏の月

6月の第3日曜日は父の日です。

画像は、グイド・レーニの聖ヨセフの像。幼子イエスを見る暖かなまなざしがいいですね。
イエスは神の子で、マリアは処女のまま懐胎したことになってますが、実際はちゃんとヨセフの子でした。
ヨセフがまじめないい男だったので、天使の魂が来たのです。
ヨセフは大工としてまじめに働き、妻子を養っていました。

家族のために、まじめに働いてくれるお父さんには、感謝しなくてはなりません。お父さんのおかげで、子供たちは大きくなれる。
イエスが神の使命を帯びて、よいことができたのも、彼が大人になるまで育ててくれた、父母のおかげなのです。

かのじょの父親は、いろいろ問題のある人ではありましたが、それでもまじめに働いて、稼いでくれましたね。
子供のころにはつらいこともありましたが。

父親に関して、一番いい思い出は、かのじょが結婚することになったとき、ぽんとその準備金を出してくれたことです。
それでかのじょは無事に結婚することができた。

後々の救済のために、人生の土台を築くことができたのです。





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意地っ張りの系譜

2024-06-15 02:16:42 | 月夜の考古学・第3館

散歩の途中で紛れ込んだお寺の中で
腰をゆらしてもじもじする子よ
「はやくこっちへ来なさい!」
厠の前で叫ぶ母ちゃんを無視して 背を向ける子よ

遊びやテレビに夢中になって
いつもぎりぎりまでがまんして
下着を汚してしまうのに
母ちゃんが言わなくては
自分で行こうとしないくせに
何度言っても
ちっとも言うとおりにしないんだね
怒りの玉はむくむくとふくらんでくる
クソがきめ!

とうとう落ちたバクダンに
しぶしぶと従う子よ
用を足し終わっても
まだ説教をたれる母親を
ぎろりとにらみかえしてくる子よ
怒られてくやしいか
それとも
母ちゃんがどなったこと 後悔するとでも
思ってるのか?
ちがうね
笑いたくなったね
だって
今のおまえのその顔 その視線
まさしく 三十年前の母ちゃんそのもの

小学校二年だったか三年だったか
子供のころの母ちゃんが
親戚の家にお泊りした晩のことさ
夜中にオシッコがしたくなって
おばちゃんがついてきてくれたんだけど
母ちゃん 何が気にさわったのか
行くとちゅうの階段で座りこんじまった
「したいんだろ? したくないの?」
おばちゃんはやさしく言ってくれる
でも母ちゃんはテコでも動かない
フンと横を向いたまま
おばちゃんの言葉になど耳もかさない
オシッコはまんぱいで 今にももれそうだ
おばちゃんはキーキー言い始める
とうとうお父ちゃんが起き出して
「いいかげんにしろ!」
どなったもんだから
しぶしぶ顔で 内心は大喜びで
厠に駆け込んだ
おばちゃんは後々にもそのことを持ち出して
「あの時はもう気が狂うかと思ったよ」
愚痴を言ったもんだ

だからおまえが
そんなににらみかえしてきたって
ちっともこわくなんかないのさ
母ちゃんは
十回言われたって言うこときかなかった
おまえはたった三回で母ちゃんの言うこときいた
ぜんぜん修業が足らないね

お寺を出て 海に向かう途中の道で
母ちゃんはふと 心底笑いたくなった
青い空に 体を全部 心を全部
放り出して
でっかい花火を あげたくなった


小さな自分の 重みを抱えて
涙をちくちく かみしめて
母ちゃんの後を とぼとぼついてくる
おまえよ
おまえよ……

かわいい

かわいいよ

涙が 出てくるよ

空も 海も
おまえごと
みんな抱きしめて しまいたいよ




(1999年)





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ノリコ

2024-06-14 02:11:16 | 画集・線刻派

タイトルは松田聖子さんの本名から。

少し前の聖子さんのヘアスタイルをヒントに描いてみました。全然似てませんけど。

髪の長い女性というのはやはり魅力的ですね。





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ピジョンブラッドルビー

2024-06-13 02:06:32 | 花と天使・第2巻

いわゆる鳩の血のように赤いルビー。

なんで鳩なのかはよくわかりませんが、ピジョンブラッドルビーで検索すると、それはそれは赤いきれいなルビーがたくさん出てきます。

でも色鉛筆でそれを表現するのって難しくて。多面体のカットも描けないし。

いちおうクリムゾンに普通の赤を塗り重ねて表現してみましたが。

どうでしょう。





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生きよ

2024-06-12 02:07:35 | 詩集・こどもたちへ

こどもたちよ
死んではいけません

どんなにつらいことがあっても
死にたいなんて
思ってはいけません
死んでしまえば
自分の人生に
負けたことになる

死にたいという気持ちは
影の国に住む狸が
あなたの心にささやく
幻聴なのです
それにだまされてはいけません
どんなに苦しいことがあっても
簡単に心を折って
死の国に逃げてはなりません

生きなさい
試練の向こうにある
本当の自分との出会いを
信じて
生きとおしなさい






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春のおさらい・2

2024-06-11 03:14:57 | 森の声・花の歌
今日もたくさん花の写真を紹介しましょう。
最初はナガミヒナゲシ。


ノイバラ


ピラカンサ


ブタナ


ムラサキカタバミ


ユウゲショウ

花の季節はたくさん写真を撮りすぎてしまいます。まだまだ余っているので、機会があればまたやりましょう。




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