ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

「開き直り」について

2009-01-19 19:36:26 | ときのまにまに
次の日曜日の説教を準備しながら、「開き直る」ということについて、考えさせられました。わたしにとって、この言葉は1970年の学園紛争の際に多用された「批判的な言葉」として心に深く残っています。「団体交渉」の席で、学生たちの追求を前にして、窮地に追い込まれた学園の理事者や教授たちが、もはや弁解の余地がなくなったときに、人間の社会というものはそういうものだ、と「開き直った」態度を学生たちが批判した言葉です。
それ以来「開き直る」ということはマイナスのイメージが強くなりました。つまり、青年の「純粋な」追求に対して「現実」の曖昧さの主張であるということも出来るでしょう。現実は白とも黒とも言い切れない複雑な構造を持ち、そこで何らかの決断を下さなければならいない「責任者」は、それが絶対に正しいという確信がなくても、一定の判断を下します。それを、後から現実を抜きにして、「ああだ、こうだ」と批判することは簡単であです。
戦時中の、キリスト教会の指導者たちに対する「戦争協力批判」にも、そういう面があります。そういう立場に追い込まれた人間は「開き直る」しかありません。同じようなことが今でも、いろいろな社会や団体で繰り返されています。

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