ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

神聖四文字(YHWH)の翻訳について

2008-10-19 15:52:45 | ときのまにまに
少し古いニュースになりますが、最近友人から教えてもらうまで知らない面白いニュースがありました。
というのは、今年の6月にバチカンの典礼秘跡省というところから下記のような邦訳の指針が出されたそうです。興味のある方はぜひ、開いてみてください。
http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/doc/pontifical/yhwh.htm
要するに、カトリックの典礼(ミサなど)の式文、聖歌、聖書朗読において、神聖四文字(YHWH)を「ヤーウェ」とか「ヤハウェ」というように音訳せず、「主」と訳さなくてはならないという指示です。昔は、とんでもない誤解から「エホバ」というように音訳されていた「神の名」です。
もちろん、一般の聖書翻訳までが制約される訳ではないようです。これを教えてくれたカトリックの友人は、典礼の聖書朗読と聖書研究の聖書が違ってしまってもいいものだろうか、という疑問を投げ勝ていました。
典礼秘跡省の説明によりますと、ユダヤ教の時代から神聖四文字は発音されず、「アドナイ(主)」と読まれてきたので、教会もこの伝統を古代から受け継ぎ、「キュリオス」とか「ドミヌス」とかに訳してきたということです。このことの背景には、最近のローマとユダヤ教との急接近ということに対するユダヤ教徒の方々に不快感を与えないため、という配慮もありそうです。
日本の司教協議会も、これを受けて、次のような指針を出しています。
http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/doc/cbcj/081009-2.htm
たった一つの言葉ですが、これを訂正するということになると、かなり大事(おおごと)のようです。
神聖四文字についての議論そのものは、昔からあり、それほど驚くべきことではありませんが、こういうかなり「専門的な事柄」について、典礼秘跡省というところから一方的に指針が出され、それが直ちに全世界のカトリック教会の典礼式文に影響を及ぼすことには、驚かされます。
早速、カトリックとプロテスタントの共同作業による「新共同訳」をチェックしてみましたところ、この言葉を「ヤーウェ」と音訳している箇所は創世記22:14だけでした。昔の訳では「エホバ・エレ」という言葉です。さて、ここをどう扱うのか「見物(みもの)」です。

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