PART5 八島ヶ原湿原
「鷲ヶ峰ひゅって」は、久しぶりに泊まる家庭的な宿だった。毎年オーナーさんがコツコツと手を加えれているという、この建物は築50年!吹き抜けのホールが気持ちよく、古さが全く感じさせないところがいい。「ひゅって」なので、設備は最低限ながら、何か家庭的な雰囲気が落ち着かせる。泊まった部屋の窓からは、八島ヶ原湿原が広がる(トップの画像)。もちろんクーラーなんて必要のない、天然のクーラーが気持ちいい。少し早めに到着したので、部屋で昼寝をして、ゆっくりとお風呂に入って、のんびりした後、夕食となった。
夕食は、オーナーさん手作りのフランス料理。東京のフランス料理店で磨かれたという料理は、かなり本格的で、おいしかった。細かいところであるけれど、ランプや調度品がいい感じを醸し出している。部屋の机の上にも花が飾られているなど、さりげない演出は、旅の疲れを癒される。
夕食後は、ホールで読書タイム。たくさんの蔵書があって、部屋に戻るのがもったいない。この宿のオーナーさんは、近くのビジターセンターで八島ヶ原湿原の説明員をされているそう。ボクのバイクを見られて、「こんなメカニカルなバイクがあったんだ」と驚かれていた。ボクの方は、明日の朝、八島ヶ原湿原をトレッキングする予定を伝えると、コースのポイントを教えていただいた。この時期は、花が咲き乱れている時期で、1年でも一番いい時期だそう。ちょうど明日くらいから、お盆休みが終わるので観光客が少なく、のんびりできるだろうと教えていただいた。ホールに置かれていた、「山と渓谷社」のような登山雑誌を見ていたら、このオーナーさんがインタビューされていたり、アドバイスされている雑誌がたくさんあった。その中でこの「ひゅって」を旅人の交流の場にしたいという記事があった。最近は、インターネットの普及でボク自身、泊まりがけのツーリングの時はビジネスホテルを使いがちであったけど、こういった人と人のふれあいを大事にする宿に久しぶりに泊まって、昔、学生時代によく泊まった「ユースホステル」を思い出した。「ユースホステル」も旅人のふれあいの宿だった。そう思えば、ここの「ひゅって」は、大人の「ユースホステル」と言えるかもしれない。また、泊まってみたいと思う。
翌朝は、5時30分に起床し、予定通り、「八島ヶ原湿原トレッキング」を楽しむことにした。湿原1周トレッキングは、90分。朝食は8時からなので、余裕をもって歩ける。ひとまず、八島ヶ原湿原の展望台から湿原を眺めると、まだ朝もやが少しかかり、真夏というのに涼しい。今回は時計回りに一周することにした。オーナーさんによると、分かれ道があっても、右に曲がっていけば、道に迷うことがないとのこと。当たり前だけど、バイクと違って徒歩だから、一つ間違えて、山奥に迷い込んだら大変だ。予想通り、観光客の姿もほとんどなく、湿原へ降りていく。
湿原には、板が敷かれていて、その上を歩く形となっている。オーナーさんのアドバイス通り、高原植物が咲き乱れていた。花の名前を聞かれても、答えられないのが残念・・・
半分ほど歩いたところにあるのが、鎌ヶ池。当ブログを昔からご覧になられている方は、覚えておられるでしょうか?ボクが信州ツーリングに来て、初めて泊まったところが、このキャンプ場(記事はこちら)。電気もない、トイレと炊事場があるだけの、簡素なキャンプ場で、毎年ここに来て連泊でキャンプしようと思っていたのに、その翌年、キャンプ場が閉鎖され使えなくなってしまった。今回この場所に来たら、ちょうど朝日が登ってきた。見た感じ、炊事場やトイレはそのままだったが、キャンプサイトは鉄線が張られ、立ち入りができない。もちろんキャンパーの姿もなく、あと何年かもすれば、自然に戻るような感じがした。
今回、こんなに長い時間トレッキングで歩くのは、昨年9月の「美ヶ原」をトレッキングした時以来。あの時は、事前調査せずに、ただ歩いただけだったけど、今回はオーナーさんのアドバイスもあって、効率よく楽しむことができた。朝食前のひと時、爽やかな気分になったのは、いうまでもない。これこそ信州の醍醐味だと思った。
じっくり写真の撮影もしてみた。動画2本、写真1本をどうぞ。
<-- 八島ヶ原湿原Ⅰ -->
<-- 八島ヶ原湿原Ⅱ -->
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信州・八島ヶ原湿原
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宿に戻って、ゆったりとした時間の中、朝食を取る。おいしいパンをいただき、出発準備をしていたら、霧が出てきた。山の天気は変わりやすい。早朝のうちに、トレッキングを済ませておいてよかった。オーナーさんご夫妻に見送られて、帰路につく。