ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

八つ場ダムの七不思議(転載)

2009-09-29 21:17:10 | ときのまにまに
新政権の国土交通省の前原大臣が就任早々に八ツ場ダムの工事中止を宣言したとたんマスコミおよび官僚集団からのアンチキャンペーンの狼煙が上げた。マスコミの論調は「中止するなんてダムに振り回された住民はどうなるのか」という視点からの報道が多い。正直に言って、わたし自身はこれまで八ツ場ダムのことについてほとんど考えたこともないし、マスコミもほとんど取り上げてこなかった。もちろん取り上げるしてもダム計画は57年前のことであって、一般国民にとっては突然吹いて湧いてきたような問題である。従って、マスコミが流す情報しか考える材料がない。既に7割も工事が進んでいるのに、今さら中止するなってもったいないといわれれば、そうだと思う。ところがその7割というのは工事の進捗状況ではなく予算の消化状態であって、予算そのものは今後どれだけかかるか分からないということ。もう既に当初の予算は倍以上にふくれあがっている。
ところで、マスコミにはほとんど登場しないが、超党派の議員集団で「公共事業をチェックする議員の会」という組織があり、八ツ場ダムを始め各地のダムや道路等についてのチェックをしている。会長は以前から鳩山由紀夫氏であり、事務局長は今回落選したが社民党の保坂氏である。この保坂氏のブログで八ツ場ダムに関する貴重な資料が紹介されている。ほとんどマスコミには取り上げられないが、取り上げられたとしても「ないが何だかさっぱり分からん」という表現方法をとられているので、この資料は非常に貴重である。八ツ場ダムのことを転載自由ということなので、ここに転載しておく。
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto

<以下転載>
八ツ場ダムは、半世紀経つ間に必要性を失った(以下2と7)のはもちろん、実は、かなり無理矢理な、自然の摂理に逆らったダムで、いろいろな意味で未来永劫、利子がついてまわる事業です。各自治体の政策決定者とそれを支える職員の方々には、冷静にこの事業の全体像を把握していただきたいと思います。
事業費(4600億円)の利子(国債、地方債の利子)を含めると9000億円に膨れ上がる。それだけに止まらず、以下の3、4、6にかかる事業費はまた別で、さらに他にも隠れたコストがあります。隠れたコストについてはまた書くことにして、今日は、八ツ場ダムの七不思議ということで、まとめてみました。転載歓迎です。

八ツ場ダムの七不思議

1.半世紀が過ぎてもまだできない:八ツ場ダムは特定多目的ダム法に基づく治水、利水を目的とした多目的ダムだが、1952年のダム計画浮上から57年が経過した。ゼロ歳だった人でも57歳になんなんとす。疲れ果てて反対運動の旗を住民が降ろしたのは1992年。それから17年が経ち、総事業予算の7割が消化されたが、事業完成度は2008年度末で付替国道6%、付替県道2%、付替鉄道75%、代替地造成10%など、完成までの道のりは遠い。3000億円強はどこへ消えたのか?

2.東京五輪の渇水に備える事業?!国内外から大勢の人々が集まるオリンピック渇水に備えるためのダム。といっても石原知事が招致を進める2016年五輪ではない。1964年のことだ。東京都の水需要は1975年から減少を始め、日量最大690万トンの供給力に対し、170万トンが余っている。

3.1日53トンの石灰が必要:上流の草津温泉から流れ出る湯は、ダムを作ってもコンクリートが溶けるほどの強酸性。ゆえに一端は計画が頓挫した。しかし、1963年に石灰を投入する「中和工場」を完成させ計画が復活。以来、1日約53トンの石灰が投入され、ダムを作る限りは未来永劫にそれを続ける必要がある。

4.石灰の沈殿物を貯めるダムと土捨て場が必要:石灰の投入でできる中和生成物を沈殿させるために1965年に品木ダムを建設。その沈殿物を浚渫し、捨てにいく新しい土捨て場も未来永劫に必要になる。

5.3人の首相と3人の世襲がガード:ダム予定地(長野原町)を抱える選挙区からは福田赳夫、中曽根康弘、小渕恵三と3首相が出てこの事業を推進。そんな選挙区は他にはない。世襲した福田康夫、中曽根弘文は隣の小選挙区・参議院と群馬県に陣取り、ご当地は小渕優子が後継(敬称略)。前政権を象徴する因果な事業である。

6.ダム湖周辺は浅間山噴火で崩れた山の残骸:1783年の天明の大噴火で泥流死者1538人を出した浅間山。当時、死体が東京湾まで押し流されたことが古文書に残る。その泥流が積もったグサグサの地質に地すべりの大敵である水を貯めることになるのが八ツ場ダム。22箇所の地すべり地が判明しているがコスト縮減のため、2箇所しか対策をしない。さらなる追加対策予算が必要になると反対団体は指摘する。

7.カスリーン台風への効果はゼロ:1947年のカスリーン台風被害が発端の計画だが、同台風が再来しても効果はゼロであることが国会で暴露された。(まさのあつこ)

上記7については「本当か?」と信じがたいと思う人もいると思うので、国会議事録へのリンクと政府答弁を張り付けておきます。その下に、この官僚答弁の読み方解説★もつけておきます。以下省略

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