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ソフトドリンク飲用と喘息との関連

2019-03-22 | 医学・医療・健康

ソフトドリンクを飲むことと、気管支喘息との関連を調べた論文です。

ソフトドリンク、特に砂糖で甘くした飲料(sugar-sweetened beverages, SSBs)との関連を示唆する論文はこれまでにもあったとのことですが、今回は特に、甘いものを飲む機会が多い中東カタールから、肺機能検査も含めての研究報告です。

Association between Soft Drink Consumption and Asthma among Qatari Adults

Amna Al Ibrahim et al.

Nutrients 2019, 11(3), 606; https://doi.org/10.3390/nu11030606

20歳以上の成人986名を対象に、ソフトドリンクを飲む頻度を食事調査票(FFQ)によって調べ、気管支喘息の病歴を問診によって確認するとともに、実際に呼吸機能検査を行って、肺活量や換気障害の有無を検討したというものです。

ソフトドリンクを飲む頻度は、飲まない・ほとんど飲まない、月1−3回、週1−3回、週4−6回、1日1回、1日2回以上 を、それぞれ週に何回飲んだかに換算して集計・解析。また、元の調査票にあったフルーツジュースは除き、ソフトドリンク・エナジードリンク・ダイエットソフトドリンクについて集計したとのことです。

その結果、

対象986名中65名(6.6%) に気管支喘息が認められ、ソフトドリンク飲用と喘息との間に関連が認められたということです。

具体的には、週7回以上ソフトドリンクを飲んでいた人は、飲まない人に比べて約2.6倍、喘息になりやすかったという結果でした(OR 2.60, 95% CI 1.20-5.63)。週に1回、ソフトドリンクを飲む回数が多くなると、喘息になる確率が8.3%上がるとされています。

ソフトドリンクの種類別に見ると、統計的に有意に喘息の頻度と関連していたのは「ダイエット・ソフトドリンク」でした(OR 1.12, 95% CI 1.02-1.23)。その機序は不明。ちなみにフルーツジュースの方は、逆に喘息の頻度を低下させる傾向がありました(OR 0.95, CI 0.85-1.07)。カタールでは、いわゆるフレッシュジュース(果物から直接作られるジュース)が多いそうで、フルーツジュース摂取は健康的なライフスタイルや健康意識が高いことと関係しているかもしれない、と考察されています。それに対して、ダイエットドリンクの飲用は、果物の摂取とは関連するものの野菜や身体活動との関連はなく、健康的なライフスタイルを反映しているとは言えないとのことです。

そしてソフトドリンクを飲む頻度は、呼吸機能の1秒率(FEV1)と逆相関。ということは、ソフトドリンクを飲む人は閉塞性換気障害の可能性が高いということになりますが、各種交絡因子で調整するとこの関連は有意でなくなり、逆相関の程度はわずか、ということです。なお、サブグループ解析では一秒率と肥満に逆相関があったことから、ソフトドリンクと1秒率との関係の少なくとも一部は、Body Mass Index (BMI)、すなわち肥満が関わっていることが示されました。

今回はあくまでもソフトドリンクの「摂取頻度」だけ見ており、喘息についても自己申告なので不明な点もあります(咳が出るから水分を摂っているということでは?とか)。また、なぜ喘息と関連するかについては、これまでにも言われていた「果糖」や「炎症」、添加物などが考えられるとのことですが、詳細は不明。

いずれにしても、糖分が多いソフトドリンクを飲みすぎるのは(栄養の観点からしても)あまりお勧めできないかと。ほどほどに味わっていきたいですね。