ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

高レベル放射性廃棄物の最終処理場問題

2012-09-12 10:58:54 | ときのまにまに
今朝の朝日新聞によると、高レベル放射性廃棄物、いわゆる「原発のゴミ」の最終処分場に関する問題で、日本学術会議は内閣府原子力委員に対して次のような提案をしたという。日本学術会議と言えば、実質を伴っているかどうかは別として一応日本におけるアカデミズムの最高権威組織である。政府としてはこの提案を無視するわけには行かないであろう。
学術会議の提案は次の通りである。
先ず、原発のゴミの総量を規制し、数10~数100年間、暫定的に保管するべきである。そのためには、現行の地中に廃棄する最終処分政策を白紙に戻し、抜本的な見直しなければならない。つまり、何時でも緊急の場合には取り出せるような形で保管しておくことが必要だという。

提言によると、最終処分場選びに行き詰まっている原因は、説明が不十分だからではなく、社会的な合意を得ることなく原発政策を進めるなど根源的な問題があったからであり、最終処分場を引き受ける見返りとして、国が自治体に金銭を配るのは「適切ではない」いう。また、日本列島は地震や火山活動が活発で、万年単位で安定した地層を見つけるのは不確実性やリスクがあると指摘。現在の科学的知識と技術能力では限界があるとした。

学術会議の検討委員長を務めた今田高俊・東京工大教授は「単なる問題の先送りではなく、きちんと対処する時間を確保することが必要だ」と述べた。

現行の政策では、原発から出る使用済み核燃料はすべて再処理される。その過程で出る高レベル放射性廃棄物はガラスで固めてステンレス製の容器に入れて地下300メートル以深に廃棄する。日本は昨年末時点で2652本の容器を保有。さらに、2万4千700本分相当の使用済み核燃料が全国の原発で保管されているとのこと。
最終処分場の候補地選びは2002年から始められたが難航している。そのため、内閣府原子力委員会は一昨年9月、日本学術会議に提言のとりまとめを依頼していたのである。

注:「高レベル放射性廃棄物」とは、原発から出る「使用済み核燃料」を再処理してプルトニウムを取り出した後に出る廃液。強い放射線を放ち、人が近づくと10数秒で死に至る。廃液はガラスとともに固め、ステンレス製の容器に詰める。容器の数は昨年末現在で、2652体あり、青森県六ケ所村や、再処理を依頼した海外などに保管されている。

最新の画像もっと見る