Quelque chose?

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自己免疫性甲状腺炎と自己抗体

2019-03-27 | 医学・医療・健康
自己免疫性甲状腺炎(橋本病)の患者さんに、リウマチ性疾患(膠原病)と関連する臓器非特異的な自己抗体がどの程度出現するのかについて調べた2016年の論文です。原文は読めていませんが、抄録の内容を紹介します。

Elnady BM et al.
Prevalence and clinical significance of nonorgan specific antibodies in patients with autoimmune thyroiditis as predictor markers for rheumatic diseases.
Medicine (Baltimore). 2016 Sep;95(38):e4336. doi: 10.1097/MD.0000000000004336.

橋本病の患者さんではさまざまな自己抗体が陽性であったり、しばしば膠原病・リウマチ性疾患が合併したりすることが知られています。今回はそのような自己抗体の頻度と意義についてみています。

この研究では、まず[フェーズ1]として61名の甲状腺炎の患者さん(リウマチ性疾患や膠原病の症状がない方)と、甲状腺炎ではない健康な方61名とで、自己抗体の陽性率について調査。
次いで、[フェーズ2]として、その後の膠原病発症や自己抗体との関連について調べた、というものです。

結果としては、自己免疫性甲状腺炎の患者さんでは、抗核抗体が50.8%、抗dsDNA抗体が18%、抗ENA抗体がが21.3%、リウマトイド因子(RF) が34.4%にそれぞれ出現。いや抗核抗体こんなに高頻度なのか。思った以上です・・。
当然、健常人とは有意に異なる頻度であったとのことです (P<0.5と書いてあるんですが、それでいいのか・・・?)

そして全体の約3割(32.8%)が、2年間の観察期間中にリウマチ性疾患を発症。
抗dsDNA抗体陽性であった人のほうが明らかに高いリスク(抗体陰性の人に比べ2.45倍)あり。
その他、年齢、抗dsDNA抗体、抗CCP抗体、RF、甲状腺炎の罹病期間 が発症と関連していたとのことです。特に抗dsDNAとRFが最も強い予測因子でした (P<0.0001)。

ということで
自己免疫性甲状腺炎(橋本病)とリウマチ性疾患・膠原病との関連は予想以上に強いものがあり、上記のような自己抗体が陽性であることが判明したら、早い時期から膠原病内科医にコンサルトして慎重に経過をみていくことが重要である、と結論されています。

まあおおむねそうかなと思える内容です。実際にどんな疾患をどの時期に発症したのかは、原文を読んで確認してみたいと思います。
個人的にも、何か一つの自己免疫疾患があれば、その後別の自己免疫疾患が生じる可能性は少なくないと思うので、患者さんは心配しすぎず・でも油断せず、定期的に受診していただければと思います。

ソフトドリンク飲用と喘息との関連

2019-03-22 | 医学・医療・健康

ソフトドリンクを飲むことと、気管支喘息との関連を調べた論文です。

ソフトドリンク、特に砂糖で甘くした飲料(sugar-sweetened beverages, SSBs)との関連を示唆する論文はこれまでにもあったとのことですが、今回は特に、甘いものを飲む機会が多い中東カタールから、肺機能検査も含めての研究報告です。

Association between Soft Drink Consumption and Asthma among Qatari Adults

Amna Al Ibrahim et al.

Nutrients 2019, 11(3), 606; https://doi.org/10.3390/nu11030606

20歳以上の成人986名を対象に、ソフトドリンクを飲む頻度を食事調査票(FFQ)によって調べ、気管支喘息の病歴を問診によって確認するとともに、実際に呼吸機能検査を行って、肺活量や換気障害の有無を検討したというものです。

ソフトドリンクを飲む頻度は、飲まない・ほとんど飲まない、月1−3回、週1−3回、週4−6回、1日1回、1日2回以上 を、それぞれ週に何回飲んだかに換算して集計・解析。また、元の調査票にあったフルーツジュースは除き、ソフトドリンク・エナジードリンク・ダイエットソフトドリンクについて集計したとのことです。

その結果、

対象986名中65名(6.6%) に気管支喘息が認められ、ソフトドリンク飲用と喘息との間に関連が認められたということです。

具体的には、週7回以上ソフトドリンクを飲んでいた人は、飲まない人に比べて約2.6倍、喘息になりやすかったという結果でした(OR 2.60, 95% CI 1.20-5.63)。週に1回、ソフトドリンクを飲む回数が多くなると、喘息になる確率が8.3%上がるとされています。

ソフトドリンクの種類別に見ると、統計的に有意に喘息の頻度と関連していたのは「ダイエット・ソフトドリンク」でした(OR 1.12, 95% CI 1.02-1.23)。その機序は不明。ちなみにフルーツジュースの方は、逆に喘息の頻度を低下させる傾向がありました(OR 0.95, CI 0.85-1.07)。カタールでは、いわゆるフレッシュジュース(果物から直接作られるジュース)が多いそうで、フルーツジュース摂取は健康的なライフスタイルや健康意識が高いことと関係しているかもしれない、と考察されています。それに対して、ダイエットドリンクの飲用は、果物の摂取とは関連するものの野菜や身体活動との関連はなく、健康的なライフスタイルを反映しているとは言えないとのことです。

