東京五輪エンブレム使用中止 組織委方針 佐野氏が制作
2015年9月1日13時35分
佐野研二郎氏がデザインした五輪エンブレム
類似が指摘されたリエージュ劇場のロゴ=ドビ・グラフィック・デザイン社提供
8月の会見でエンブレムのデザインの過程を説明する佐野研二郎氏=林敏行撮影
原案との類似が指摘された「ヤン・チヒョルト展」の図録の表紙
東京五輪エンブレム決定までの変遷
デザイナーの佐野研二郎氏(43)が制作した2020年東京五輪のエンブレムについて、大会組織委員会は1日、今後の使用を取りやめる方針を固めた。大会関係者が明らかにした。エンブレムをめぐっては、エンブレム自体のほかにも、応募当初の原案やエンブレムの街頭での使用イメージについて盗用や無断転用の指摘が相次いでいた。
大会関係者によると、方針については大会組織委員会の幹部らで構成する調整会議を同日夕に開き、正式決定する。佐野氏の事務所は「広報の担当が外出しているのでわからない」としている。
五輪エンブレムは、応募作品104点の中から佐野氏の作品が選ばれ、7月24日に発表された。しかし、発表直後から、ベルギーのリエージュ劇場のロゴマークなどと「似ている」とネット上で話題になった。
ベルギーのデザイナー、オリビエ・ドビ氏と劇場側の代理人は8月、「エンブレムはロゴマークの盗用」と主張し、国際オリンピック委員会(IOC)に対し、使用の差し止めを求める訴訟をリエージュの民事裁判所に起こした。
これに対して、佐野氏は8月5日に大会組織委で開いた記者会見で「日本人としての誇りを持って作った。盗用との指摘はまったくの事実無根」と独自性を強調していた。
同月28日には大会組織委が記者会見し、五輪エンブレムの選考過程を説明。昨年11月の選考で選ばれた佐野氏の原案から2度の修正を経て、最終的に公表されたエンブレムになったとし、「リエージュのマークには全くない特徴がいくつもあり、オリジナルだと確信している」と主張していた。
この記者会見で公表された原案や、佐野氏が作成したとされるエンブレムの街頭での使用イメージ画像についてもその後、他人のサイトから無断で転用された可能性があるとの指摘がネット上などで相次ぎ、大会組織委は佐野氏側への調査を迫られていた。
佐野氏の作品をめぐっては、エンブレム以外にも「騒動」がつきまとった。
佐野氏がデザイン監修したサントリービールの景品のトートバッグの絵柄が海外のデザイナーらのデザインに「似ている」との指摘され、サントリーは8月13日、30種類のうち8種類を発送中止にしたことを発表。佐野氏は事務所のホームページでスタッフが第三者のデザインを写したことを認めたが、五輪エンブレムについては「個人で応募し、模倣は一切ない」との立場を改めて主張していた。
■2020年東京五輪のエンブレムをめぐる経緯
7月24日 アートディレクターの佐野研二郎氏の作品が選ばれ、都庁で公表される。その後、ベルギーの劇場ロゴを制作した同国のデザイン会社がフェイスブックで似ていると指摘
31日 佐野氏が「制作時に参考にしたことはありません」とコメント
8月3日 ベルギーのデザイナー側がエンブレムの使用差し止めを求める文書を日本オリンピック委員会(JOC)に送ったことが判明
5日 佐野氏が会見し「日本人としての誇りを持って作った。盗用との指摘はまったくの事実無根」と作品の独自性を強調
14日 ベルギーのデザイナーの代理人が国際オリンピック委員会(IOC)に対し、使用の差し止めを求める訴訟をリエージュの裁判所に起こしたと発表
28日 大会組織委員会が会見し、応募された「原案」などを公表。その後、佐野氏の「原案」デザインが、2年前に東京で開かれた展覧会のポスターに似ているとネット上で話題に
31日 佐野氏が街頭でのエンブレムの使用イメージとして提案した画像2点が、他人のサイトから無断で転用された可能性があり、大会組織委が調査を始めたことが明らかになる
ソース元 朝日新聞DIGITAL =転載=
★佐野研二郎は通名で、本名は「朴尊簸」という在日韓国朝鮮人
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