ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

与党と野党

2008-10-03 21:34:06 | ときのまにまに
自民党国会対策委員会が野党から提出要求のあった資料の事前提示を、各省庁に求めていたとのこと。このことについて、野党側から猛烈な批判が起こっている。それに対して、石破茂農相は「検閲とは認識していない」としたうえで「与党であれ、野党であれ、国会議員から資料の要求があった場合には、それに誠実に迅速に答えることが行政府として当然のことだ」と発言している。当たり前といえばまさに当たり前のことである。このことを「検閲」というような非常に固定化した言葉で論じるのは、「大人げない」とは思う。
むしろ、そんなことは以前からもあり、ある意味で、当然でもあるだろう。行政府が行っているすべての情報を開示することは難しいし、無茶な要求もあることは充分考えられる。わたしはそういう種類のことは問題にしない。むしろ、政治と行政との関係、特に与党と野党との関係とはそういうものであろう。当然、与党に出す情報と野党に出す情報に格差があることは、否定できない事実である。与党とは行政府に対して野党とは異なる立場にある。
しかし、今回の問題は与党が行政府に対して、口頭であれ、あるいは文書であれ、言葉で言わねばならないということである。今までは、そんなことは口に出すべきことではなく、「あん・うん」の呼吸でスムーズになされてきたことであり、その限りにおいては野党も口出しできなかったのである。むしろ、与党と行政との間に、「あん・うん」なんて言っておられないひずみが出てきたのかもしれない。もう、こうなってしまった以上、つまり自民党が行政府に対して言葉で言ってしまったという「弱み」が露見した以上は、与党もあきらめねばならない。また、そういう依頼を受けた行政側も、それを文書で各部署に「さらに強調して」流すという愚かをしてしまった以上、自民党と行政府との間の亀裂は避けられないであろう。

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