Joy Yoga

中東イスラエルでの暮らしの中で、ヨガを通して出会う出来事あるいは想いなど。

バル・ミツバ ~13歳の門出~

2012-04-22 14:54:44 | 育児
ペサハの最中に長男のバル・ミツバ(ユダヤ教の成人の儀)がありました。
通常、この儀式は1回で済むものらしいのですが祝祭日や安息日などが重なり、彼のバル・ミツバは2回に分けて行われました。

1回目は長男のユダヤ暦上の誕生日にあたるペサハ最終日に。
礼拝は、聖典から日毎に割当てられた箇所をを成人男性が唱えます。この日はそのうちの一節を長男が担って唱えました。つまり、宗教上では一人前だと認められたということです。そして、その前後には旧約聖書のモーセ五書が記されたトーラーと呼ばれる聖典を礼拝用の台の上に運び出し、そしてまた元に戻すという大役も担いました。この一連の儀式をヘブライ語では「アリヤ・ラ・トーラー」と言います。
ただ、この日は土曜日。シャバット(=安息日)にあたるため、タリートとトゥフィリンというものを身につけて礼拝することができません。私が理解しうる限りでは、バル・ミツバはこの礼拝用の正装をもって遂行されたと見なされるもののようです。
この「アリヤ・ラ・トーラー」の時はたくさんのキャンディーを花吹雪さながらに振りまいて祝福します。
シナゴーグでは礼拝スペースが男女で分かれているので、私はつい立ての隙間から長男の勇姿を見守っていました。わが子の人生の節目をもっと間近に見たいのですが、なにせ安息日は写真撮影もNGなので後ろ姿を心に焼き付けるのが精一杯。

2回目は先週の木曜日に。
1回目と行程はほぼ同じですが、この日はタリートという白い布とトゥフィリンという小さな箱が付いた長い革ひもを身につけて礼拝に臨みました。


たいそう立派な銀の入れ物に収められたトーラーを運んできました。本人曰くかなりの重さだそうです。



聖句を唱える番を待っている長男と主人。

肩から羽織っているのがタリート。左腕には腕用のトゥフィリンが巻き付いてます。


トーラーを戻しにいくところ。



親戚のおじさんにトゥフィリンの解き方を指南されているところ。巻き方だけじゃなく解き方もあるなんて。

このおでこに小さな箱が乗っているのを見ると、私はどうしても天狗を連想してしまいます。(笑)


イスラエルでは出生児がユダヤ教徒と認められるための条件にその子の母親がユダヤ教徒であることがあります。
そのため私は結婚前に「生まれてくる子供のために」と主人にお願いをされて、あまり深く考えもせずに改宗をしました。宗教に関して寛容な日本という国で生まれ育ったせいか、私は改宗によってもたらされる人生の変化を想像するにはあまりに若く、そして何より甘かったのだということを知りもせずに。後々になって葛藤や苦悩を抱えるものの、子供が生まれてしまった以上後戻りするわけにもいかず今日に至ったわけです。

改宗のための勉強も大変だったし、改宗後に新しい生活スタイル(特に戒律による食事の制限)と心のバランスを見出すことも難しかった。そんな「母親次第」という宗教上の責務をひとつ肩から下ろせた安堵感と長男の成長に対する喜びに、胸の奥からじわじわっと込み上げてくるものがありました。


このバル・ミツバを終えると少年たちは皆、急激に大人びていきます。
それが楽しみのようでもあり、寂しくもあり、母ごころはちょっと複雑なのであります。


ナマステ&シャローム
Nozomi

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2 コメント

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おめでとうございます! (佳代)
2012-04-24 22:32:32
のぞみさん、こんにちは!
改宗のためののぞみさんの苦労が報われた瞬間ですね。
長男君の緊張した横顔がかわいいです!
かわいいなんて言ったら怒られちゃいますね(笑)
のぞみさん、お疲れ様です!
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☆ 佳代さん ☆ (Nozomi)
2012-04-25 03:41:50
佳代さん、どうもありがとうございます!
>苦労が報われた瞬間
そうそう、それ。まさにそんな心境でした。

小さい頃は「早く大きくならないかなぁ」なんて思っていましたが、ふとした時に見せるあどけなさが今はとても恋しいです。
「顔に何かついてる?」と聞かれるくらい見つめてしまう怪しい母です(笑)
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