ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

人ごとのように

2008-09-04 07:05:09 | ときのまにまに
福田首相は「人ごとのように話す」と批判されている。確かに、新聞記者たちに話す口調は人ごとのように聞こえる。何度も、「あなたはそのことの当事者ではないか」とか、あるいは「人ごとではない」と言いたくなる。この批判に対して、福田首相は、思わず爆発し、「わたしは自分を客観的に見ることができるのです。あなたとは違う」と反論してしまった。案の定、マスコミは、この言葉を取り上げて、大合唱。わたしも「尻馬に乗って」ちょっと、「ひとこと」。
「人ごとではないが、人ごとのように話す」ということが、「自分を客観的に見る」と言うことなのだろうか。この首相の反論は、痛いところを突かれて、思わず発した言葉で、いわば「言葉尻」であろう。ひとの「言葉尻」を摑まえて、云々するのも大人げないが、首相の「人ごとのような話し方」は、客観的に自分を見た結果としての発言というよりも、「客観的に見て」、相手の質問をはぐらかす意図が「見え見え」である。「そんなことだったのかなぁ」とか、「そんなこと言ったかなぁ」とか、質問者の気分を害するだけのまったく無意味な「とぼけ」である。確かに、新聞記者たちの質問の中には、答える必要もないようなつまらないものもある。そいう質問をユーモアで切り返す余裕が「客観的に自分を見る」ということではなかろうか。少なくとも、「あの場面」では客観的に自分を見ていなかった。
小泉前首相の「人生いろいろ」発言など、少しも答えになっていないが、もうそれ以上その問題を追及する意欲を喪失させる威力は十分にあった。それをしゃあしゃあと言ってのけるのが政治家ではないだろうか。その点では、「大昔のイギリスの首相チャーチル」は抜群のセンスを持っていた。日本の政治家たちも、もう少しチャーチル先生に学ぶ必要があるだろう。

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