<スポーツ報知より>
「“ちくしょう根性”が実りました」いわき海星が21世紀枠…センバツ出場校決定
第85回記念センバツ高校野球大会(3月22日から13日間・甲子園)の出場36校が決定。東北からは、神宮大会枠と今大会限定の東北絆枠を合わせ、史上最多となる5校が選出された。東日本大震災で、津波により校舎などが壊滅的被害を受けた、いわき海星(福島)は21世紀枠で初出場。ナインの笑顔が“復興センバツ”を象徴している。
グラウンドで待ちこがれる、いわき海星ナインに吉報が届いた。沢尻京二校長(54)がセンバツ出場を伝えると、歓喜の雄たけびがこだました。笑顔、笑顔、そして笑顔。あの大災害から2年、なにくそ、ちくしょうと困難に耐え続けてきた部員たちの努力が報われた。「震災から2年間は苦しかった。苦労してよかったなと思います。逆境に置かれた“ちくしょう根性”が実りました」と若林亨監督(46)は感慨無量だった。
川と海で囲まれた水産・海洋系の同校は、津波により水没。まさに荒野となった。校舎1階部分はすべて流された。若林監督は「がれきの海。もう野球はできないと正直思った」という。県の意向でようやくグラウンドや校舎の改修工事が始まったのは、震災から1年8か月もたった昨年11月だった。
グラウンドには30センチの土砂が積もり、ガラスの破片などが散乱。エースの鈴木悠太(2年)は「(埋まっていた)包丁が出てきたときはビックリした」という。現在は土砂などを取り除く作業を行っており、堤防設置工事もあり約1年間は使えない。トイレも水洗でなく、現在も仮設トイレを使用している。
秋の県大会は、坂本啓真主将(2年)ら4選手が9月から遠洋航海実習で出場できず、12人で戦った。水産高校ならではのことだ。エースの鈴木らは、センバツ後の4月中旬からも約2か月の航海実習で米ハワイにマグロを捕りに行く予定だ。
現在は、学校に面した砂浜で打撃などを練習する日々。指揮官は、津波で壊滅した体育館の鉄骨を譲り受け、適度な大きさに切断、溶接の技術を生かしてウエートトレーニングの器具を手作りした。打撃ケージもサンマ漁の網を譲り受けたハンドメードだ。
夢に見たセンバツへ、ナインの意識は高まるばかり。坂本は「支援してくれた方や被災された方のためにも、元気や勇気を与えるプレーをしたい」と意気込む。鈴木も「目標は10奪三振で、1勝っすね」と誓った。逆境に負けなかった軍団は、甲子園という荒波を少しも恐れてはいない。
◆いわき海星 1934年創立の県立校。小名浜水産を経て95年から現校名。生徒数379人(うち女子65人)。野球部は60年創部。部員数16人。
*私は高校野球の大ファンです。今年の春の選抜大会に聖光学院といわき海星の2校が県内より選出されました。
聖光学院は全国的に甲子園常連校として有名になりました。優勝目指し頑張ってもらいたいと思います。また、練習環境にハンディがあるいわき海星には、初勝利目指し楽しんでプレーしてもらいたいと思います。
ところで、甲子園に3回出場しているわが母校は昨年、単独でチームが組めないため、他の相双の2校と連合し、「相双福島」として試合に出場していました。今年はどうなるのか。母校のユニフォームが見れる配慮を県高連にはお願いしたいと思います。