Visvanathan S, Daniluk S, Ptaszyński R, et al
Effects of BI 655064, an antagonistic anti-CD40 antibody, on clinical and biomarker parameters in patients with active rheumatoid arthritis: a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase IIa studyAnnals of the Rheumatic Diseases
Published Online First: 22 March 2019. doi: 10.1136/annrheumdis-2018-214729
「CD40」は活性化B細胞や樹状細胞、単球、マクロファージ、内皮細胞、線維芽細胞などに発現する分子で、活性化T細胞に発現するCD40L (CD154) と結合してB細胞の増殖や分化・抗体産生などに働くほか、各細胞の増殖や炎症性サイトカイン産生などにも関与していることが報告されています。
このため、CD40とCD40Lの結合や相互作用は、関節リウマチの病態形成にも深く関わっていると考えられ、実際、これらの分子はリウマチ患者さんの血液や病変局所で強く発現していることから、この相互作用をターゲットとしたリウマチ治療の可能性が考えられてきました。
しかし、抗CD40L抗体を用いたこれまでの臨床試験で副作用(血栓)が問題となり、臨床試験は停止状態となっています。
今回、新たに抗CD40抗体である「BI 655064」(ヒト化抗CD40抗体)を用いた第2相臨床試験の結果が報告されました。
MTXで治療効果が不十分であった67名の患者さんが、Bi 655064週1回皮下注射群 (n=44人)とプラセボ群 (n=23)にランダムに割り振られて12週間観察し、ACR20で評価しました。
12週後の結果、Bi 655064投与群で、重篤な副反応はみられず、IL-6, MMP-3, RFなどのマーカーや自己抗体の価には改善がみられたものの、Bi 655064群では改善基準達成は68.2%、一方プラセボ群では45.5%(p=0.064)で、残念ながら今回の試験では有意な臨床効果は示せなかったということです。
なかなか厳しいですが、引き続き今後とも検討が必要です。