
PART3 雲仙
3日目 1月3日
ルート:苓北→(R324)→鬼池港~(島鉄フェリー)~口之津港→(R251)→小浜→(R57)→雲仙
昨日は到着が夜になったので、ホテルの客室からは波の音しか聞こえなかった。朝、窓を開けてみるとこの光景。どんよりとした雲が広がっていた。真ん中の奥に見えるのは、火力発電の「苓北発電所」。客室に置いてあったパンフレットによると、年間の発電量は140万KWで熊本県の2/3の電力をまかなっているそう。ついでにそのパンフレットを見ていたら、「四季彩岬」という岬がホテルからそう遠くないところにあるそうなので、寄ってみることにした。
きれいに整備された駐車場にバイクを置き、歩いて2~3分。「四季彩岬」に到着・・・見えたのは冬風で荒れた海しかない。春や夏なら穏やかな海が眺められるだろうけど、観光客の姿も全くないし、寂しい岬だった。灯台に設置された風力計も勢いよく回っている。寒いので早々に退散した。
と、ここでバイクにトラブル発生!オンボードコンピュータに見慣れない表示。「LAMPF!」っていう表示で、ランプに異常があった模様。バイクから降りて見ると、フロントのヘッドライトが切れて点いていなかった。トップの写真を見てもらえれば分かるだろうか?スモールランプは点いているけど、メインのヘッドライトが点いていない・・・まぁハイビームは点くので、いざという時は問題ないけど、今回のツーリングは、高速で奈良まで帰ることになっている。ナイトランもあるから、途中でランプを交換しないといけない。幸いBMWの携行マニュアルには、こういったツーリングでトラブルになるであろう事項は全て載っていて、ランプの交換もヘッドライトユニットの後ろにあるカバーを外して、工具なしで簡単に交換できることが分かった。道理で車載工具が少ないワケだ。問題はそのランプ。「H7」という種類のランプで輸入車規格だからその辺のガソリンスタンドでは在庫がある可能性は低い。ナビで近隣のカーショップを調べたら、諫早まで行けばあるので、そこまでスモールランプで行くことにした。
天草諸島から島原半島へは、島鉄フェリーを利用する。鬼池港から口之津港まで30分。陸路ならぐるっと回らないといけないのが、このフェリーのおかげで最短距離で行ける。45分毎の運航で、実は、昨日の夕方、下調べで立ち寄ったのだが、結構乗船待ちの車が並んでいて、本日時間通りに乗れるのか心配だった。まぁ、流れが逆方向になるのか、ボクの乗るフェリーは空いていて一安心。昔ボクも乗っていたロードスターで旅行中のおじさんから、このフェリーから「イルカ」が見れることを聞く。
小さなフェリーで港を出るとすぐに揺れだした。客席からこれから登る雲仙が見える。あいにく雲がかかっていて、天気は悪そう。楽しみにしていた「イルカ」もこの揺れなら見ることはできなさそう。
30分の航海のあと、下船準備をしていたら、福岡ナンバーのバイク発見。九州を1周しているそうだ。さすがにこの時期なので、荷物満載のバイクは、これから先もあまり見かけなかった。島原半島に足を踏み入れる。港横の公園に入って、乗ってきたフェリーを見送っていたら、初老のおじいさんが声をかけてきた。ボクの大きなGSを見て、色々な質問をされる。方言が入っていて、何度も聞き返さないと分からない。こんなやり取りから遠くへ来たなぁと実感する。
口之津港から時計回りで北上する。きれいなシーサイドラン。天気も少しだけ良くなった気がした。小浜からは雲仙を登る。以前は、自転車で登った道。よくこんな急勾配の坂を登ったなぁと我ながら感心。心配した雪は、全く積もっておらず、雲仙地獄へ到着した。
噴気や温泉の集まっているところを「地獄」と呼んでいる。独特の臭気に包まれた「地獄」。以前は信州の「白根山」や吾妻の「浄土平」を紹介したことがある。こういったところに来ると、地球は生きているなぁと実感できる。到着した時は↑のように蒸気が立ち込めていた。
しばらくすると、蒸気が少なくなり、しかもいい天気になってきた。この雲仙地獄は1周20分ほどの周遊路になっていて、温泉の源泉のようにボコボコとお湯が湧き出しているところがあったり、 独特の色の岩がゴロゴロしていたり、間近に「地獄体験」(?)ができる。まだまだ先は長いので、「地獄体験」はほどほどにして、先へ進むことにした。