ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

後期高齢者医療制度 その6

2008-06-10 21:25:21 | ときのまにまに
「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である」(マタイ9:12)。この言葉はイエスの有名な言葉である。わたしは、今この言葉が「健康保険を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である」というように聞こえる。厚労省や自民党の議員の説明を聞いていると、健康保険制度から病人を排除しようとしているように聞こえる。桝添大臣は二言目には「お金は天から降ってくるわけではない」という。そりゃそうだろう。そんなこと大臣に言われなくてもわかる。だからこそ、そのために、現在高齢者と呼ばれる人々は、若いときから50年以上、少ない賃金の中から保険料を支払ってきたのである。その頃は、ほとんど病気などはしないで、ただせっせとお金を出してきた。その金は、今どこに行ってしまったのか。厚労省と薬品会社とがグルになって、私腹を肥やしてしまったのではないのか。その旨味に加担していない筈の桝添さんが何で、そんなに必死になって彼らを弁護しなければならないのか。桝添大臣の顔が間抜けのドンキホーテに見える。
生涯で支払った保険料と後期高齢者になってから出してもらう診療費とどちらが多いのか。細かく計算すれば、いろいろであろう。個人差があるのは当然である。そこが保険制度のいいところである。そのためにメリットが少ないことには誰も文句は言わない。「健康保険を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である」というイエスの言葉のパロディーはそこで有効である。保険制度のメリット受けないことをデメリットと感じるのは厚労省の役人だけであろう。彼らは、「若い人たち」から不平が出てくる、などという。実に馬鹿げている。
厚労省のお役員たちは、後期高齢者の保険料は、国庫から50パーセント、「若い人たち」から40パーセント、後期高齢者にはたった10パーセントだけの負担です、と説明する。ここに重大な誤魔化しがある。「若い人たち」から40パーセントというが、そこには後期高齢者が50年以上にわたって支払った保険料が含まれているはずである。従って、もし後期高齢者の健康保険を別にするというならば、それまでの保険料の全部を、こちらに移さなければ成り立たない。しかも、それは75歳になった人一人一人の過去のの保険料をすべて計算し、さらにその利息分も加算して、移さなければならない。彼らにそんなことができるはずがない。将来の負担増を計算するなら、過去の積み重ねも計算すべきである。
とにかく、今度の後期高齢者医療制度は杜ずさんで、無茶苦茶である。これを実際に設計し、制度の原案を作成した人の顔が見えない。見えるのは「人のいい厚労大臣」だけである。もうそろそろ、桝添大臣も「切れて」、「もうかばいきれない」と投げ出してもいいのではないか。そうすれば、全国民は拍手喝采、近いうちに総理大臣間も違いなし。おめでとう。

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