散文的で抒情的な、わたくしの意見

大河ドラマ、歴史小説、戦国時代のお話が中心です。

真田丸  黄昏ほかこの数回の感想

2016年07月31日 | ドラマ
この数回は秀吉が老いていくことがテーマです。

「老い」はごく身近にあり、私自身だって少しずつ老いています。

だから、なんというかホームドラマを見ているような感じがします。

この数回、ずっと朝鮮と戦争中なわけですが、その辺りの切迫感は全くありません。

誰一人朝鮮侵略に反対しないし、陰で反対を口にしたりもしません。その点これまでの朝鮮の役の描き方とは全く違っています。

三谷さんがナショナリストのわけはないので、ナショナリストに媚びているのでしょう。あまり好きな姿勢ではありません。

「もし」を語っても仕方ないのですが、この晩年、秀吉は何をすべきだったのでしょう。

家康を殺せば良かったかというと、そうでもないでしょう。徳川家中は団結が強いですから、かえって逆効果だったかも知れません。

朝鮮との戦争をやめて、豊臣家中を一枚岩にすることに尽力する。

平凡ですが、それが第一だったでしょう。

五大老制も五奉行制もなくし、譜代相当の大名だけで政治の中心を固め、外様には政治に口出しをさせない。

つまり徳川がやったことですが、それが一番であったでしょう。

もっとも秀吉というのは日本史上初めて個人で専制君主になった人間です。歴史に過去の前例がなかった。

頼朝も清盛も前例にはなりません。「始皇帝」みたいなもんで、始皇帝がそうであったように、死ねば体制が崩壊してしまう。

もっともよいのは「あきらめる」ことだったかも知れません。