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第59話「北方の王者」(その1)更新! 2024/08/29
拓きたい未来を夢見ているのなら、ここで想いの力を見せてみよ、 ルキアン、いまだ咲かぬ銀のいばら! |
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【設定解説】 「MT」って何ですか?

本編に出てくるMTソードやMTシールドの「MT」って何ですか?という疑問を持っていた方も少なくないと思います。MTナントカという類の武具、見た目はガンダムシリーズのビームサーベルやビームシールド(爆)のようだけど、でも、この小説はあくまで剣と魔法の世界が舞台だし…一体何なんだ? 以下、検証してみました(^^;)。
◇
作品中では、第1話でアトレイオスのMTシールドがひそかに登場しており、第5話に初めてMTの説明が少しみられる。MTは、イリュシオーネの古典語「マギオ・テルマー」の略。マギオ・テルマーとは、直訳すると「魔法の武具」という意味である。ならばMTソードは魔法の剣であり、MTシールドは魔法の盾だということになるが…。「魔法の~」と称していても実際はどうなのだろう? 第5話では、MTソードは「魔法力を収束した光の剣」と書かれている。この「光の剣」が何でできているのかが問題だ。
実は、MTソードの外見がビームで形成された剣を彷彿とさせることからも想像できるように、攻撃の効果に関する限り、MTは、SFのロボット物に出てくるビーム兵器とほとんど変わりがないのだった…。いや、一応、この作品はファンタジーなので、ビームソードとかレーザーブレード等々という言葉を真正面から使ってしまっては、身も蓋もなくなってしまう(笑)。とはいえ、SF作品の場合と同様にビームの武器を作り出しているわけではない。
MTの光の刃を形成する粒子は、基本的には現実界の物理法則下にあるが、なおも魔法力の影響を一定程度受けているものと思われる。MTの発展版である帝国軍の開発中のPT(プシュカ・テルマー)が、エクターの思念に応じて自在に形状を変化させるという点からもそれはうかがえる。PTを形成する粒子も、基本的にはMTとそんなに違いはない。その粒子が人間の意思に応じて動くということは、これはもう普通の科学の範囲を超えて、超能力やオカルトの領域である(^^;)。上記のようにMTソードが「魔法力を収束し」て作られるというのは、厳密には、魔法力に反応する何らかの粒子を収束して作られるという意味であろう。
〔余談〕 ちなみにPTを搭載しているのは、当面は帝国軍のルガ・ブロアとパ・シヴァーのみの予定。ただルガ・ブロアの場合、本来はゼーレムの試験用の機体である。とりあえず最新型なので新しい武装は何でも取り入れてみた、というレベルでPTも搭載しているにすぎない。PT兵器の本格実用機第一号は、むしろパ・シヴァーの方になる、らしい。余談終わり(余談というよりネタバレでは?)。
残念ながら、旧世界人の開発したMTの原理は、現世界ではもはや失われてしまっている。アルマ・ヴィオ本体同様、その武器に関しても、現世界人は得体の知れないオーパーツ(!?)を敢えて使っているというわけである。おそらくは、この物語に時々出てくる「アスタロン」(魔法力を伝達する媒質として仮想されているもの)に対して何らかの働きかけを行うことにより、魔力の伝達をコントロールし、魔力に反応する粒子をそれによって収束させているのであると考えられる。
だが、MTを形成する粒子自体は、単に魔法力に「反応」する性質をもつのみであって、それ自体に何か特別な魔法の力を帯びているというわけではない。つまり、攻撃の効果に関していえば、通常のビーム剣と何の変わりもない(苦笑)。実体をもつ剣(例えば鋼の剣)とは確かに異なるが、広義の「物理攻撃」に属する武器であって、魔法攻撃を行うものではないのだった。ファンタジーRPGに出てくる炎の剣や吹雪の剣など、魔法による追加ダメージを与えることのできる武器とは、根本的に性格が違うのである。ただし、ゲームと同様、MTに呪文をかけて魔法で強化することはあり得るだろう。
そういえば小説本編の中で、MgSの通用しない(=魔法の効かない)相手に対しても、MTだけはなぜか有効である。一見、これは不思議だ。しかし上記の通りMTが物理属性の攻撃を行う兵器であることから考えれば、不思議ではなくなる。MgSを反らしてしまうレプトリアに対し、ギルドのエクターたち(第27話)やレーイ(第34話)がMTでの戦いに切り替えたのは当然の選択であったのだ。
アルフェリオンのステリア・ソードに至っては、従来からもはや完全にビーム兵器としかいいようのない描写が行われていた。いや、第9話には「アルフェリオンは、敵のそれよりも遙かに強いビームを右手から発射した」(笑)と、はっきり書かれていたりする。
なお、以上の話からして、MTシールドの効果もあくまで物理防御限定である。ということは、魔法攻撃に対するMTの防御力は…。まぁRPG等の場合に、何の魔法も掛かっていない鋼の盾が、敵の呪文を跳ね返したり無効化したりはしないまでも、しばしば炎や氷の魔法のダメージを一定程度は減らすことができるというのと、同じようなレベルである(^^;)。実際にはMgSの魔法程度なら、魔法の代用品、いわば疑似魔法のようなものなので、MTシールドでも結構防げるのだった(それは本編の中でも明らか)。ただし相手が魔法戦型のアルマ・ヴィオで、ランブリウスを使って「本当の」呪文を放ってきたら、MTシールドで防ぎきるのは到底不可能…。
◇
なお、武器の設定解説ついでに、近日中に『アルフェリオン』世界の似非魔法科学(苦笑)の核心をなす、アスタロンとパンタシアについても解説してみたいと思います。大昔に本家サイトに少し書いたことはあったのですが、現在のお客様のほとんどは、ご覧になる機会がなかったのでは…。パンタシアに関してはじきに詳しい解説が本編でも出てきますが、アスタロンについてはイマイチ不明のままです。そのわりには「アスタロン速度干渉結界」とか、意味不明なモノが出てきたりしていますし。
『アルフェリオン』におけるアスタロンとパンタシアの設定というのは、いわばガンダムでいえばミノフスキー粒子みたいな部分、ガンダム00でいえばGN粒子みたいな部分、要するにメカの設定に関して核心をなす要素ですからね(^^;)。
以上
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