そしてソフトドリンクを飲む頻度は、呼吸機能の1秒率(FEV1)と逆相関。ということは、ソフトドリンクを飲む人は閉塞性換気障害の可能性が高いということになりますが、各種交絡因子で調整するとこの関連は有意でなくなり、逆相関の程度はわずか、ということです。なお、サブグループ解析では一秒率と肥満に逆相関があったことから、ソフトドリンクと1秒率との関係の少なくとも一部は、Body Mass Index (BMI)、すなわち肥満が関わっていることが示されました。

今回はあくまでもソフトドリンクの「摂取頻度」だけ見ており、喘息についても自己申告なので不明な点もあります(咳が出るから水分を摂っているということでは?とか)。また、なぜ喘息と関連するかについては、これまでにも言われていた「果糖」や「炎症」、添加物などが考えられるとのことですが、詳細は不明。

いずれにしても、糖分が多いソフトドリンクを飲みすぎるのは(栄養の観点からしても)あまりお勧めできないかと。ほどほどに味わっていきたいですね。

 

 


ロコモ&メタボ予防講座

2019-03-17 | イベント・セミナー

本日は相模女子大学にて、初めてメガロス相模大野とのコラボで実施した「メタボ&ロコモ予防講座」の第2回でした。

前回は、「メタボリックシンドローム」と「ロコモティブシンドローム」、それにそれらの関連について、医学、栄養、運動の3つの専門分野からのミニ講義と簡単な運動実技、それに参加者皆様の体力測定などを行い、その後実際に期間を区切ってメガロスでの運動体験をしていただきました。

今日はその成果(?)を持ち寄ってお集まりいただき、再度、知識と体力の確認をしたところ・・

なんと!約2ヶ月の短期間ではありましたが、皆様、それなりに体重も体力も、前回よりも改善する傾向がみられたようです。

「やろう!」と決めて、次の目標を定めて取り組めば、少しずつでも着実に健康に効果がありそうですね。

今日、私のお話の中では、復習とともに「インスリン抵抗性」について改めて説明させていただきました。

インスリンは、血液中のグルコースを筋肉などの組織に取り込むことで血糖を下げるほか、DNAなどの核酸合成やタンパク質合成などにも重要な枠割を果たします。そのインスリンが、組織でその作用を十分に発揮することができなくなっている状態を「インスリン抵抗性」といいます。

その「インスリン抵抗性」は肥満やメタボの人にみられますが、運動することによって改善します。

ただし、運動をやめると元に戻るので、地味に(?)運動を続けることが大切。

そして、「運動したからご褒美☆」と言っておやつを食べ過ぎないようにしましょう、ということも本日管理栄養士の先生からお話しされていました(笑)。

皆様も、今回のセミナーをきっかけとして、今後も時々体を動かす習慣を続けていただければと思います。

 

(ていうか私自身も、春から運動しよう(今度こそ)と思っています。できるかな?)


タバコの臭い

2019-03-16 | 医学・医療・健康

患者さんを診察するとき、タバコの臭いが気になることがある。気になる、というだけでなくせき込んでしまうこともある。

タバコの臭いはかなり強烈で、しかもしばらく部屋に残る。ヘビースモーカーの方を診察した後の診察室には、しばらくの間は喘息もしくは気道の過敏な患者さんに入っていただくべきではない。空気清浄機必須である。

しかし最近、以前と異なる臭いが気になることが増えてきた。

加熱式タバコである。

加熱式だからまあいいかと、健診や人間ドックの受診時にも、おそらく朝からタバコを吸ってこられるらしく、診察するとなにか独特の、場合によっては金属の果物のような(?)、へんな臭いがするのでわかる。

少し離れていても臭いを感じるということは、それだけ喫煙者の方から発散されているものがあるわけで、加熱式タバコからの受動喫煙も相当あるのだろうなと思える。煙が見えないだけに、むしろより危険かもしれない。

紙巻タバコにしても加熱式タバコにしても、周囲の方々、同居のご家族、特にお子さんの受動喫煙が気になるところである。

少し前の新聞記事があったので参考までに。

「広がる加熱式たばこ「受動喫煙の心配なし」は大きな誤解」


皆様、医療機関(健診センター含む)を受診するときには、タバコを吸わないでいらしていただきたいと思います。

 

 


うどん

2019-03-15 | グルメ

東京駅で、新幹線に乗る前に何か食べようと思い、今日はちょっと丸の内の方へ。

地下でKITTEからTOKIAの方に行ったところにあるうどん店「つるとんたん」に入ってみた。

大阪と東京に店舗を持つお店で、出汁は関西風。

とにかく、お碗のインパクトが半端ない。大きさが洗面器みたいだ。

メニューは店舗によって異なり、これは「焼餅のおうどん」。角餅が香ばしい。

うどんは2種類の太さから選べ、量も1玉から3玉まで、0.5玉単位で選べる。今日は1.5玉。お餅もあったので結構お腹いっぱいになった。

いわゆる普通のうどん以外にも、カルボナーラとかツナとか気になるメニューがいろいろあったので、時々覗いてみようかな。